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片麻痺を治療する[Ⅰ]体幹 -座位,起立,立位のリハビリテーション- 宮本省三(著/文) - 協同医書出版社
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片麻痺を治療する[Ⅰ]体幹 -座位,起立,立位のリハビリテーション- (カタマヒヲチリョウスル イチ タイカン)

医学
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B5変型判
326ページ
定価 5,000円+税
ISBN
978-4-7639-1084-4   COPY
ISBN 13
9784763910844   COPY
ISBN 10h
4-7639-1084-1   COPY
ISBN 10
4763910841   COPY
出版者記号
7639   COPY
Cコード
C3347  
3:専門 3:全集・双書 47:医学・歯学・薬学
出版社在庫情報
不明
初版年月日
2018年9月15日
書店発売日
登録日
2018年8月21日
最終更新日
2018年8月21日
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紹介

すべての生活行為の基盤となる「体幹の治療」はリハビリの中心
「体幹」を捉え返し,「正しい座位」のための治療方法を詳述する


病院でも施設でも在宅でも,リハビリテーションセラピストの前には「体幹の崩れた」患者さんが必ずいます.自分でどの程度,どのように座位がとれるか,座位の機能次第でその人の生活の質が大きく変わることは誰でも知っています.しかし治療をどう組み立てればその機能の再学習(再獲得)を実現できるのか,それはセラピストにとって常に大きな課題です.

体幹はこれまで下肢や上肢に付随するような形で語られてきましたが,体幹の機能回復は上肢下肢頭部まで見据えた上でなければ実現しないものであり,体幹こそ身体機能の回復の基盤であり,すべての行為の回復を支える要(かなめ)なのです.

本書は,これまでセラピストが抱いてきた体幹のイメージを,運動学や脳科学などの知見に照らして一つ一つ丁寧に検証し,「なぜ崩れるのか」を問うていきます.そして,体幹は上肢に比しても遜色のない繊細な知覚器官であり運動器官であることを解き明かし,その巧緻な機能を再び取り戻すために必要な丁寧な治療(訓練)の手続きと実施上の技術を詳しく述べていきます.
体幹の「崩れ」を最重度から軽度に分け,また「対称機能」「垂直機能」「支持機能」「到達機能」を治療するというようにわかりやすい項目立てになっており,読者の思考も緻密になっていきます.
体幹の治療は,どの臨床現場であっても,PT,OT,STを問わず決しておろそかにできない課題であり,本書はその大きな指針となり得ます.

これからのリハビリテーションを変え,患者さんの生活行為を確実に向上させる大きな可能性を秘めている,画期的な一冊です.


★シリーズ「片麻痺を治療する」(続巻予定)
『片麻痺を治療する[Ⅱ] 上肢』『片麻痺を治療する[Ⅲ] 下肢』

目次

第Ⅰ部 片麻痺の体幹を理解する
エビ足の少年

第1章 片麻痺の体幹への“まなざし”
1.1 片麻痺の臨床神経学
1.2 片麻痺の体幹への“まなざし”の誕生
1.3 片麻痺の体幹と姿勢の神経生理学
1.4 片麻痺の体幹とジャクソニズム
1.5 片麻痺の体幹へのリハビリテーション
1.6 片麻痺の体幹へのブルンストローム法とボバース法
1.7 片麻痺の体幹へのデービス法と運動再学習プログラム
1.8 片麻痺の体幹への認知運動療法
1.9 片麻痺の体幹の問題はまだ解決していない

第2章 座位と体幹の運動分析
2.1 座位の再獲得と再学習
2.2 正しい座位
2.3 座位の安定性と不安定性
2.4 体幹の運動分析
2.5 体幹の予測的姿勢制御,筋のシナジー,重力の学習
2.6 座位への発達
2.7 体幹の知覚と空間認知
2.8 座位は“生活の質(QOL)”に直結する

第3章 片麻痺の体幹の崩れ
3.1 片麻痺の「体幹の崩れ」
3.2 体幹の崩れが最重度な症例
3.3 体幹の崩れが重度な症例
3.4 体幹の崩れが中等度な症例
3.5 体幹の崩れが軽度な症例
3.6 体幹の崩れがほぼ正常な症例
3.7 体幹のアライメント異常の観察
3.8 体幹の「目に見えない問題」を観察する
3.9 体幹の崩れを修正する能力の観察

第4章 なぜ,体幹の崩れが生じるのか?
4.1 体幹の崩れは痙性麻痺が原因である?
4.2 体幹の崩れは弛緩麻痺が原因である?
4.3 体幹の崩れは前皮質脊髄路の損傷が原因である?
4.4 体幹の崩れは内側運動制御系の機能解離が原因である?
4.5 体幹の崩れは体性感覚空間の変容が原因である?
4.6 体幹の崩れは正中線の偏位が原因である?
4.7 体幹の崩れは半側空間無視やプッシャー症候群によって生じる?
4.8 体幹の崩れは「坐骨がない」のが原因である?

