書店員向け情報 HELP
出版者情報
在庫ステータス
取引情報
インセスト
アナイス・ニンの愛の日記 【無削除版】1932~1934
- 出版社在庫情報
- 在庫あり
- 初版年月日
- 2008年3月
- 書店発売日
- 2008年3月3日
- 登録日
- 2010年2月18日
- 最終更新日
- 2020年12月2日
書評掲載情報
2017-06-11 |
毎日新聞
朝刊 評者: 鹿島茂(明治大学教授・フランス文学) |
MORE | |
LESS |
紹介
アナイス・ニンが生涯をとおして書き続けた日記。
無削除版第2巻、待望の翻訳出版。
夫、ミラー、アランディ、アルトー、ランク……そして父との“愛”。
他者との関係のなかで、複雑に屈折する自己の内面を深く見すえた膨大な記録。
1930年代パリ――夫、従弟、作家ヘンリー・ミラー、ミラーの妻ジューン、精神分析学者ルネ・アランディ、詩人アントナン・アルトーとの錯綜する関係を生きていたころ、ニンは10歳で別れた父と再会する。
自分を捨てた父への「読まれない手紙」として『日記』を書きはじめたニンは、長年にわたる複雑な思いを秘めながら、父と二人だけの濃密な9日間を過ごすが、そのあとに残ったのはさらなる混沌だった。そして彼女は、高名な精神分析学者オットー・ランクのもとを訪れる……。
ニンの弟は、本書を姉の創作であると位置づけ、出版に最後まで強硬に反対したが、インセスト・タブーを乗り越えることにより、人間として、芸術家として成熟していったニンの克明な記録は、文学史上、比類ないものである。
■書評……『週刊文春』「私の読書日記」立花隆氏(2008年4月10日号)
『週刊現代』「リレー読書日記」桜庭一樹氏(2008年5月3日号)
『図書新聞』矢口裕子氏(2008年6月21日)
『英語青年』大野朝子氏(2009年2月号)
(社)日本図書館協会 選定図書
前書きなど
▼日記『インセスト』に登場する主な人々……
*作家・詩人
ヘンリー・ミラー/アントナン・アルトー/ルイーズ・ド・ヴィルモラン/ルネ・ラルー/ウィリアム・アスペンウォール・ブラッドリー/レベッカ・ウエスト/ケイ・ボイル/ジョン・アースキン/アレイスター・クロウリー/アン・グリーン
*精神分析・心理学者
オットー・ランク/ルネ・アランディ/ハリー・ボーン
*アーティスト(彫刻家・写真家・ダンサー)
オシップ・ザッキン/シャナ・オルロフ/ブラッサイ/マルセル・デュシャン/ヒレア・ハイラー/エルバ・ウアラ
*出版関係者
ジャック・カーヘン(オベリスク・プレス社)/ブランチ・クノップ(アルフレッド・クノップ社)/カレス・クロスビー(ブラック・サン・プレス社)/バーナード・スティール(デノエル・アンド・スティール社)/エドワード・タイタス/ユージーン・ジョラス(『トランジション』)/シルヴィア・ビーチ(シェイクスピア・アンド・カンパニー)
*音楽家
ホアキン・ニン・イ・カステリアノス(父親)/ホアキン・ニン=クルメル(弟)
*ミラーの『北回帰線』の登場人物モデルとなった人々
リチャード・オズボーン/マイケル・フランケル/ウォルター・ローウェンフェルズ
版元から一言
▼アナイス・ニンの日記(無削除版)とは
ニンは11歳から晩年まで、60年以上にわたり休むことなく《日記》を書き続けた。
「私の親友」「分身」「麻薬」と呼んだその手書きの《日記》は4万ページ近くに及び、カリフォルニア大学に厳重に保管されているが、全貌はいまだ明らかになっていない。
伝説的に語られてきた《日記》の一部は、これまでに3つのシリーズとして出版されている。第1シリーズ《アナイス・ニンの日記 1931~1974》全7巻、第2シリーズ《アナイス・ニンの初期の日記 1914~1931》全4巻、そして本書『インセスト』を含む第3シリーズ《アナイス・ニンの愛の日記 無削除版 1931~1939》全4巻の計15巻である。
1966年に出版が始まった第1シリーズは、刊行と同時に、女性たちから「私の日記を書いてくれた」と絶賛されたが、関係者への配慮から、赤裸々に綴られた激しい愛の記録は削られ、エージェントの助言も受けながら編集し直されたものだった。
《無削除版》は、ニンが愛した男性たちが鬼籍に入ってから、出版できなかった部分も含めて活字にしてほしいという、彼女の遺志を受けて出版された。ミラーとの出会いから始まる第1巻目『ヘンリー&ジューン』(1986)はベストセラーとなり、1990年、フィリップ・カウフマン監督によって映画化され話題となった。『インセスト』は、その続編。
(社)日本図書館協会 選定図書
上記内容は本書刊行時のものです。