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〈たのしい授業〉のすすめ方
実況★オバラシゲミの仮説実験授業入門
- 出版社在庫情報
- 在庫あり
- 初版年月日
- 2021年3月8日
- 書店発売日
- 2021年3月8日
- 登録日
- 2021年2月8日
- 最終更新日
- 2022年11月7日
重版情報
2刷 | 出来予定日: 2022-11-15 |
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紹介
2001年より、著者が明星大学教育学部の理科教育法で行ってきた「〈たのしい授業〉(=仮説実験授業)とその授業のすすめ方」についての講義をまとめたものです。
すでに多くの学生たちが、この講義を参考にして〈たのしい授業〉を実践し、現在進行形で教職の道を歩んでくれています。また、2009年から始まった教員免許状更新講習でも、このテキストの一部を使った授業が行われ、受講している現役の先生方(30~50代)から高い評価を得ています。
新人先生からベテラン先生まで、授業でお悩みの先生方には本書がきっと役立つはずです。
〔目次〕
はじめに……3
第1章に登場するQuestion一覧と掲載ページ……10
第1章 〈たのしい授業〉のすすめ方……11
1 問題の出し方……12
授業の最初は□□から/授業書を裏返しで配る理由/「読みたい人」「読んでくれる人」どっちがいいのかな?/問題文を読んでもらうとき、気をつけたいこと
2 予想のたずね方……28
予想を立ててもらうときの配慮/予想をたずねるときに気をつけたいこと/予想分布の人数が合わないとき/予想分布を板書するとき/そもそも予想するに値する問題なのか?
3 理由のたずね方……40
理由をたずねるときの配慮/どんな理由でも認めてあげることが大事/アルコールと水を足し合わせると体積はどうなる?/重さはどうなる?/体積は減っても重さが変わらない理由
4 討論のすすめ方……55
気持ちよく討論してもらうために/討論が盛り上がらないとき/討論が白熱しているとき/討論、スタート!/いざ実験!
第2章 〈たのしい授業〉の成功体験を!……73
1 《授業書》による模擬授業の試み……74
教壇に立つことの不安…/僕自身が授業書に救われた!/先生にこそ、〈教えるに値する教材〉に出会ってほしい/初等理科教育法・模擬授業のすすめ方
2 まずは一歩ふみだして……81
人前に立つのが苦手なのに…/教師が笑顔になれる理由/トラブル発生!/授業を終えた滝沢さんの第一声は?
3 大学生の涙……93
緊張しやすい瀧澤君/瀧澤君の涙/涙の理由
4 授業書が切り開く明るい未来……104
おとなしい女子大生が抱いた違和感/討論が苦手な野口さんが意見発表!/模擬授業の先生役にも立候補!/野口さんの模擬授業、スタート!/「挑戦して、本当に良かったー!」/《授業書》が教師の明るい未来を切り開く
5 教師の個性と授業書……118
授業書を使って授業をすると〈教師の個性〉は?/学生の率直な感想文/「まずは、挑戦してみる」/「授業書と〈教師の個性〉について」の苦い思い出/安心感があるから個性が出てくる!/「個性なんて、勝手に出ちゃいますよ」
第3章 本当の〈実験〉とは?……129
1 〈実験〉ってな~に?……130
理科離れの原因は?/実験が好きでも嫌いでもない理由/本当の意味での〈実験〉とは/胸をワクワクさせてたしかめるのが本当の〈実験〉/本当の〈実験〉にふれた学生たちの考えはどう変わった?
2 人の認識を変えるのは〈権威〉か〈実験〉か……145
説得力がある意見なのに/予想変更者は現れるかな?/今度こそ説得できるかな?/〈実験〉による納得/押しつけの排除
あとがき……157
初出一覧……161
著者紹介…… 162
目次
〔目次〕
はじめに……3
第1章に登場するQuestion一覧と掲載ページ……10
第1章 〈たのしい授業〉のすすめ方……11
1 問題の出し方……12
授業の最初は□□から/授業書を裏返しで配る理由/「読みたい人」「読んでくれる人」どっちがいいのかな?/問題文を読んでもらうとき、気をつけたいこと
2 予想のたずね方……28
予想を立ててもらうときの配慮/予想をたずねるときに気をつけたいこと/予想分布の人数が合わないとき/予想分布を板書するとき/そもそも予想するに値する問題なのか?
3 理由のたずね方……40
理由をたずねるときの配慮/どんな理由でも認めてあげることが大事/アルコールと水を足し合わせると体積はどうなる?/重さはどうなる?/体積は減っても重さが変わらない理由
4 討論のすすめ方……55
気持ちよく討論してもらうために/討論が盛り上がらないとき/討論が白熱しているとき/討論、スタート!/いざ実験!
第2章 〈たのしい授業〉の成功体験を!……73
1 《授業書》による模擬授業の試み……74
教壇に立つことの不安…/僕自身が授業書に救われた!/先生にこそ、〈教えるに値する教材〉に出会ってほしい/初等理科教育法・模擬授業のすすめ方
2 まずは一歩ふみだして……81
人前に立つのが苦手なのに…/教師が笑顔になれる理由/トラブル発生!/授業を終えた滝沢さんの第一声は?
