版元ドットコム

探せる、使える、本の情報

文芸 新書 社会一般 資格・試験 ビジネス スポーツ・健康 趣味・実用 ゲーム 芸能・タレント テレビ・映画化 芸術 哲学・宗教 歴史・地理 社会科学 教育 自然科学 医学 工業・工学 コンピュータ 語学・辞事典 学参 児童図書 ヤングアダルト 全集 文庫 コミック文庫 コミックス(欠番扱) コミックス(雑誌扱) コミックス(書籍) コミックス(廉価版) ムック 雑誌 増刊 別冊
オンライン脳 東北大学の緊急実験からわかった危険な大問題 川島隆太(著/文) - アスコム
..
【利用不可】

オンライン脳 東北大学の緊急実験からわかった危険な大問題 (オンラインノウ トウホクダイガクノキンキュウジッケンカラワカッタキケンナダイモンダイ)

社会一般
このエントリーをはてなブックマークに追加
発行:アスコム
新書判
240ページ
定価 1,270円+税
ISBN
978-4-7762-1234-8   COPY
ISBN 13
9784776212348   COPY
ISBN 10h
4-7762-1234-X   COPY
ISBN 10
477621234X   COPY
出版者記号
7762   COPY
Cコード
C0030  
0:一般 0:単行本 30:社会科学総記
出版社在庫情報
不明
書店発売日
登録日
2022年7月5日
最終更新日
2022年7月29日
このエントリーをはてなブックマークに追加

紹介

オンラインでのコミュニケーションは、今後、私たちの社会に大いなる悪影響を及ぼす可能性があるのではないか? こうした危機感を抱いた私は、それを証明するために実験を重ね、驚くべき結果を得ることができました。
一刻でも早くみなさんに知っていただくべく、私は本書『オンライン脳』を緊急出版することにしたのです。

オンラインなら、会社にも個人にもメリットが大きい、と思われているかもしれません。ところが、ここに大きな落とし穴があるのです。「便利になった」のと、私たちの「脳がどう感じているか」は、まったく関連性がないことだったのです。

なぜ、「オンラインコミュニケーション」が問題なのでしょうか。
ひとつは、オンラインは「楽だ」ということです。肉体の移動をともなわずにコミュニケーションできるのですから、とても「楽」です。
一方、対面コミュニケーションでは、実際に人と接することで、脳がさまざまな刺激を受け、活発に働きます。オンラインでは「楽」をした分だけ刺激が少なく、脳の一部しか働かないのです。

また、対面でお互い顔を見ながらよいコミュニケーションがとれた場合には、お互いの脳活動が「同期する」という現象が起きます。ところが、オンラインでは脳が「同期しない」という実験結果が出たのです。
これは、重要なことを示しています。脳活動が同期しないことは、脳にとっては、「オンラインでは、コミュニケーションになっていない」のです。情報は伝達できるが、感情は「共感」していない。つまり、相手と心がつながっていない、ということを意味します。

一刻も早く、対面でのコミュニケーションができる社会に戻さなければいけません。しかしながら、私は、オンラインはやめてコロナ前に全面的に戻れ、と言っているのではありません。オンラインの便利さは享受しながらも、私たちや子どもたちの脳にできるだけ悪影響が出ないような生活をしていかなければなりません。

本書で言うところの「オンライン脳」とは、「スマホ・タブレット・パソコンなどのデジタル機器を、オンラインで長時間使いすぎることによって、脳にダメージが蓄積され、脳本来のパフォーマンスを発揮できなくなった状態」を指します。
本書では、オンラインと脳の賢い付き合い方についても書きました。ぜひ、参考になさってください。(「まえがき」より)

目次

第1章
衝撃の事実! 「オンライン」では心が動かない!!
──東北大学の緊急実験からわかった危険な大問題

●「オンライン脳」には、致命的なリスクがある!
●「対面」と「オンライン」のコミュニケーションを比較する緊急実験をおこなった!
●人間は協力しあうと「脳が同期してくる」
●「オンライン脳」は、ボーッとしているのと同じ状態だった!
●「オンライン」で情報伝達はできる。しかし「共感」や「協調」は生まれない など


第2章
人間の本能に反している「オンライン脳」
──相互信頼が築けない「オンライン脳」でコミュニケーションは成立するのか?

●オンラインでは「視線が合わない」のが大問題
●スクリーンやモニタが小さいほど、脳は同期しにくくなっている
●脳には他人の視線をキャッチする「扁桃核」がある
●意思の疎通ができなければ、コミュニケーションではない
●コミュニケーションのゴールは、相互信頼関係を築けるかどうかだ など


第3章
「オンライン」と「スマホ」で、
脳への複合的リスクがいっそう高まる!
──学力低下、脳発達の遅れ、うつ状態、依存はなぜ起こる?

●明らかなデータ スマホを始めれば成績が下がる。手放せば成績が上がる
●使うアプリの数が多い子どもほど、学力が低い
●スマホ、SNSの「スイッチング」が注意力をどんどん散漫にしてしまう
●スマホで調べるのと紙の辞書で調べるのでは記憶の再生力が違う
●スマホの長期間使用 3年で「脳の発達が明らかに遅れる」衝撃のデータ など

第4章
オンラインへの「対応力」で、格差がますます広がっていく
──できる子、できない子、できる親、できない親がデータで明確になってきた

●叩かれても私は言う「デジタル漬けの子ども」を救うのは今しかない
●デジタルを使った教育には「子どもたちに有益」との〝エビデンス〟が一切ない
●企業にとって「オンライン」は本当に有益なのか?
●本当に必要な人材には「オンラインでいい」と会社は言わないはず など


第5章
「オンライン脳」と、どう付き合えばよいのか?
──個人、家庭、企業が、今すぐ始めるべきこととは?

●「オンライン脳」は誰でもなるし、回復も可能なものである
●スマホは3歳未満には絶対に触らせない
●まともな企業はすでに、「オンラインからの離脱」を始めている
●逆に、意味の薄い会議はどんどんオンラインでやればいい
●意識の高い人は、オンラインにたよらず積極的に人に会っている など

著者プロフィール

川島隆太  (カワシマリュウタ)  (著/文

川島隆太(かわしま・りゅうた)

昭和34年生まれ。千葉県千葉市出身。
東北大学加齢医学研究所 所長。
東北大学スマート・エイジング学際重点研究センター センター長。

昭和60年東北大学医学部卒業、平成元年東北大学大学院医学研究科修了、スウェーデン王国カロリンスカ研究所客員研究員、東北大学加齢医学研究所助手、同講師、東北大学未来科学技術共同研究センター教授を経て平成18年より東北大学加齢医学研究所教授。平成26年より東北大学加齢医学研究所所長。平成29年より東北大学学際重点研究センター長兼務。
主な受賞として、平成20年「情報通信月間」総務大臣表彰、平成21年度科学技術分野の文部科学大臣表彰「科学技術賞」、平成21年度井上春成賞。平成25年河北文化賞。査読付き英文学術論文400編以上、著書は『スマホが学力を破壊する』『さらば脳ブーム』など、300冊以上。

上記内容は本書刊行時のものです。