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人文・社会科学のための研究倫理ガイドブック 眞嶋 俊造(編著) - 慶應義塾大学出版会
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【利用不可】

人文・社会科学のための研究倫理ガイドブック (ジンブン・シャカイカガクノタメノケンキュウリンリガイドブック)

教育
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A5
272ページ
並製
定価 2,700円+税
ISBN
978-4-7664-2255-9   COPY
ISBN 13
9784766422559   COPY
ISBN 10h
4-7664-2255-4   COPY
ISBN 10
4766422554   COPY
出版者記号
7664   COPY
Cコード
C2000  
2:実用 0:単行本 00:総記
出版社在庫情報
在庫あり
初版年月日
2015年10月1日
書店発売日
登録日
2015年9月18日
最終更新日
2015年10月26日
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紹介

▼「よき研究者」=「できる研究者」であるために。
▼「つい」「うっかり」「知らずに」「間違って」「勘違いで」ではすまされない!
▼研究者を目指す方、学生を指導する教員の方、研究倫理教育プログラムを検討中の方、研究支援業務担当の方、必携!

 研究倫理の遵守が求められるのは、本来、研究と研究に関わる活動を円滑に進めるためであって、不正行為を防止することだけを目的として研究者の手足を縛るためではありません。

 研究倫理についてよく知り、よく実践できる研究者は、自分の研究に誠実な、できる研究者と言えるでしょう。

 本書は、学生や研究者の皆さんが研究の過程で遭遇する、研究倫理を問われる多様な場面を想定し、何が問題になるかを知り、それについてどう考えるか自問し、実践につなげていくための、ディスカッションにも使える、人文・社会科学系向けとしては初のガイドブックです。

 また「健全な」研究倫理教育・啓発制度を考えるためのヒントと提案も満載です。

目次

まえがき

序章 今、なぜ研究倫理なのか
 1 はじめに
 2 研究とそれを取り巻く現代的状況
 3 「研究」、「倫理」、「研究倫理」
 4 研究不正
 5 研究不正とグレーゾーン問題
 6 研究倫理の射程
 7 研究倫理をめぐる2つの誤解①
 ―― 研究倫理は単なるコンプライアンス
 8 研究倫理をめぐる2つの誤解②
 ―― 研究倫理は難しい学術研究
 9 専門職倫理としての研究(者)倫理
 10 専門職の倫理綱領と3つの倫理モデル
 11 研究者の徳目
 12 倫理テスト
  (1) 専門職テスト
  (2) 普遍化可能性テスト
  (3) 危害防止テスト
  (4) 公開可能性テスト
 13 倫理テストの使い方
 14 倫理テストの予行演習
 15 研究倫理はなぜ必要か
 16 なぜ、研究倫理か?

第1章 研究方法に関する倫理問題
 ▽話し合ってみよう▲
 1 文献研究
 2 歴史的価値を持つ資料を扱う研究
 3 人間を対象とした研究 ―― 信頼関係と成果の還元
 4 人権の尊重とインフォームド・コンセント
 5 領域横断的な研究プロジェクトの場合
 6 残された論点 ―― 倫理綱領で網羅できない問題としての研究倫理
 7 結論

 ◇◆研究方法別 Column◆◇
  ① 文献研究
  ② インタビュー調査
  ③ フィールドワーク
  ④ アクションリサーチ
  ⑤ 社会調査
  ⑥ 実験

第2章 研究計画・遂行・成果発表に関する倫理問題
 ▽話し合ってみよう▲
 1 はじめに
 2 研究上の不正行為をめぐる状況
  (1) 不正行為はわずかか?
  (2) 不正行為を誘う要因や誘惑の増加
  (3) 理想と現実の乖離
  (4) 科学研究の商業化
 3 研究活動の現実
  (1) 明らかな不正行為と理想的な研究行為
  (2) 責任ある研究活動
  (3) 好ましくない研究活動
 4 研究行為のマネジメントに関する具体的問題
  (1) 計画段階の問題
  (2) 実行段階の問題
 5 おわりに

第3章 研究における不正行為
 ▽話し合ってみよう▲
 1 はじめに
 2 研究不正とは?
  (1) 「捏造」、「改ざん」、「盗用」
  (2) 「オーサーシップ」
  (3) 「二重投稿」
  (4) 「研究費の流用」
 3 研究不正の背景
 4 人文・社会科学系研究における研究不正の特徴
 5 人文・社会科学系研究における研究不正予防のために
 6 おわりに

