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出版者情報
野垂れ死に
ある講談社・雑誌編集者の回想
- 書店発売日
- 2020年4月9日
- 登録日
- 2020年3月17日
- 最終更新日
- 2020年3月24日
書評掲載情報
2021-05-22 |
朝日新聞
朝刊 評者: 中森明夫(作家・アイドル評論家) |
2020-06-27 | 東京新聞/中日新聞 朝刊 |
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紹介
本書には、著者の華麗な人脈を反映して、戦後史を彩った数多のスター、政治家などが次から次へと登場する。そして、オウム真理教事件をはじめ戦後日本を震撼させた大事件を描く際の臨場感は圧巻である。ただ、著者の筆致は、有名スターや誰もが知っている大事件を扱う際にも、決して昂ぶることはない。むしろ、一般にはさほどその名を知られていない、編集長として戦友のように付き合った名物記者たちの描写が実に魅力的だ。おそらく著者にとって、人間の「有名無名」はさほど問題ではなく、とにかく「人間」一人ひとりに焦点を絞ることが大事なのだ。出版界の内外を問わず、同じ時代を生きてきた日本人なら、誰もが自らの来し方を想起できる点も本書の大きな魅力である。
目次
プロローグ 引っ込み思案だった高校時代とバーテンダー稼業
・「死病」を告げられ、刹那的に生きると決めた
・年上の女(ひと)
第1章 講談社の黄金時代
・取材費と残業代は青天井
・昭和の終焉と美空ひばり
・宇野総理の元愛人はいった「鳥越俊太郎が許せない」
・底抜けにおおらかだった講談社とカネ
第2章 フライデー編集長「平時に乱を起こす」
・たけし事件後「フライデーの編集長をやらないか」
・全身張り込み人間
・幸福の科学事件で生まれた編集部の一体感
・山口組鉄砲玉襲撃事件
・大ヒット連発のヘア・ヌード写真集と桜田門の沈黙
第3章 週刊現代編集長「スクープのためなら塀の内側に落ちても」
・「週刊現代編集長をやっていただきます」
・「ヘア・ヌード」という言葉を作る
・戦友・松田賢弥と共に小沢一郎に挑む
・欽ちゃんが教えてくれた「ツキのもらい方」
・オウム真理教事件
・「社長はお前のことが嫌いなんだ」
・立川談志の『談志百選』を手がける
第4章 ばら撒かれた怪文書と右翼の街宣、そして左遷
・『TIME』日本版構想とWeb現代の創刊
・「元木さんには三推社へ行ってもらいます」
・3.11とマスコミ訪中団
第5章 もしも、もう一度逢えるなら
・「ねえねえ、今晩呑もうぜ」
・内外タイムスの平岩正昭
・はらはらと桜が散ってゆく
・生きていてくれたら
エピローグ 愛すべき名物記者たちへの挽歌
・「お前とオレらしくていいか」
・あの夜の朝倉喬司の笑顔
・水さんが行き倒れ
あとがき
上記内容は本書刊行時のものです。