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てつがく絵カード
小さな子どもたちとてつがくするためのテーマ別絵カード
- 出版社在庫情報
- 在庫あり
- 初版年月日
- 2017年12月
- 書店発売日
- 2017年12月3日
- 登録日
- 2017年4月27日
- 最終更新日
- 2018年1月31日
紹介
●小さな子どもたちとてつがくするためのテーマ別絵カード『てつがく絵カード』
この『てつがく絵カード』は、小さな子どもたちと48の問いについて哲学するためのカードです。真実、時間、友情、個性、平等、自由など、様々な哲学的テーマを引き出す問いが1枚に1つ書かれています。
48の問いは、絵が描かれたカードの裏側にあります。1つ1つの問いには、そのテーマに関して、子どもたちの考えをさらに深めるのに役立ついくつかの問いが書かれています。これらは、まさしく意外な答えを引き出すために、独特の観点からテーマを見直すための問いかけです。
●なぜ『てつがく絵カード』なの?
幼児を相手に話をする時には、当然、小学生と話す時とは違った口調になるでしょう。でも、幼児とでも、いろいろな問いについてとても深く考えることができます。
そういう時は、子どもたちの周りの世界の何か具体的なテーマや人があった方が対話は始めやすいものです。この『てつがく絵カード』はそのために作られたものです。
●誰のための『てつがく絵カード』?
『てつがく絵カード』は、学校だけではなく家庭でも、子どもたちと、いつもとはちょっと違った、何か深い会話をしてみたいという時に役立つことでしょう。
●『てつがく絵カード』の使いかた
子どもたちが自分の答えを、できるだけ長く深く考え直し、問い直せるように大人がリードしながら使います。
各カードの上段に書かれた問いの文章の中で、太字になっている言葉がテーマです。問いの下には、その問いを深めていく時に使う絵が描かれたカードがリストアップされています。それぞれの絵には番号が振られているので、子どもたちと哲学を始める前にリストにある絵のカードを抜き出して用意しておきましょう。
また、リストには、そのテーマごとに各絵を子どもたちに示す時の言葉も書かれています。例えば、1番の絵は、ある場合には、「お父さん」というだけですが、別の時には「嬉しい時」というような言葉で示すために使われます。48の問いには、それぞれ、子どもたちがこんな答えを出すかもしれないという、子どもの言葉の引用も書かれています。
版元から一言
●哲学はみんなのもの
子どもたちと哲学をしてみると、とても驚かされるものです。子どもたちの口をついて出てくる理由や説明は、感動的で独創性に富み、クリエイティブで驚くほど的を得たものであることがよくあるのです。哲学というと何か難しそうに聞こえ、子どもには向かないと考える人が多いようですが、そんなことはありません。哲学は、誰にでも、そう、たった4歳の子どもにだってできます! それに、人の生について知りたいという欲求は、人間にとって生まれながらの欲求であるとすら言えます。子どもたちが何百もの「なぜ」という問いかけをするのは、正にそのためでもあるのです。
●考える筋肉
哲学の魅力は、自分の頭以外には他に何もいらないことです。知識もいりません。知識は、むしろ少ない方が良いと言えるくらいで、その方が物事のしくみについて自分の力で考えられ、本当に「考える筋肉」を鍛えることができるからです。
●深い考えを引き出すために
哲学では、子どもたちが考えをもっと深めるために問いかけ続けていくことが大切です。子どもたちの答えに対して、さらに問いかけていくのです。例えば、下記のような問いです。
・どうしてそうだとはっきりわかるの?
・ちがうこともある?
・いつもそうかな?
・どうしてそうなるの?
・何か例を挙げられる?
・もしもそうでないとしたらどう?
・ほかのみんなもそう思う?
・どうしてそう思うの?
・どうしてそうなのかな?
・それには何かルールがあるの?
・これまでもいつもそうだったの?
・それが正しいという証拠が何かある?
●哲学することの利点
哲学は、(円座で行うサークル)対話の中身を充実させ、子どもたちの頭を刺激する素晴らしい方法です。
子どもたちの語彙は増え、会話力が伸び、お互いによく耳を傾けあったり問いかけあったりできるようになり、自分が考えていることを言葉にしたり、自分なりのアイデアを表現したり、自分の意見をまとめて伝えられるようになります。また、普段とは違う角度からお互いを知り、より深く理解できるようになります。
そしてとても大切なのは、哲学には間違った答えがないので、子どもたちの自信が育つことです。
●子どもたちの哲学をどうファシリテートする?
一番大切なルールは、ただ問いかけることに終始し、決して答えを与えないこと。子どもたちは自分で考えなければなりません。大人が答えを与えてしまうと、子どもたちは考えるのを止めてしまいます。学校や家で大人がいつも答えを出すのに慣れてしまうと、当然そうなってしまうのです。
また、もう1つ大切なのは、大人であるあなたが子どもたちの発言に対して興味があるという態度を示すことです。それは言い換えれば、あなた自身も実は人生がどのような仕組みになっているのかは、子どもたちと同様、正確には知らないということ、また、すべてのことについて答えをすぐに出せるわけではないことを自覚することにほかなりません。
それに、子どもたちの言葉がきっかけとなって、大人自身がものを考え始めることさえあるのです。子どもたちの言葉は真摯に受け止めましょう。
上記内容は本書刊行時のものです。