版元ドットコム

探せる、使える、本の情報

文芸 新書 社会一般 資格・試験 ビジネス スポーツ・健康 趣味・実用 ゲーム 芸能・タレント テレビ・映画化 芸術 哲学・宗教 歴史・地理 社会科学 教育 自然科学 医学 工業・工学 コンピュータ 語学・辞事典 学参 児童図書 ヤングアダルト 全集 文庫 コミック文庫 コミックス(欠番扱) コミックス(雑誌扱) コミックス(書籍) コミックス(廉価版) ムック 雑誌 増刊 別冊 ラノベ
テロリズムとは何か 小林 良樹(著) - 慶應義塾大学出版会
.

テロリズムとは何か ――〈恐怖〉を読み解くリテラシー

四六判
352ページ
上製
価格 2,700円+税
ISBN
978-4-7664-2680-9
Cコード
C0031
一般 単行本 政治-含む国防軍事
出版社在庫情報
在庫あり
初版年月日
2020年6月15日
書店発売日
登録日
2020年4月6日
最終更新日
2020年6月15日
このエントリーをはてなブックマークに追加

書評掲載情報

2020-08-23 読売新聞  朝刊
評者: 篠田英朗(東京外国語大学教授、国際政治学者)
2020-08-15 日本経済新聞  朝刊
2020-07-25 毎日新聞  朝刊
評者: 佐藤優(作家、元外務省主席分析官)

紹介

▼「テロ」。その政治的暴力の真実を探る。

「テロ」とは果たして何なのか。
終わることのないテロの問題は、我々にも決して無関係ではありえない。
理論と実際の両面からテロ問題の全体像の素描を試みる。

目次

はしがき
凡  例

 第Ⅰ部 リテラシーを得る――テロに関する学術理論は何を語るのか?

第1章 「テロリズム」とは何なのか
 1 テロの定義の様々な例
  (1) 日本、米国における主な法令上のテロの定義
  (2) 学説上の主な定義
 2 テロの基本的な要素――最低限のコンセンサス
  (1) コンセンサス
  (2) テロと一般犯罪の違い
 3 定義の困難性と必要性
  (1) なぜ定義が困難なのか
  (2) なぜ定義が必要なのか
 4 論争のある点――「国家テロ」という概念を認めるか?
  Column 「テロリズム」と「過激主義」 
  Column 「テロリズム」と「ゲリラ」「インサージェンシー」
  Column 「国家テロ」と「国家支援テロ」 

第2章 テロの歴史――新しいもの、古いもの? 普遍のもの、変化するもの?
 1 近現代以前
 2 近現代(19世紀以降)――「4つの波(Four Waves)」
 3 第1の波――「無政府主義者の波」 
  (1) 概要
  (2) 手法、特徴
  (3) 主な事例
 4 第2の波――「反植民地主義の波」
  (1) 概要
  (2) 手法、特徴
  (3) 主な事例
 5 第3の波――「新左翼の波」
  (1) 概要
  (2) 手法、特徴
  (3) 主な事例
 6 第4の波――「宗教の波」
  (1) 概要
  (2) 手法、特徴
  (3) 主な事例
 7 結 論 
  Column 過去約100年間の世界の主要テロ事案

第3章 テロの特徴(その1)――非対称性
 1 総 論 ―テロに関する非対称性とは
 2 テロ組織等の有する優位性
  (1) 情報の非対称性
  (2) 財政的コストの非対称性
  (3) 政治的コストの非対称性
 3 他の論点との関係 
  (1) テロの未然防止策との関係
  (2) テロの定義をめぐる議論との関係

第4章 テロの特徴(その2)――資金、攻撃手法、形態等
 1 テロ組織等の資金
  (1) 資金の規模
  (2) テロの未然防止策との関係
  (3) テロの資金源
 2 テロの攻撃手法
  (1) 概観
  (2) 自殺テロ
 3 テロの形態――「自立型」攻撃の広がり
  (1) 総論
  (2) 経緯・背景事情
  (3) テロ組織中枢との関係性―様々な形態
  (4) ホームグローン」と「ローンウルフ」
  Column テロとメディア

第5章 テロ発生のメカニズム――テロはなぜ発生するのか?
 1 分析の基本枠組み ―原因と機会
 2 攻撃を実行する側に関する要因
  (1) 攻撃実行の能力
  (2) 攻撃実行の意図
 3 攻撃実行の機会に関する要因
  Column 貧困とテロの関係
  Column 精神障害とテロの関係

第6章 テロの発生を未然防止するための諸施策
 1 攻撃を実行する側に関する要因に着目――原因論的アプローチ
  (1) 「攻撃実行の能力」に対する施策
  (2) 「攻撃実行の意図」に対する施策
 2 攻撃実行の機会(標的及び環境・現場空間)に関する要因に着目
 ――機会論的アプローチ

 第Ⅱ部 現実と理論の対話――テロに関する学術理論は現実の理解に役
 立つのか?

