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国家公務員の中途採用 小田 勇樹(著) - 慶應義塾大学出版会
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【利用不可】

国家公務員の中途採用 (コッカコウムインノチュウトサイヨウ) 日英韓の人的資源管理システム (ニチエイカンノジンテキシゲンカンリシステム)

社会科学
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A5判
276ページ
並製
価格 6,500円+税
ISBN
978-4-7664-2632-8   COPY
ISBN 13
9784766426328   COPY
ISBN 10h
4-7664-2632-0   COPY
ISBN 10
4766426320   COPY
出版者記号
7664   COPY
Cコード
C3031  
3:専門 0:単行本 31:政治-含む国防軍事
出版社在庫情報
在庫あり
初版年月日
2019年10月22日
書店発売日
登録日
2019年9月4日
最終更新日
2019年10月11日
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紹介

▼中途採用制度の運用実態を解明する

独自に収集した海外の職歴データを基に、キャリアパスの実態や組織業績への影響を分析。民間任用者の有効活用策を国際比較から探り、「働き方改革」時代の公務員の人材登用に示唆を与える。

内部育成か、中途採用か――。

日本を含め、各国で導入が進んでいる民間出身者の中途採用。
では、彼らはどのような仕事を、どのポストで行っているのだろうか。組織の業績を高めているのだろうか。
職務基準による採用・育成の問題点を指摘し、「成功する民間登用」へのカギを探る。

目次

序 章 謎に包まれた中途採用
 1 開放型任用制は「開放的」なのか?
 2 問題設定と本書の構成
 3 本書の特色

第1章 公務員制度のモデルと課題
 1 公共部門の人的資源管理モデル
 (1) NPM以前の公務員制度モデル
 (2) NPM以後の公務員制度モデル
 (3) 行政改革研究からの視座
 (4) 公務員制度のモデルに関する議論の変遷
 2 民間部門の人的資源管理モデル
 3 先行研究の課題
 (1) 開放/閉鎖二項対立モデルの構成原理と運用の乖離
 (2) 公務員制度と組織の業績に関する研究蓄積の不足
 (3) ポジションシステムの不透明な運用実態
 4 本書のアプローチ

第2章 知識・技能と中途採用の運用パターン
 1 公務員の知識・技能
 (1) 政治学・行政学における公務員の専門性概念
 (2) 労働経済学・経営学における知識・技能概念
 2 ポジションシステムにおける任用の類型
 3 ポジションシステムの下位類型

第3章 韓国のポジションシステム
 1 改革以前の韓国の公務員制度
 2 開放型職位制度の概要
 (1) 対象職位の指定
 (2) 職務遂行要件
 (3) 任用の手続き
 (4) 給与と評価
 3 運用実態の分析
 (1) 職歴の調査方法
 (2) 運用の実態
 4 開放型職位制度と組織の業績
 5 韓国の事例分析からの知見

第4章 イギリスのポジションシステム
 1 イギリスの公務員制度の変遷
 2 イギリスの公務員制度
 3 運用実態の分析
 (1) 政府公表資料の分析
 (2) 職歴調査の結果
 (3) イギリスの制度運用の特徴
 4 職員のキャリアパスと業績
 5 イギリスと韓国の比較

第5章 民間部門からの中途採用事例
 1 中途採用までの職歴
 2 貿易産業省の政策目標
 3 任用当時のイノベーション政策を取り巻く状況
 4 デイビッド・ヒューズ任用後のイノベーション政策
 5 デイビッド・ヒューズの退職とその後
 6 政策変化とヒューズの中途採用

第6章 公共部門からの中途採用事例
 1 マッカーシーの中途採用までの職歴
 2 副首相府の政策目標
 3 イギリスの住宅政策の歴史と住宅協会の役割
 4 任用当時の住宅政策を取り巻く状況
 5 リチャード・マッカーシー任用後の住宅政策
 6 政権交代による予算削減と住宅政策の変化
 7 リチャード・マッカーシーの退職
 8 政策変化とマッカーシーの中途採用
 9 2つの事例からわかる中途採用の実像

第7章 局長・課長の職歴と省の業績
 1 先行研究における公務員制度の計量分析の課題
 (1) 公務員制度指標の問題点
 (2) 公務員制度と組織の業績に関する先行研究
 2 Public Service Agreementsの分析
 (1) 各省の業績を表す指標(従属変数)
 (2) 局長・課長の職歴を表す指標(独立変数)
 (3) 目標の難易度に影響を与えるその他の要因(コントロール変数)
 (4) データの構造と分析手法
 3 上級公務員の職歴と業績の関係
 4 政策形成の職位において有用な職歴は何か

第8章 執行エージェンシー長官の職歴と組織の業績
 1 執行エージェンシーの業績の分析
 (1) エージェンシーの業績を表す指標(従属変数)
 (2) 長官の職歴を表す指標(独立変数)
 (3) 目標の難易度に影響を与えるその他の要因(コントロール変数)
 (4) データの構造と分析手法
 2 エージェンシー長官の職歴と業績の関係
 3 ポジションシステムの運営類型と業績の関係

第9章 日本の国家公務員制度の変化と働き方改革の動向
 1 日本の国家公務員制度に対する分析視角
 2 中途採用経路の増加
 (1) 人事院規則1-24に基づく中途採用
 (2) 任期付職員法に基づく中途採用
 (3) 任期付研究員法による採用
 (4) 経験者採用試験
 (5) 官民人事交流
 (6) イギリスにおける中途採用との比較
 3 昇進管理の変化
 4 給与システムの変化
 5 職務区分のあり方
 6 近年の公務員制度改革の影響
 7 日本型雇用と働き方改革
 8 働き方改革の方向性
 9 霞が関における働き方改革
 10 働き方改革と最大動員システムの行く末

終 章 明らかになった中途採用の実像
 1 本書の分析結果
 2 韓国・イギリスと日本の比較
 3 ポジションシステムの理論的精緻化
 4 本書の分析の限界と課題
 5 公務員の中途採用に関する政策的示唆

補 論 公務員制度のモデルに関する先行研究の議論
 1 西尾の開放型・閉鎖型任用制
 2 Silbermanの専門・組織志向の官僚制
 3 Auer et al.(1996)の研究背景
 4 OECDの公務員制度モデルの概要と変遷
 5 OECDによる公務員制度モデルの指標化

初出一覧
参考文献一覧
あとがき
索 引

著者プロフィール

小田 勇樹  (オダ ユウキ)  (

1983年生まれ。2006年、慶應義塾大学法学部政治学科卒業後、㈱豊田自動織機入社。L&Fカンパニー生産管理部日程グループ配属。生産ラインにて部品の納入管理を担当。2008年、同社を退職し慶應義塾大学大学院法学研究科入学。2013年、同研究科後期博士課程単位取得退学。博士(法学)。日本学術振興会特別研究員(DC2)、慶應義塾大学大学院法学研究科助教(有期・研究奨励)、同研究科研究員を経て、現在、大阪成蹊大学マネジメント学部講師。専門は行政学、政治学、公共政策。近著として、「国家公務員制度の現在地と働き方改革―最大動員システムの持続可能性―」『法学研究』第92巻5号(2019年)など。

上記内容は本書刊行時のものです。