3 大学生の涙……93
緊張しやすい瀧澤君/瀧澤君の涙/涙の理由
4 授業書が切り開く明るい未来……104
おとなしい女子大生が抱いた違和感/討論が苦手な野口さんが意見発表!/模擬授業の先生役にも立候補!/野口さんの模擬授業、スタート!/「挑戦して、本当に良かったー!」/《授業書》が教師の明るい未来を切り開く
5 教師の個性と授業書……118
授業書を使って授業をすると〈教師の個性〉は?/学生の率直な感想文/「まずは、挑戦してみる」/「授業書と〈教師の個性〉について」の苦い思い出/安心感があるから個性が出てくる!/「個性なんて、勝手に出ちゃいますよ」
第3章 本当の〈実験〉とは?……129
1 〈実験〉ってな~に?……130
理科離れの原因は?/実験が好きでも嫌いでもない理由/本当の意味での〈実験〉とは/胸をワクワクさせてたしかめるのが本当の〈実験〉/本当の〈実験〉にふれた学生たちの考えはどう変わった?
2 人の認識を変えるのは〈権威〉か〈実験〉か……145
説得力がある意見なのに/予想変更者は現れるかな?/今度こそ説得できるかな?/〈実験〉による納得/押しつけの排除
あとがき……157
初出一覧……161
著者紹介…… 162
前書きなど
教職志望を選択しているみなさん、そしてすでに教師の道を歩み始めているみなさん、みなさんはとても素敵な選択をしたと思います。だって、教師という仕事は、とーってもやりがいのある、夢と希望に満ちた仕事だからです。
一方、みなさんの中には、「自分は教師としてやっていけるのだろうか」といった不安を抱いてる人も、少なからずいるのではないでしょうか。
そういう方の力になりたくて、この本をまとめました。
この本は、僕が 2001 年から明星大学教育学部の理科教育法で行ってきた「〈たのしい授業〉とその授業のすすめ方」についての講義をまとめたものです(詳しくは「あとがき」参照)。すでに、多くの未来の先生たち(=教育学部の学生たち)が、この講義を参考にして〈たのしい授業〉を実践し、現在進行形で教職への道を歩んでくれています。だから、みなさんにもきっとこの本が役立つはずです。
この本の第1章では、学校現場ですぐ役立つように、かついろいろな場面で応用し実践していけるように、〈たのしい授業〉の典型例とも呼べる仮説実験授業の教材(《授業書》)を紹介しながら、具体的な〈授業のすすめ方〉と〈考え方(哲学)〉を学んでもらえるようになっています。
ところで、ここで言う〈たのしい授業〉とは、「子どもたち(学習者)が〈たのしい〉と評価する授業」のことです。そして重要なのは、そのような授業はほぼ例外なく、「授業する教師自身にとっても〈たのしい〉と思えるものだ」ということです。
じつは僕自身、仮説実験授業の《授業書》に出会って初めて教師としてやっていく自信と希望を持つことができたのです。
教師になりたての頃、僕の授業は子どもたちに人気がありませんでした。「つまんない」「わかんない」……このような子どもたちのつぶやきは本当に堪えました。それで、そういう自分がイヤになって、ワラをもつかむ思いで仮説実験授業をやってみることにしたのです。
違いは歴然でした。子どもたちの方から「たのしい!」「次もたのしみにしているね!」なんて言ってくるようになったのです。
僕はうれしくて、教室に向かうの少しずつ楽しみになってきました。そしてこのとき、〈たのしい授業の成功体験〉の大切さを、身に沁みて実感したのです。
そこで第2章では、学生たちにも〈たのしい授業の成功体験〉の機会を提供することを目標に、《授業書》を用いた模擬授業に挑戦してもらった様子などを紹介しています。
学生たちが自信を失う経験になりがちな模擬授業を〈成功体験の機会〉に位置づける──これは僕にとっても大胆な〈教育実験〉のひとつでした。ですが、結果的にこの試みは大成功だったといえます。模擬授業での〈成功体験〉をきっかけに自信と希望を抱いて教職への道を歩んでいこうとする若者たちの姿を、僕は毎年目にするようになったからです。
本文で紹介しているのはそうした事例のごく一部ですが、この第2章の内容は、授業に悩んでいる現職の先生方にとっても、大きな意味をもつにちがいありません。
そして第3章では、「実験」にまつわるいくつかの通説や問題を問い直しています。「生徒実験を増やせば理科嫌いは減るというのは本当か?」「そもそも実験とは何なのか?」「どのような実験であれば子どもたちに受け入れられるのか」──そういった問題を考える際にきっと役立つ、刺激的な内容です。
なお、この本の多くの部分は「授業の実況中継」風に書いてあります。ですから、みなさんも一緒に授業に参加しているつもりで、ライブ感覚で気軽に読んでもらえると思います。「授業をたのしく進めるためのQ&A」や「たのしく悩める科学の問題」も随所に出てきますので、そうした箇所はぜひみなさんも自分なりの予想や考えを思い描きながら読み進めてみてください。
版元から一言
〈子どもたちに気持ちよく授業を受けてもらうこと〉を追求してきた著者の授業運営法は、新人先生はもちろん、ベテランの先生にも役立つことマチガイなしの1冊です!
上記内容は本書刊行時のものです。