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空 見上げて
「新人育成教員」日記
- 出版社在庫情報
- 在庫あり
- 初版年月日
- 2015年7月
- 書店発売日
- 2015年8月3日
- 登録日
- 2015年7月7日
- 最終更新日
- 2015年8月6日
紹介
先生になりたての新人教師といっしょに1年間ひとつの学級を担任するベテラン教師,それが「新人育成教員」。
「新人育成教員」になった筆者は,新人先生のさまざまな疑問や悩みにどう答えるのか?
迷いつつ悩みつつ歩んだ1年の記録には,知恵とユーモアがいっぱい。
全ての新人教員と,それを指導する立場の人々に読んで欲しい,読めば元気が出る1冊。
月刊『たのしい授業』で大好評を博した人気連載が待望の書籍化!
目次
はじめに
プロローグ 朝日のごとくさわやかに
退職,そして再出発
何時に帰ればいいんでしょう?
たのしいことから始めよう
アイデアで勝負!
ドキドキの保護者会
「新人育成教員」のジレンマ
迷いつつ悩みつつ
船を漕ぐ ボクが新卒だった頃
教師の仕事は忙しい?
怒るのは職業病?
「学校に行きたくない」という子がいたら
「考えさせる」が多すぎる?
成功体験が大事
トラブル解決は八方美人的に
ニガテな子を好きになるとき
通知表の所見,どうしてますか?
イイ授業ってなんだろう?
新人教員,自立への一歩一歩
伝えたいことは1つだけ
船を漕がない
オレの仕事ってなんだっけ?
教師の指導力とは
席替えにおける〈政治的配慮〉
かまい・かまわれる関係
運動会…その後に
よみかた授業を考える
みんなで元気に怒られようよ
フツーの子どもの素敵が見える
買いかぶりというイジメ
早く感想が見たい!
子どもの評価にドキドキ
あの空の下で
意欲と自信を積み重ねて
エピローグ チョークを持った渡り鳥
あとがき
前書きなど
「子どもたちと楽しく笑いあっていたい」――そんな夢をいだいて小学校教師になったボク。ところが,現実は「こんなはずでは……」ということの連続でした。思いどおりにならない子どもたち,上手く行かない授業……。同僚の先生たちからは「もっとガンバレ,自信を持て」といつも言われ,そのたびに「ああ,オレってそんなに情けない存在なんだ~」と逆に落ち込む毎日。
これは,今から40年前,教師になりたての20代の頃のボクの姿です。そして,あれから40年経った今も,あの頃のボクのように「こんなはずでは」と毎日悩んでいる若い先生がたくさんいます。この本『空 見上げて~「新人育成教員」日記』には,そういう先生たちの悩み解決のヒントになりそうな事柄を,なるべくたくさん盛り込んだつもりです。
「新人育成教員」という言葉は,聞いたことがない方が多いかもしれません。これは東京都独自の制度で,「退職した教師が副担任として新採の人といっしょに1年間ずっとそのクラスの授業をする」というものです。
いろいろ悩んだ末に「新人育成教員」になったボクは,徳永正弘さんというピカピカの新人先生と二人三脚でひとつのクラスを受け持つことになりました。なれない仕事でとまどうことも多く,まさに「迷いつつ,悩みつつ」の毎日でした。そんな中で,授業や学級作りのアイデア,トラブル解決の工夫などをこの〈日記〉にまとめて,職員室などで配ったところ,予想以上に喜ばれました。
その後,月刊『たのしい授業』(仮説社)に連載されるようになり,読者の若い先生たちからは「いろいろなアイデアが具体的に書いてあって毎日の仕事に役立つ」という感想が届き,ベテランと呼ばれるような先生たちからも「とても共感しました。もっと読みたいので続けてほしい」という,たくさんの励ましをいただきました。このような連載への反響の大きさは,ほんとうにうれしく,書き続ける自信をもらいました。
*
ところで,ボクは人の授業を後ろで見ているのって,けっこうニガテです。すぐに退屈しちゃいます。だから,「新人育成教員」の仕事が,「後ろで新人の授業を見てあれこれ指導する」だけのものだったら,絶対に応募しなかったと思います。でも,東京都の「新人育成教員」は自分も担任になって直接子どもたちに授業をし,それを新人先生に見てもらうことができます。
「アレ? 自分は授業を見るのが苦手なのに,〈新人に授業を見せる〉って矛盾してない?」……そう思った方もいるかもしれません。でも,ボクには「きっと新人先生はボクの授業を見て喜んでくれるにちがいない」という明るい見通しがありました。なぜなら,ボクのポケットには,仮説実験授業を中心とした〈たのしい授業〉のノウハウがたくさん詰まっているからです。 仮説実験授業(本書にもときどき登場します)は,今から約50年前に板倉聖宣氏が提唱し,現在は自然科学だけでなく社会の科学や数学,道徳などさまざまな分野で研究が進められています。たくさんの教師による追試を経て,意欲的な先生であれば誰でも〈たのしい授業〉ができることが保証されています。だから,ボクは安心して新人の先生にそのやりかたを紹介することができると思ったのです。
「〈たのしい授業〉を受けて躍動する子どもたちの姿を見たら,新人先生はどんなふうに感じてくれるだろう?」――そう考えると,なんだかワクワクしてきます。〈たのしい授業〉がきっかけになって,教師として楽しく生きていってくれたらうれしいな,と思います。
さて,やりがいを感じ,〈明るい予感〉を持って始めた「新人育成教員」のお仕事は,はたしてボクの目論見どおりに進んでいったのでしょうか。ぜひ,本書のページをめくって,結果を確かめてみてください。読者のみなさんからも,アドバイスをいただけたらうれしいかぎりです。(2015 年7月1日)
版元から一言
月刊『たのしい授業』に連載中から大好評で,「早く本にしてくれ!」という声も多かった「新人育成教員日記」がとうとう書籍化!
たのしく教師として生きていくための知恵とユーモアに溢れた本書は,新人の先生だけでなく全ての先生に取って役立つ内容になっています。
日記の形式になっているので気軽に読み物としても読めますが,読み終わった時にはさわやかな感動が待っていることでしょう。
上記内容は本書刊行時のものです。