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乳がん 後悔しない治療──よりよく生きるための選択
- 出版社在庫情報
- 在庫あり
- 初版年月日
- 2010年7月
- 書店発売日
- 2010年7月5日
- 登録日
- 2010年6月11日
- 最終更新日
- 2014年9月3日
紹介
ちょっと待って! その手術、その抗がん剤、本当に必要ですか?──医師の勧めに従って受ける手術や治療。でも後遺症や副作用で苦しむのは患者です。あなたは、本当に信頼できる医師から、納得できる治療を受けていますか?
目次
はじめに 009
part1
▼そもそものはじまり………闘う医師と患者たち 015
しこりの発見
乳がん治療・あなたの選択──乳房温存療法のすべて
治療法は自分で決める
part2
▼治療………手術前の化学療法 020
6年後の受診
O病院で術前化学療法を選択
リンパ節は切らなくていいことに
抗がん剤の副作用
エヴィデンス(科学的根拠)にもとづいた治療はわずか5パーセント
part3
▼治療………手術と放射線治療 027
「くりぬき手術」と「ホルモン療法」
ほかの病院から逃げてきた患者ばかりの近藤外来
乳がん患者の心理的回復・修士論文要約
part4
▼インタビュー 患者の記録 036
抗がん剤を自分で選ぶ
乳がん3期・5年生存率は60パーセント
がんが教えてくれた、人生の質を、時間を、すごく大事だと
1回目の治療のときは泣いてばかりいたけど2回目はふんばらなきゃと納得できる医者をみつけた
医療に対する考えが180度変わった
part5
▼がんの早期発見・早期治療の無理 083
がんのダブリングタイム
がんの早期発見・早期治療は無理
がん検診無効のデータ・がんの性質
検診で早期がんが発見されても治療するかどうかは自分で決めよう
part6
▼初回治療の後 091
治療後の定期検診にも意味はない
腋の下の転移の治療
ホルモン剤の変更
鎖骨上リンパ節への転移
がん治療の本は矛盾だらけ
*抗がん剤が再発・転移のリスクを減らせるという根拠は?
*数字のトリックを説明しながらデータは示さない
*化学療法をすすめている本で論理の飛躍や矛盾がないものはない
part7
▼乳がん患者のメーリングリスト 103
知識と客観的な視点を持つことの大切さ
孤独が人間を成長させる
part8
▼専門家に聞く〈近藤誠医師にインタビュー〉患者よ、がんと闘うな 108
がん検診/「本物のがん」と「がんもどき」/転移した乳がん/リンパ節転移/
医療放射線被ばく/がんと食事
part9
▼骨転移の放射線治療 128
骨転移の発見と1回目の放射線治療(腰椎)
痛みの原因箇所を特定できず痛み止めの薬を飲むことになる
2回目の放射線治療(右大腿骨と坐骨)
さまざまな症状がでてくる
入院して行なった3回目の放射線治療(頭蓋骨、肋骨、腰椎)
またもや腰に激痛・4回目の放射線治療(右骨盤)
退院して自宅療養生活へ
新たな転移を発見するも様子見に
part10
▼痛みの治療の実際………副作用とのたたかい 149
骨転移には非ステロイド系抗炎症薬が効く?
年末年始の副作用とのたたかい
オキシコンチン増量でふたたび副作用とのたたかい
オキシコンチンを貼り薬に替える
part11
▼〈番外編〉 子宮頸がんの治療法も勉強して自分で決める 168
ドクターウォッチングをしよう
婦人科のドクターは?
放射線科のドクターは?
子宮頸がんの「標準治療」
従妹の選択
part12
▼人間も自然の一部 178
医療の8割は無駄
知識でお金も節約できる
自然に死ぬという生き方
おわりに 190
解説 満足死…………人生においてもっとも大切なこと 網野晧之(医師) 199
版元から一言
16年前、彼女は自分の乳房に5ミリのがんを発見する。超早期発見である。通常なら、すぐに手術でがんを(あるいは乳房すべてを)切除するところだ。しかし、彼女は、そのままがんを放置する。あきらめたからでも、自暴自棄になったからでもない。慶応義塾大学放射線科の近藤誠医師と出会い、乳がんについていろいろと学んだ彼女は、現代医学が提唱する早期発見・早期治療がいかに非科学的であるかを知っていたからだ。
現在、一般的に推奨されている乳がん治療は、がんを叩くと同時に、体に大きなダメージを与える。それで乳がんが完治するなら悪くない。だが、多くの乳がんは、超早期で発見して切除しても、転移するものはすでに転移をしてしまっている(なかには転移しないものもあり、これは命取りになることはない)。手術の後遺症や、抗がん剤の副作用に苦しみながら、がんと闘っても、延命効果はないのである。それならば、体へのダメージを最小限におさえた治療を受けながら、自分の人生を十分に味わって生きていこう。
信頼できる医師と相談しながら、自分に適した治療法をひとつひとつ自分で選択していく彼女は、与えられた薬についても、その効果をいちいち確かめながら自分で適量を定めて飲む。
納得のいく治療を受け、後遺症や副作用を最小限に抑えて前向きに生きる。彼女の実践は、乳がん患者だけでなく、いずれは死んでゆく私たちすべてに、不安や恐れを克服して生きる道を教えてくれる。
上記内容は本書刊行時のものです。