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「学ぶ力」を取り戻す 寺脇 研(著) - 慶應義塾大学出版会
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「学ぶ力」を取り戻す (マナブチカラヲトリモドス) ― 教育権から学習権へ (キョウイクケンカラガクシュウケンヘ)

教育
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四六判
240ページ
並製
定価 2,500円+税
ISBN
978-4-7664-1981-8   COPY
ISBN 13
9784766419818   COPY
ISBN 10h
4-7664-1981-2   COPY
ISBN 10
4766419812   COPY
出版者記号
7664   COPY
Cコード
C0037  
0:一般 0:単行本 37:教育
出版社在庫情報
在庫あり
初版年月日
2013年5月1日
書店発売日
登録日
2013年4月11日
最終更新日
2013年5月28日
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紹介

教育にもっと希望と未来を !

▼教育改革の名の下での学校教育制度の迷走、そして東日本大震災と福島原発事故を経て、ここ数年の日本の教育現場で何が起こってきたのかを元文部官僚の立場から喝破し、「教育を受ける立場から、生涯にわたる学習教育」へとすすむべき方向を提言。
▼また、今の大学生や新社会人の新たな動きなど、若者たちが模索している今までにない価値観を目の当たりにしている著者が、これからの若者の可能性を論じる。
▼巻末に、2001~12年の間の教育に関する動向を記した年表を収録。

目次

はじめに


Ⅰ 教育の「ポスト近代」のはじまり
   ――二〇〇八年九月~〇九年十二月の動向をもとに

 1 覚えていますか?「教育振興基本計画」
   教育行政における計画の在り方/
   政治に振り回されないための「計画」/
   政治劣化による無駄な混乱

 2 教育における、法律の意味
   教育基本法をひもとけば/
   「不当な支配」・今昔/
   議員や市長、政治の横やり

 3 近代の終わりと、新たな教育観
   「ゆとり教育」は生き続ける/
   「成長の限界」から四十年/
   「教育」論議にとどまらない未来論を

 4 変わる若者たち、変わらない大人たち
   自分で考えるようになった若者たちを、助けよう

 5 日本の教師はダメじゃない
   教師ばかりがなぜ叩かれる/
   「教育」という発想から「学習」主体へ


Ⅱ 教育権ではなく、学習権なのだ――「新しい公共」と生涯学習
   ――二〇一〇年一~六月の動向をもとに

 6 「教育の義務」から「学習する権利」へ
   「教育を受ける義務」という誤解/
   「学習」の条件整備としての「高校授業料の無償化」/
   教師を信頼して仕事をさせよう

 7 教育と「多様化」「ゆとり」「利他」
   高等教育機関の多様化とゆとり教育
 
 8 議論に臆さない世代の誕生
   小さな政府で大きな公共/
   若者に開かれた議論の手段/
   新しい教育システムで、若者が学んできたこと

 9 「新しい公共」のうねり
   税金に頼らないで文化振興!/
   土曜授業とコミュニティ・スクール化

10 学習する権利は、すべての人のもの
   修学支援と朝鮮学校/
   高等教育と適格者主義

11 学習の成果を数値化できるという勘違い
   進学系高校の考え方が最も遅れている/
   小学校教科書の変貌

Ⅲ これからの社会構成と「学び」のありよう
   ――二〇一〇年七月~一一年六月の動向をもとに

12 「学び」をつくるのは国民自身だ
   教化から自学へ、という必然性/
   「教育サービス」こそが「崇高な使命」なのだ/
   自分たちの手による公共サービスを

13 専門教育の適正配置をどう実現するか
   医療関係専門職養成には政策が必要

14 「総合的な学習」は開花している
   現場を見なければ何も言えないのか?/
   「熟議」の実践は手弁当で/
   ひとりの学生の発案が大事業を生んだ!

15 学力調査とはなんだろう
   順位だけが大事なことか?/
   これからを生きる子どもたちに必要な力/
   偏差値秀才からは歴史的使命感は生まれない?

16 教員とは、「やる気」が最重要な職種である
   「教師の質」ってなんですか/
   公務員の士気を高めるのも行政トップの仕事だ

17 大学入試と少人数学級についての「神話」
   いつまでもこのような大学入試ではいけない/
   「入試の公平」とはなんだろうか/
   少人数学級が常によいとは限らない

Ⅳ 壊れそうな日本の「希望」
   ――二〇一一年七月~一二年三月の動向をもとに

18 絶望から未来を、自ら織り出す力
   未来世代を殺しかねない「大人の所業」/
   本当に必要な力を子どもに/
   絶望から抜け出す「行動民主主義」を/
   票を得たのを「全権委任」とあえて勘違いする暴論

19 学校不信・保護者不信・教員不信
   教員に精神疾患が多い、というのは疑問/
   働き過ぎは、教員だけの話ではない/
   学校不信が生む「モンスターペアレント」という概念/
   国が教員不信を率先した果て

20 未来を創造する世代を、大人が邪魔するという構図
   いままでの価値観では復興はできない/
   生まれた時から「豊か」でなかった世代の活躍/
   二〇〇二年学習指導要領世代の子どもたち

21 「教育基本条例」と教育委員会の政治的中立について
   教育が政治家に従属していいはずがない/
   大阪「教育基本条例」に国はどう対応するのか/
   政治家は「極論」を言うより、足もとの弱者の救済を

22 新しい世代は、ぼんやりなんかしていない
   ネットで、若い世代に呼びかけてみた/
   高校に行く理由を自分で考えなければ、高校にいられない
   子どもたち/
   学びの保障が活きるのは、学ぶ理由があってこそ

23 いまのような政治家はもう要らない
   政権交代には期待していたのだが・・・・・・もはや・・・・・・  

24 民主党政権も、はじめは良かった
   自民党政権末期の教育政策――「生きる力」より金を稼ぐ力だ/
   民主党政権はかつて方向性をもっていた/
   新たな勢力の台頭と「教育基本条例」

おわりに――これからに向けて

巻末資料・年表

著者プロフィール

寺脇 研  (テラワキ ケン)  (

京都造形芸術大学教授、映画評論家。
1952年福岡県生まれ。東京大学法学部卒業。75年文部省入省。文部科学省大臣官房審議官、文化庁文化部長などを経て、2006年文科省退職。「ゆとり教育」を推進するなど、「ミスター文部省」と呼ばれた。
近著に『百マス計算でバカになる』(光文社、2009年)、『2050年に向けて生き抜く力』(教育評論社、2009年)、『コンクリートから子どもたちへ』(共著、講談社、2010年)、『「官僚」がよくわかる本』(アスコム、2010年)、『「フクシマ以後」の生き方は若者に聞け』(主婦の友社、2012年)など。

上記内容は本書刊行時のものです。