第4章 指導教員・研究機関の責任
 ▽話し合ってみよう▲
 1 はじめに
 2 研究環境の問題領域
 3 組織倫理の一般的問題
 4 管理職の課題
  (1) ミッションの明確化と倫理規範
  (2) 目標設定
  (3) インセンティブ制度
  (4) 雇用
  (5) 研究管理
  (6) 教育訓練
 5 指導教員の課題
  (1) 目標設定とインセンティブ
  (2) 研究管理と教育訓練

第5章 研究者の社会的責任
 ▽話し合ってみよう▲
 1 はじめに
 2 研究者の社会的責任とは
 3 学会ジェンダー問題
 4 時事問題への対応
 5 通俗化と相互批判 ―― 脳ブームの事例
 6 専門性の否定と市民の知

第6章 行政・社会のあり方と研究者の倫理
 ▽話し合ってみよう▲
 1 文部科学省による研究不正ガイドライン
  (1) ある専門調査員による総評
  (2) 科学研究の社会的基盤
  (3) 研究の独立性と自律性
  (4) 研究不正対応の二つの方向性
  (5) 研究不正の通報
  (6) ウェブ上での研究不正の告発
  (7) 研究倫理教育の支援
  (8) 研究者コミュニティと行政の立ち位置
  (9) 不正への取り組みのオープンネス
 2 研究不正をめぐる社会と行政の応酬
 ―― 新ガイドラインに対するパブリックコメントより
  (1) 研究者・研究機関の負担
  (2) 不正防止強化と厳罰化
  (3) 調査・措置の公正さ
  (4) ウェブ上の情報の扱い
  (5) 不正が誘発される環境の改善
 3 研究不正が起こる背景という争点
  (1) 新旧ガイドラインの相違点
  (2) 研究不正と教育行政に関する社会からの眼差し

 ☆★分野別 Column☆★
  1 人文・社会科学系研究者とジェンダー問題
  2 地域研究における非民主主義体制研究と研究倫理
  3 経済学を用いた政策提言について
  4 ジャーナリズム研究と二次被害
  5 法学研究における研究倫理

 付録◆人文・社会科学系における研究不正の事例

 あとがき
 索引

著者プロフィール

眞嶋 俊造  (マジマ シュンゾウ)  (編著

北海道大学大学院文学研究科准教授

奥田 太郎  (オクダ タロウ)  (著/文 | 編集

南山大学人文学部 / 社会倫理研究所准教授

河野 哲也  (コウノ テツヤ)  (著/文 | 編集

立教大学文学部教授

追記

【編著者】(※[ ]内は担当章)
眞嶋俊造(まじま しゅんぞう)[序章、研究方法別Column①]
 北海道大学大学院文学研究科准教授
奥田太郎(おくだ たろう)[第6章]
 南山大学人文学部 / 社会倫理研究所准教授
河野哲也(こうの てつや)[第5章]
 立教大学文学部教授

【執筆者】(※目次順。[ ]内は担当章。)
神崎宣次(かんざき のぶつぐ)[第1章]
 滋賀大学教育学部准教授
中澤栄輔(なかざわ えいすけ)[研究方法別Column②]
 東京大学医学部総合科学科助教
中原聖乃(なかはら さとえ)[研究方法別Column③]
 中京大学特任研究員
藤木篤(ふじき あつし)[研究方法別Column④]
 久留米工業高等専門学校助教
土屋敦(つちや あつし)[研究方法別Column⑤、第3章]
 徳島大学総合科学部准教授
福野光輝(ふくの みつてる)[研究方法別Column⑥]
 山形大学人文学部准教授
金光秀和(かねみつ ひでかず)[第2章]
 金沢工業大学基礎教育部准教授
新田孝彦(にった たかひこ)[第4章]
 北海道大学理事・副学長・大学院文学研究科特任教授
村上祐子(むらかみ ゆうこ)[分野別Column1]
 東北大学大学院文学研究科准教授
星野昌裕(ほしの まさひろ)[分野別Column2]
 南山大学総合政策学部教授
瀧澤弘和(たきざわ ひろかず)[分野別Column3]
 中央大学経済学部教授
塚本晴二朗(つかもと せいじろう)[分野別Column4]
 日本大学法学部教授
丸山雅夫(まるやま まさお)[分野別Column5]
 南山大学大学院法務研究科教授

上記内容は本書刊行時のものです。