第7章 近年のテロ情勢の概観
 1 事案数、死者数の時系列的な推移――テロの事案数や死者数は増え
 ているのか?
 2 テロの発生地 ―テロはどこで発生しているのか?
  (1) 地域別の状況
  (2) 国別の状況
 3 テロ組織――最も多くの犠牲者を出しているテロ組織はどこか?
 4 その他の地域
  (1) アジア・大洋州(主に東南アジア)
  (2) 西欧及び北米
  【引用、参照した統計、資料等】 
  Column フィリピン南部におけるイスラム過激派勢力の動向
  Column テロと統計データ

第8章 アルカイダとISIS
 1 思 想
 2 アルカイダ
  (1) 略史
  (2) 911事件、アルカイダの変容
  (3) アルカイダの現在の脅威
 3 ISIS
  (1) 略史
  (2) ISISの変容
  (3) ISISの現在の脅威
  (4) ISISの急激な伸張、衰退の背景
 4 アルカイダとISISの類似点、相違点
 5 理論的なインプリケーション
  (1) テロの発生のメカニズムに関連するもの
  (2) 諸対策の効果に関連するもの

第9章 米国の国内テロをめぐる情勢――国際テロより深刻かもしれない?
 1 概念整理
  (1) 「国際テロ」と「国内テロ」
  (2) 「極右テロ」と「極左テロ」
 2 極左テロ
  (1) 略史
  (2) アンティーファ
 3 極右テロ
  (1) 概念整理
  (2) 極右テロ略史
  (3) 極右テロの特徴
  (4) その他
  Column ヘイトクライムと極右テロ

第10章 日本のテロ情勢の歴史
 1 「4つの波」以前
 2 「無政府主義者の波」――1880年代~1920年代
 3 「反植民地主義の波」――1920年代~1960年代
  (1) 反植民地主義の事例
  (2) その他の事例――右翼関連のテロ
 4 「新左翼の波」――1960年代~1990年代
  (1) 概観
  (2) 日本国内でのテロ
  (3) 日本国外でのテロ
 5 「宗教の波」 ――1980年代~現在
  (1) 概観
  (2) イスラム過激派関連以外――オウム真理教のテロ
  (3) イスラム過激派関連
 6 日本の情勢を分析する上で、理論は有用か?
  Column 戦後の右翼テロ等

第11章 日本におけるテロの発生を未然防止するための諸施策
 1 政府の施策、体制
  (1) 包括的な政策文書
  (2) 統括組織
 2 攻撃を実行する側に関する要因に着目した施策①――「攻撃実行の
 能力」に関する施策
  (1) 武力的な施策
  (2) 非武力的な施策
 3 攻撃を実行する側に関する要因に着目した施策② ―「攻撃実行の
 意図」に関する施策
  (1) 社会レベルの問題に着目した施策
  (2) 個人レベルの問題に着目した施策
 4 攻撃実行の機会(標的及び環境・現場空間)に関する要因に着目し
 た施策

 第Ⅲ部 総 括――テロに関する学術理論は将来をどのように見るの
 か?

第12章 テロ研究とテロ対策の将来
 1 テロに関する学術研究の主要論点
  (1) ジャクソン等の見方
  (2) シュミッド、フォレスト等の見方
  (3) 通底する課題
 2 ホームグローンとローンウルフの時代のテロの未然防止――「安全
 と権利自由の両立」は可能か?
  (1) 欧米諸国における近年のテロの脅威
  (2) 問題の所在―「両立」の実現の困難さ
  (3) 治安機関に対する民主的統制制度の充実
 3 そもそも「テロ対策」の目的とは何なのか?――テロに対する社会
 の心理的強靭性(レジリエンス)の強化
  (1) テロリストの真の目的は何か?
  (2) 「テロ対策」の真の目的とは何か?
  (3) テロに対する社会の心理的強靭性(レジリエンス)の強化
 4 終わりに


 本書注/引用文献一覧/写真出典/初出

 あとがき 
 索  引

著者プロフィール

小林 良樹  (コバヤシ ヨシキ)  (

明治大学公共政策大学院(専門職大学院)ガバナンス研究科 特任教授。
早稲田大学博士(学術)、ジョージワシントン大学修士(MIPP)。香港大学修士(MIPA)。トロント大学修士(MBA)。
1964年東京都生まれ。1987年、東京大学法学部卒業後に警察庁入庁。警察庁警備局外事第一課課長補佐、在香港日本国総領事館領事、在米国日本国大使館参事官、警察庁国際組織犯罪対策官、慶應義塾大学総合政策学部教授、高知県警本部長等を歴任。2016年3月からは内閣情報調査室の内閣情報分析官(国際テロ担当)として、テロ情勢分析に従事2019年3月、内閣官房審議官(内閣情報調査室・内閣情報分析官)を最後に退官。同年4月より現職。
専門はインテリジェンス、テロリズム、社会安全政策等。
主要著書に『インテリジェンスの基礎理論(第2 版)』(立花書房、2014)、“Assessing Reform of the Japanese Intelligence Community,” International Journal of Intelligence and Counterintelligence, 28(4), August 2015, pp. 717-733、『犯罪学入門―ガバナンス・社会安全政策のアプローチ』(慶應義塾大学出版会、2019)等多数。

上記内容は本書刊行時のものです。