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認知神経リハビリテーションの誕生
巻次:[Ⅰ]
身体と精神をめぐる思索
- 初版年月日
- 2021年10月21日
- 書店発売日
- 2021年10月25日
- 登録日
- 2021年10月4日
- 最終更新日
- 2021年10月4日
紹介
多くのリハビリテーション・セラピストたちの注目を集めている、自然科学と人文科学の知を融合した画期的なリハビリテーションの治療理論・技術である 「認知神経リハビリテーション」。
その提唱者カルロ・ペルフェッティによる、日本のセラピストを対象にした貴重な講義の記録。
12回の講義形式で、「認知神経リハビリテーションの誕生」と「その探求・思索の軌跡」が語られています。
ペルフェッティは運動機能の回復を、身体-精神のシステムの回復と捉え直し、リハビリテーションにとって革命的ともいえる視点の転換をもたらしました。
それは、訓練を通して、障害によって変質した神経メカニズムの再構築・認知過程の再組織化をはかることであり、そのことは同時に患者の意識経験(主観)の変容を伴うという考え方です。言い換えれば患者の意識経験の変化が中枢神経系を改変するということです。
その視座は、運動学・神経生理学・神経心理学・脳科学・教育学・哲学など自然科学・人文科学を合体させた膨大な知の蓄積の中からリハビリテーション(病的状態における学習プロセス)の観点から役立つものを取捨選択するなかで得られたものです。
リハビリテーションのための治療理論の確立のために理論的仮説を立て、訓練で検証し、理論をさらに「厳密な科学」へと発展させていくという絶えざる営みを続けてきました。
本書によってその営みを支えてきた思索の軌跡を改めてたどることはペルフェッティが切り開いたリハビリテーションの方向を見据え直すことであり、「未来のためのツール」を手にすることにつながります。
目次
【第I部】思考の階段
講義1 認知神経リハビリテーションの歴史
講義2 身体化された自己、意識経験
【第II部】脳は情報を構築する
講義3 片麻痺の情報性[I]
講義4 片麻痺の情報性[II]
講義5 「行為の知覚から意図の理解へ」を読む
【第III部】手は「脳の鏡」である
講義6 手のリハビリテーションの特異性
講義7 手の情報メカニズムと訓練プロセス
講義8 手は精神である
講義9 手の回復、文化と自由のはざまで
【第IV部】脳は行為を比較する
講義10 訓練と現実[I]
講義11 訓練と現実[II]
講義12 行為間比較への旅
上記内容は本書刊行時のものです。