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中国料理と近現代日本  岩間 一弘(編著) - 慶應義塾大学出版会
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中国料理と近現代日本  (チュウゴクリョウリトキンゲンダイニホン) 食と嗜好の文化交流史 (ショクトシコウノブンカコウリュウシ)

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A5判
392ページ
上製
価格 5,200円+税
ISBN
978-4-7664-2643-4   COPY
ISBN 13
9784766426434   COPY
ISBN 10h
4-7664-2643-6   COPY
ISBN 10
4766426436   COPY
出版者記号
7664   COPY
Cコード
C3339  
3:専門 3:全集・双書 39:民族・風習
出版社在庫情報
在庫あり
初版年月日
2019年12月25日
書店発売日
登録日
2019年11月13日
最終更新日
2019年12月19日
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書評掲載情報

2021-11-13 朝日新聞  朝刊
評者: 藤原辰史(京都大学准教授・食農思想史)
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紹介

なぜ,日本で独自の進化を遂げ,これほどまでに浸透したのか?
中国料理をめぐる政治・社会情勢の変化に着目しながら,
東アジアにおける食の文化交流の多様な軌跡をひもとき、新たな史実を究明する。

本書は,歴史学・文化人類学などの観点から,
ユニークに発展した日本の中国料理の特色を浮き彫りにし,
さらに中国料理を通して見える東アジアの多様な文化交流とその社会的背景の変容を明らかにする。

目次

序 章 日本の中国料理はどこから来たのか  岩間一弘
 1 帝国日本の中国料理
 2 第二次世界大戦後の中国料理
 3 日中国交正常化から現在まで
 4 本論集の概要

 第Ⅰ部 近現代日本の中国料理
第1章 戦前期日本の「支那料理」――家庭での受容と「支那料理店」をめぐる状況  川島真
 はじめに
 1 明治期の志那料理――評価の転換
 2 家庭料理としての志那料理――『主婦之友』等を手掛かりとして
 おわりに

第2章 日本における中国料理の受容:歴史篇――明治~昭和30年代の東京を中心に  草野美保
 はじめに
 1 黎明期――幕末~1898(明治31)年
 2 揺籃期――1899(明治32)年~1909(明治42)年
 3 確立期――1910(明治43)年~関東大震災:1923(大正12年)
 4 発展期――1924~29(大正13~昭和4)年、及び全盛期
 ――1930~37(昭和5~12)年
 5 低迷期――1938(昭和13)年~終戦:1945(昭和20)年
 6 復興期――終戦~1955-64年(昭和30年代)
 おわりに

第3章 日本における中国料理の受容:料理篇――明治~昭和30年代の東京を中心に  草野美保
 はじめに――日本の定番中国料理
 1 豚肉の生産
 2 豚肉料理
 3 〔芙蓉蟹〕から〔かにたま〕へ
 4 〔八宝菜〕〔チャプスイ〕そして〔中華丼〕
 5 各種麺類
 6 〔春巻/春捲〕
 7 デザート類
 おわりに

第4章 日本の華僑社会におけるいくつかの中国料理定着の流れ――神戸・大阪を中心として  陳來幸
 はじめに
 1 幕末の開港から40年
 2 20世紀前半の50年
 3 戦後の50年
 おわりに

第5章 京都の中国料理――伝統の創造と料理の帰属  岩間一弘
 はじめに
 1 京都における老舗中国料理店の系譜
 2 京都の北京料理
 3 京料理としての中国料理
 おわりに

第6章 熊本の「郷土料理」としての中国料理「太平燕」から考える
――素材と文脈、文化を「囲い込む」こと、開くこと  田村和彦
 はじめに
 1 中国料理としての太平燕/熊本の中国料理としての太平燕
 2 中国の太平燕――その素材と料理の文脈依存性について
 3 熊本の「当たり前」から全国に誇る「郷土料理」へ
 おわりに

