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生態系減災 Eco-DRR 一ノ瀬 友博(編著) - 慶應義塾大学出版会
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【利用不可】

生態系減災 Eco-DRR (セイタイケイゲンサイ エコディーアールアール) 自然を賢く活かした防災・減災 (シゼンヲカシコクイカシタボウサイ・ゲンサイ)

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A5判
228ページ
並製
価格 3,000円+税
ISBN
978-4-7664-2717-2   COPY
ISBN 13
9784766427172   COPY
ISBN 10h
4-7664-2717-3   COPY
ISBN 10
4766427173   COPY
出版者記号
7664   COPY
Cコード
C3036  
3:専門 0:単行本 36:社会
出版社在庫情報
在庫あり
初版年月日
2021年1月30日
書店発売日
登録日
2020年12月9日
最終更新日
2021年1月22日
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紹介

▼SDGs時代の防災・災害復興の基本はここにある

近い将来の巨大地震・津波、河川氾濫などの増加・激甚化、さらに人口減少・超高齢化といった課題を抱えるなか、自然災害に強く持続可能な社会構築が喫緊の課題である。実証研究から政策・実践への応用まで、生態系減災を学ぶ決定版。

目次

口絵
はじめに

第1章 なぜ生態系減災(Eco-DRR)なのか   一ノ瀬友博
 はじめに
 1 災害大国日本
 2 生態系と災害リスク
 3 開発と災害リスク
 4 生態系減災
 5 日本における生態系減災の展開
 おわりに

第2章 南海トラフ巨大地震とその災害リスクの軽減   大木聖子
 はじめに
 1 災害多発の時代を迎えて
 2 地震・津波とは
  (1) 地震の正体
  (2) なぜ地震が起こるのか
  (3) 地震によって引き起こされるもの:地震動・地殻変動・津波
  (4) マグニチュードとは
 3 南海トラフ地震の歴史
  (1) 繰り返す南海トラフ巨大地震
  (2) 南海トラフ沿いの歴史地震
 4 次の南海トラフ巨大地震
 5 災害リスク軽減に向けて
  (1) 災害リスクと防災教育
  (2) 土佐清水市での防災教育
  (3) 「防災小説」の誕生
  (4) 「防災小説」のもたらした効果
 おわりに

第3章 土地利用と自然災害   一ノ瀬友博・井本郁子
 はじめに
 1 土地利用変遷分析と被害額推定の方法
 2 気仙沼市中心部の土地利用変遷と東日本大震災による津波被害
 3 常総地域の土地利用変遷と関東・東北豪雨による洪水被害
 4 広島市安佐南区の土地利用変遷と土砂災害による被害
 5 高松市中心部の土地利用変遷と高潮による被害
 6 高知市の土地利用変遷と津波災害リスク
 7 土佐清水市の土地利用変遷と津波災害リスク
 8 気仙沼市における土地利用変遷と生物生息地の減少
 おわりに

第4章 過去の知恵とハイブリッドインフラという考え方   中村太士
 はじめに
 1 森林機能論
  (1) 水源涵養機能
  (2) 土砂流出防止機能
  (3) 人工林の管理放棄と水源税の導入
 2 洪水氾濫を許容する伝統的グリーンインフラ技術
  (1) 霞堤
  (2) 越流堤
  (3) 水害防備林
 3 総合治水事業
  (1) 総合治水事業と流出抑制施設
  (2) グリーンインフラとしての流出抑制施設の役割
 4 ハイブリッドインフラの考え方
  (1) 概念図
  (2) 計画・実施に当たっての留意点

第5章 生態系減災の空間計画への実装   村上暁信
 はじめに
 1 都市地域と農業地域――土地利用計画からみた課題
  (1) 農業地域における土地利用計画
  (2) 海外の農業地域における土地利用計画
  (3) 社会システム
 2 都市地域における生態系減災の可能性
  (1) 都市の緑
  (2) 都市の農地
 おわりに

第6章 東日本大震災の復興と生態系減災の実装   上原三知
 はじめに
 1 東日本大震災直後の提案
 2 被災地における実際の復興の方向性
 3 合意された復興計画の不合意
 4 生態系減災を社会実装するための Nature-based Solutionsの基準
 5 大災害後の、人口を維持する復興の難しさ
 6 復興計画における開発単位(規模)と事業目標の反省点
 7 新地町の復興プロセスから学べること
 8 複合的な土地の公益的機能(生態系サービス)を発揮させる土地利
 用計画の可能性
 9 生態系減災のような複合的な土地利用計画をどのように担保できる
 か
 おわりに

第7章 巨大地震想定地域の環境イメージと減災意識   上原三知
 はじめに
 1 調査の方法
 2 分析結果
 おわりに

第8章 防災インフラとしての海岸マツ林の自治管理   朝波史香・鎌田磨人
 はじめに
 1 海岸マツ林が提供する生態系サービス
 2 生態系サービスを享受し続けるための視点
 3 徳島県海陽町大里の海岸マツ林
 4 明治以降の大里マツ林の所有者の変遷
 5 管理の担い手としての大里部落
 6 大里部落と周辺組織による活動
  (1) 大里部落による保全管理活動
  (2) 海陽中学校による活動
  (3) 特定非営利活動法人あったかいようによる活動
 7 八幡神社の秋祭りと海岸マツ林
 8 海岸マツ林の保全管理に関わる人たちの意識
 9 大里部落による自治管理の仕組み
 おわりに――ローカルガバナンスの確立に向けて

第9章 自然林のような海岸林で津波減災と環境保全の両立   大谷達也
 はじめに
 1 海岸林の役割
  (1) 海岸林に関わる歴史的事実
  (2) 防風、潮風・飛砂防備の役割
  (3) 津波に対する減災効果
 2 クロマツ海岸林の現状
  (1) 生活様式の変容とクロマツ林の遷移
  (2) マツ材線虫病防除のための努力
  (3) 外来種の是非
 3 海岸林の立木を大径木化することの意義
  (1) 低標高域での自然林再生と減災効果維持の両立
  (2) 立木の成長率・死亡率の比較
  (3) 立木による水流減衰のシミュレーション
 4 クロマツ林が広葉樹林化した海岸林の歴史と現状
  (1) 広葉樹林化の過程
  (2) 現在の広葉樹海岸林
 5 広葉樹海岸林の可能性
  (1) 広葉樹海岸林に必要な条件
  (2) 広葉樹海岸林の問題点
 おわりに

コラム
 自然を活かした防災減災の伝統知・地域知   吉田丈人
 アジア環太平洋地域におけるグリーンインフラ評価   上原三知・新
 井雄喜

おわりに
索引
執筆者紹介

著者プロフィール

一ノ瀬 友博  (イチノセ トモヒロ)  (編著

慶應義塾大学環境情報学部教授。農村計画学会長。博士(農学)。
専門は、景観生態学、緑地計画学、農村計画学。
1968年千葉県生まれ。東京大学大学院農学生命科学研究科博士課程修了。
ミュンヘン工科大学留学。兵庫県立大学准教授、マンチェスター大学客員研究員、ウィーン工科大学客員研究員、ヴェネツィア大学客員教授などを経て現職。
主著に『農村イノベーション』(イマジン出版、2010年)、『実践版! グリーンインフラ』(共著、日経BP社、2020年)、『震災復興から俯瞰する農村計画学の未来』(共著、農林統計出版、2019年)、『生態学:基礎から保全へ』(共著、培風館、2016年)など。

上記内容は本書刊行時のものです。