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曳家・家起こしの技術
発行:建築技術
B5判
110ページ
並製
定価
1,800円+税
- 初版年月日
- 2013年10月
- 書店発売日
- 2013年10月15日
- 登録日
- 2013年10月31日
- 最終更新日
- 2013年11月15日
紹介
東日本大震災の被災地に佇み,何もなく撤去だけが進む光景を幾度も見た。これまでより,撤去される建物が多く,別な世界の光景が現れる予感がする。何故に,これほどまでに撤去されなければならないのか,都市の歴史も習慣も,災害を契機に無残にも断絶してしまう。
もともと私たちは,壊れたものを直して長く使う習慣があり,遠い時代からものを大事にしてきた。建物を長く使う技術も長い年月を経て洗練させてきた。
曳家(曳舞)は建物を新たな場所に移し,生き返らせる当り前な技術であった。地震や風で家が傾けば,家起こしで元に戻した。しかしこの知識経験は,今では限られた人の伝承技術になってしまった。
私たちのグループは偶然のきっかけから,古い建物を再生できる技術を知り,多くの場所で応用してきた。この手法を秘伝にしてしまうのではなく,建築に関わるすべての人に知らせることは,現在では意義あることと思うようにもなった。
目次
第Ⅰ章 重いものを動かす
1.石を動かす
2.山車を回す
3.家を動かす
4.重いものを曳く職業
5.現代の家曳き
6.曳家の概要
第Ⅱ章 曳家の実施例
1.昔の重量鳶による曳家
2.鳶と近代技術の融合
3.名古屋市の戦災復興事業
4.宿舎に居住しながら移動
5.建物保存のための曳家Ⅰ
6.新幹線建設に伴う曳家
7.都市再開発による移動
8.平屋建を2階建に改築
9.建物保存のための曳家Ⅱ
第Ⅲ章 家起こし
1.家起こしの技術
2.家起こしによる民家修復方法
3.家起こしの実施例
4.伝統的な安全性の維持の技術
5.重量建築物のレベル修復技術
上記内容は本書刊行時のものです。