書店員向け情報 HELP
出版者情報
書店注文情報
在庫ステータス
取引情報
舟
北方領土で起きた日本人とロシア人の物語
- 出版社在庫情報
- 在庫あり
- 初版年月日
- 2024年7月10日
- 書店発売日
- 2024年7月10日
- 登録日
- 2024年4月24日
- 最終更新日
- 2024年7月10日
紹介
知られざる日ロ民間交流の歴史
終戦直後、北方領土のとある島で、日本人とロシア人が「共生」していた一時期がありました。引揚げの日の朝、海で遭難したロシア人の子どもたちを救出するために、一人の日本人漁師が単身海へ出て重出に成功。その奇跡的な救出劇と、当時の日本人とロシア人の「共生」のあり方を描いたノンフィクション小説が、この表題作「舟」です。
これに加え、日ロ双方の元島民たちと、元島民子孫へのインタビューを収録しました。終戦後、シベリアなど北方からの引揚げは過酷なものでした。しかしその一方で、北方領土では日ロ双方の住民同士が、いがみあうことなく共同生活を送っていた事実もあるのです。
歴史の表舞台では描かれてこなかった、知られざる民間交流の実態が本書で明らかになります。
目次
まえがき
舟 北方領土で起きた日本人とロシア人の物語~
一九九二年 極東ロシア
志発島(歯舞群島)にて 一九四七年
北海道 根室、現代
元島民たちの記憶とその子孫の声
ガリーナ・ニキーチチナ・ラーピナさん(一九三八年生まれ)の体験
志発島 元島民の木村芳勝さん(一九三四年生まれ)の体験
曾祖母、祖父の島、「シボツトウ」と私の血を巡る旅 山田淳子
解説 樫本真奈美
北方四島関連年表
訳者あとがき
前書きなど
二〇二二年二月のロシアによるウクライナ侵攻はこの企画を進めるうえで重くのしかかった。不穏な報道や元島民の方々の悲痛な声を目の当たりにした時、これまで日ロ双方の地元の自治体と民間が協力して行ってきた地道な「対話」の努力の尊さを改めて感じた。これこそが、日本が抱える領土問題のうち北方領土が特殊である点である。日ロ両国は領土問題の存在を認め、少なくとも「話し合い」を行ってきた。
北方領土の住民たちが織りなす人間ドラマには、単純な二項対立をはるかに超えた魅力がある。
(「訳者あとがき」より)
上記内容は本書刊行時のものです。