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日本の男性不妊
当事者夫婦の語りから
- 初版年月日
- 2021年4月30日
- 書店発売日
- 2021年4月21日
- 登録日
- 2021年3月27日
- 最終更新日
- 2021年3月31日
書評掲載情報
2021-05-08 | 日本経済新聞 朝刊 |
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紹介
彼らは、不妊をどう経験するのか
なぜ男性の不妊は語り得ないのか。その背景に何があるのか。男性本人とそのパートナー、さらには泌尿器科医へのインタビューで得た当事者の語りをもとに考察。男性不妊を「妻の問題」として、男性個人にとっての身体の問題としてではなく、「夫婦関係の問題」として捉え直し、いまだ根強い「不妊は女性の問題」というジェンダー・バイアスに楔を打ち込む。
目次
序 章 本書の背景と目的
1 男性不妊に対する社会のまなざし
2 男性不妊はどのように語られてきたか
3 本書の構成
第Ⅰ部
第1章 男性不妊の医療化と専門医の台頭
1 男性不妊治療の実際
2 専門医としての泌尿器科医
3 関連用語の説明
第2章 先行研究と本書の位置づけ
1 男性不妊の当事者を対象とした研究
2 批判的検討と課題の設定
3 理論的視座
第3章 対象と方法
1 調査対象
2 調査方法
3 分析方法
第Ⅱ部
第4章 男性は自らの不妊をどのように経験するのか
――夫の経験の考察
1 男性不妊治療という経験
2 男性不妊にまつわる困難や葛藤
3 男性不妊の経験による認識の変化
4 男性が不妊治療を受けるということ
第5章 不妊治療における男性身体の意味づけ
――身体経験の考察
1 「身体経験」とは何か
2 不妊をめぐる男性身体の「社会的構築」
3 夫婦で経験する「無精子症」
4 不妊治療の場におけるジェンダーの作用
第6章 女性は夫の不妊とどう向き合うのか
――妻の経験の考察
1 妻の経験を捉える意味
2 男性不妊の夫をもつ女性たちの語り
3 男性不妊の夫をもつということ
第7章 男性不妊の開示をめぐる夫婦の戦略
1 男性不妊はいかに開示されてきたのか
2 ゴフマンのスティグマ論
3 家族間における男性不妊の開示状況
4 男性不妊をめぐる家族外への情報操作
5 開示をめぐる夫婦の戦略とジェンダーの再生産
終 章 現代日本の男性不妊
1 今日の日本社会における男性不妊の位置づけ
2 生殖をめぐるジェンダー平等に向けて
あとがき
文 献
事項索引
人名索引
上記内容は本書刊行時のものです。