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チョーサー『カンタベリー物語』 松田 隆美(著) - 慶應義塾大学出版会
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世界を読み解く一冊の本

チョーサー『カンタベリー物語』 ジャンルをめぐる冒険

四六判
256ページ
上製
価格 2,400円+税
ISBN
978-4-7664-2560-4
Cコード
C0300
一般 全集・双書 総記
出版社在庫情報
在庫あり
初版年月日
2019年4月25日
書店発売日
登録日
2019年3月25日
最終更新日
2019年4月15日
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紹介

▼シリーズ「世界を読み解く一冊の本」(全10巻)、第4弾。
▼英文学の古典的名著『カンタベリー物語』を、新たな視点から読み直す!

神が細部に宿る、豊饒な世界

「英詩の父」チョーサーの代表作『カンタベリー物語』。
カンタベリー大聖堂への巡礼の途上、職業も身分も異なる巡礼たちが語る
多種多様な物語は、キリスト教を支柱とする一枚岩的な世界とは異なる、
豊饒な世界を描き出し、物語文学のジャンルを拡張した。
神が細部に宿る物語世界のダイナミズムを丁寧に描く。

目次

序 『カンタベリー物語』の中世的な面白さ

Ⅰ 『カンタベリー物語』の誕生
  1 チョーサーの生涯と文学観
    チョーサーの生涯――公的記録から
    チョーサーの創作活動――作品と制作年代
    ヨーロッパ文学という文脈
  2  『カンタベリー物語』の写本と構造
    未完の『カンタベリー物語』
    『カンタベリー物語』の写本と出版
    配列順序へのこだわりと中世の作品観
  3 巡礼という枠組と「総序の詩」
    一四世紀のカンタベリー巡礼
    語り手の巡礼たち
    ジャンルをめぐる冒険

Ⅱ 話の饗宴――『カンタベリー物語』のダイナミズム
  1 ヨーロッパ中世と古代
    ボッカッチョとの相違点
    「騎士の話」におけるジャンルの変容
    チョーサーと古代
  2 ファブリオ的な笑いの変容
    ファブリオというジャンル
    「粉屋の話」と笑いの昇華
    「荘園領管理人の話」の意趣返し
    「料理人の話」の行きつくところ
    「貿易商人の話」の暑苦しさ
    「船長の話」における打算と慎重
    商人たちの行動規範を求めて
  3 賢妻と女性の声
    バースの女房の類型をめぐって
    「バースの女房の話」におけるゆらぎ
    忍耐強いグリゼルダと「学僧の話」
    ボッカッチョが語る驚異のグリゼルダ
    ペトラルカによるキリスト教化
    チョーサーのペーソス
    グリゼルダの話の変容
    「メリベウスの話」の助言と沈黙
    思慮を欠いた夫たち
  4 うっとうしい教会関係者と誤読
    免償と免償説教家
    「諸悪の根源は金銭欲にあり」
    死に至る誤読
    托鉢修道士と召喚吏
    「托鉢修道士の話」と誓言のレトリック
    「召喚吏の話」と風の贈り物
  5 奇蹟、驚異、魔術とオリエント
    奇蹟と驚異
    奇蹟譚としての「弁護士の話」
    その向こうのアジア――「騎士の従者の話」
    「騎士の従者の話」における新奇
    「騎士の話」と中世的ファンタジー文学
    愛の誓いと契約
  6 不条理な死と勝利
    「女子修道院長の話」と聖母マリア崇敬
    ユダヤ人表象のアンビバレンス
    女子修道院長の歴史感覚
    「第二の修道女の話」と意志の勝利
    「医者の話」――主従関係の犠牲としての死
    「修道士の話」と運命の不条理
  7 ジャンルの解体とメタナラティヴ
    「修道女付き司祭の話」の解釈学的パロディ
    「賄い方の話」と例話の解体
    「サー・トパスの話」における究極のバーレスク
    ペルソナにこめられた作者の詩人観
    「聖堂参事会員の従者の話」における自己投影

Ⅲ 物語の終焉――『カンタベリー物語』のその後
  1 『カンタベリー物語』の終わりの感覚
    「教区司祭の話」と実践的読書
    チョーサーによる「取り消し文」
    コルプス・ミスティクムとしての巡礼
  2 『カンタベリー物語』のその後と現代
    一五世紀の『カンタベリー物語』
    近代における受容
    『カンタベリー物語』の視覚化――挿絵と絵画
    グローバル・チョーサー



参考文献
あとがき
図版出典一覧

著者プロフィール

松田 隆美  (マツダ タカミ)  (

慶應義塾大学文学部教授。イギリス中世文学。慶應義塾大学大学院文学研究科博士課程修了、ヨーク大学大学院博士課程修了。
著作に、『ヴィジュアル・リーディング』(ありな書房、2010年)、『煉獄と地獄』(ぷねうま舎、2017年)、『世界を読み解く一冊の本』(編著、慶應義塾大学出版会、2014年)などがある。

上記内容は本書刊行時のものです。