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出版者情報
〈反延命〉主義の時代
安楽死・透析中止・トリアージ
発行:現代書館
四六判
304ページ
定価
2,200円+税
- 書店発売日
- 2021年7月26日
- 登録日
- 2021年5月29日
- 最終更新日
- 2021年7月13日
書評掲載情報
2021-08-14 |
毎日新聞
朝刊 評者: 村上陽一郎(東京大学名誉教授・科学史) |
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紹介
近年の日本では、「延命」という言葉が否定的な意味で使われることが多くなった。「延命」は医学の当為だが、それに異を唱える潮流が〈反延命〉主義として現れ、勢いを増している。社会保障の財源や医療資源の不足、日本人の死生観などを根拠に、「生産性」のない生の価値を否定し、改善の見込みのない苦痛を長く味わわせることの非倫理性を説くなど、その事象はさまざまである。本書では、それらをある程度網羅し、さらに過去から現代に至る歴史的経緯を解明する論考が並んでいる。
目次
第一部 〈反延命〉主義の現在
序章 〈反延命〉主義とは何か…………堀江宗正
第1章 〈反延命〉主義の現在と根源――ドキュメンタリー番組《彼女は安楽死を選んだ》の批判的検討…………小松美彦
第2章 公立福生病院事件の闇…………高草木光一
第3章 安楽死・「無益な治療」論・臓器移植そして「家族に殺させる社会」……………………………………児玉真美
第4章 多としてのトリアージ…………美馬達哉
【鼎談】分ける社会がもたらす命の選別――相模原事件、福生病院事件、ナチス安楽死計画
木村英子×雨宮処凛×市野川容孝
第二部 〈反延命〉主義を問う
第5章 医療者として意思決定支援を考える――ACP・生命維持治療について(聞き手・堀江宗正)…………川島孝一郎
第6章 小児科医の問いと希望――共に在る者として、子どものいのちの代弁を考える――……………………笹月桃子
第7章文学で描かれてきた「よい死」――安楽死・尊厳死の拡大、浸透、定着のなかで……………………原朱美
第8章 死ぬ権利を問いなおす──ドイツの動向から…………市野川容孝
おわりに(小松美彦)
執筆者プロフィール
上記内容は本書刊行時のものです。