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中世の美学
トマス・アクィナスの美の思想
- 出版社在庫情報
- 在庫あり
- 初版年月日
- 2022年11月5日
- 書店発売日
- 2022年10月29日
- 登録日
- 2022年8月15日
- 最終更新日
- 2022年10月28日
紹介
▼エーコの原点、待望の翻訳。
▼「暗黒の中世」像を打ち崩す、「美」にあふれた世界――。
1956年当時、ベネデット・クローチェら美学の大家らによって「中世に美学はない、一貫した美への関心はない」と言われていた。
そんななかウンベルト・エーコは研究者としてとりわけ思い入れの深い中世の思想家トマス・アクィナスの著作に向き合い、トマスのみならず中世思想の根柢には、一貫した「美の思想」が流れていることを明らかにする。
これまでの中世観を変容させ、『薔薇の名前』につながるエーコの躍進の契機となった待望の名著。
目次
凡 例
主要引用文献
第二版(1970年)への序文
第一章 中世文化における美学の問題
一 歴史叙述
二 中世の美的感性
三 トマス・アクィナス
四 美的な快の可能性
五 本書の概要
第二章 超越概念としての美
一 問題の定立
二 事物に対する美的な視覚
三 トマス・アクィナスの原典
四 現代的な解釈
五 13世紀の哲学的な伝統における超越概念としての美
六 結論
第三章 美的な「視覚」の機能と本性
一 問題の定立
二 中世の原典
三 トマスの原文
四 美的な「視覚」
五 トマスにおける知性的直観
第四章 美の形相的な基準
一 トマスの文章
二 形相概念の厳密化
三 「釣り合い」――歴史的な事柄
四 トマス・アクィナスにおける「釣り合い」
五 「まとまり」
六 「明るさ」――歴史的な事柄
七 トマス・アクィナスにおける「明るさ」
八 結論
第五章 具体的な問題と原理の応用
一 御子(みこ)の美しさ
二 人間の美しさ
三 音楽の美しさ
四 遊びと道化詩
五 象徴の視覚
六 聖書や詩の作品に見られる比喩と寓意
七 教育のための寓話の手法
八 トマスの詩学
第六章 芸術の理論
一 芸術の発明
二 芸術的な形相の存在論的な実質
三 芸術的な形相の美的な特殊性
四 美術が自律する可能性について
五 芸術の自律性がもつ多義性
六 結論
第七章 美的な「視覚」と判断
一 美的な「視覚」の機能
二 美的な「視覚」の本性
第八章 結論(1970年)
一 トマス美学の中心にある難問
二 トマス以後のスコラ学における形相概念の崩壊
三 美のカテゴリーと中世社会
四 トマスの方法論と構造主義の方法論
解説 「美」の宝庫としての中世哲学 山本芳久
物語作者エーコの原点を知るために
――訳者あとがきにかえて
注
人名・事項索引
上記内容は本書刊行時のものです。