第7章 日本における中国料理の料理人の現地化と業界団体の変化  陳嘉適
 はじめに
 1 日本における中国料理系外食産業の発展
 2 日本における中国料理業界の現地化と業界団体の変化
 おわりに

 第Ⅱ部 越境する中国料理
第8章 料理人と料理教育者――台湾が日本に輸出した「中国料理」:1945年から1970年を中心に  陳玉箴(持田洋平 訳)
 はじめに
 1 料理人の移動――「華僑」と国外に派遣された料理人たち
 2 料理教育者――辛永清と傳培梅
 おわりに

第9章 チャジャン麺ロード――20世紀東北アジア、チャジャン麺流浪の旅  周永河(丁田隆 訳)
 はじめに――1990年代半ばの北京、チャジャン麺の失踪
 1 1930年代、韓国の山東風チャジャン麺
 2 1950年代後半、アメリカの小麦供給と韓国風チャジャン麺の大衆
 化
 3 2000年代まで受け継がれた長崎のチャジャン麺
 4 2000年代の中国大陸、炸醤麺の再生
 おわりに

第10章 朝鮮半島における「中国料理」の段階的受容――分断後の韓国までを視野に  林史樹
 はじめに
 1 近現代の朝鮮半島にみられる中国料理の浸透と定着
 2 朝鮮時代から近現代への連続性――朝鮮時代の料理にみられる中国
 式粉食
 3 「中国料理」の段階的受容
 おわりに

第11章 グローバル政治におけるディアスポラ汎中国料理の創出  呉燕和(大道寺慶子 訳)
 はじめに
 1 ホノルルの「秋葉」の事例
 2 ニューオーリンズの「福園」
 おわりに

第12章 中国語教育と中国の「食文化」に関する考察――中国語テキストにおける事例を中心に  浅野雅樹
 はじめに
 1 語学教育における文化的な要素の導入について
 2 「中国語教育」と「中国食文化」の関係性
 3 中国語テキストにおける「食文化」に関する語彙
 4 中国語教育ガイドラインと〝課文〞 「テキスト本文」の整合性につ
 いて
 おわりに

 第Ⅲ部 中国料理の文化と政治
第13章 「中国料理」はいつ生まれたのか――『申報』に見える料理の語彙の分析を通して  西澤治彦
 はじめに
 1 中国料理の総称としての
  「唐菜」「中国菜」「華菜」「中餐」などの語彙
 2 外国料理としての
  「番菜」「外国菜」「西菜」「洋飯」「西餐」などの語彙
 3 考察
 おわりに

第14章 1920-30年代における上海の調味料製造業と市場競争――中国の味精と日本の味の素に着目して  李培徳(湯川真樹江 訳)
 はじめに――語り継がれる市場競争
 1 味の素と味精の出会い
 2 味精と味の素の競争――盗用、模範、それとも借用か
 3 上海調味料市場の競争
 おわりに

第15章 太平洋戦争下の食と健康――中国の日本人俘虜は何を食べていたのか  貴志俊彦
 はじめに
 1 収容所環境の変化と俘虜の食事
 2 1945年、収容所環境の悪化
 3 俘虜をめぐる戦後直後の変化
 おわりに

第16章 北京老字号飲食店の興亡――全聚徳を例にして  山本英史
 はじめに
 1 創業・発展・戦争
 2 人民中国と全聚徳
 おわりに

後 記
執筆者・翻訳者紹介

付録 
資料① 東京(都心)有名中国料理店地図
資料② 中国料理関連文献目録(Web公開)  草野美保

著者プロフィール

岩間 一弘  (イワマ カズヒロ)  (編著

1972年生。慶應義塾大学文学部教授。
主要著作:「中国料理はなぜ広まったのか――地方料理の伝播と世界各国の「国民食」」(西澤治彦編『「国民料理」の形成』ドメス出版、2019年所収)、ほか。

上記内容は本書刊行時のものです。