第5章 体幹の姿勢制御とリハビリテーション
5.1 体幹の姿勢制御の回復を目指す
5.2 座位のリハビリテーションにおける基本原則
5.3 急性期のベッド・サイドでの座位保持訓練
5.4 側臥位から座位への移動
5.5 座位における静的な体重移動
5.6 座位における動的な体重移動
5.7 座位バランス訓練としての体重移動
5.8 座位バランス訓練としての上下肢の操作
5.9 座位バランス訓練としての支持基底面の操作
5.10 膝立ち位と片膝立ち位での体幹のバランス訓練
5.11 椅子からの起立訓練
5.12 体幹の姿勢制御はシステムの産物である

第6章 体幹は運動の巧緻性に満ちている
6.1 体幹は木の幹で,四肢は枝なのか?
6.2 体幹の運動は粗大で,手の運動は巧緻なのか?
6.3 体幹の感覚は鈍感で,手の感覚は敏感なのか?
6.4 体幹は姿勢で,四肢は随意運動なのか?
6.5 体幹は自動的で,四肢は意図的なのか?
6.6 体幹は無意識的で,四肢は意識的なのか?
6.7 体幹と四肢は同時に運動制御されている
6.8 体幹への“まなざし”の転換

第7章 脳のなかの体幹
7.1 ホムンクルスの体幹
7.2 体性感覚野の「知覚情報処理プロセスのヒエラルキー」
7.3 第一次体性感覚野における手の身体部位再現
7.4 第一次体性感覚野における体幹の身体部位再現
7.5 第二次体性感覚野における体幹の身体部位再現
7.6 頭頂連合野における身体部位再現

第8章 “脳のなかの体幹”の病態を探求する
8.1 体幹の身体意識の病態
8.2 体幹の変容性,可変性,適応性の病態
8.3 体幹の変容性の病態
8.4 体幹の可変性の病態
8.5 体幹の適応性の病態
8.6 体幹の認知過程の病態
8.7 体幹の身体図式の病態
8.8 体幹の運動イメージの病態
8.9 体幹のキネステーゼの病態
8.10 体幹のアフォーダンスの病態
8.11 行為の意図の病態
8.12 体幹のリハビリテーションの羅針盤

第Ⅱ部 片麻痺の体幹を治療する
ゾウの鼻,カメの甲羅,ヴァルパンソンの浴女

第9章 体幹の行為,機能,情報の回復を目指す
9.1 行為,機能,情報のヒエラルキー
9.2 体幹の機能システム
9.3 体幹の対称機能
9.4 体幹の垂直機能
9.5 体幹の支持機能
9.6 体幹の到達機能
9.7 体幹の機能システムの評価
9.8 体幹の機能システムの回復を目指す

第10章 体幹の認知神経リハビリテーション
10.1 体幹の何の回復を,どのように達成するのか?
10.2 どのような片麻痺患者に適用するのか?
10.3 体幹の行為,機能,情報の回復を,脳の認知過程の活性化によって達成する
10.4 体幹の認知神経リハビリテーションの基本概念
10.5 体幹に認知問題を適用する
10.6 体幹への空間問題
10.7 体幹への接触問題
10.8 体幹に対する訓練の組織化
10.9 訓練の目的,テーマ,内容,方法,目標

第11章 体幹の対称機能を治療する
11.1 体幹の対称機能とは何か?
11.2 体幹の体性感覚空間に意識を向ける
11.3 体幹の空間的な対称性を比較する
11.4 体幹の接触的な対称性を比較する
11.5 体幹と上下肢の空間アライメントの左右比較
11.6 体幹の左右比較の精密化と垂直位の保持
11.7 上下肢の左右比較の精密化と垂直位の保持
11.8 体幹の自己中心座標系と物体中心座標系の比較照合
11.9 体幹の対称機能の回復

第12章 体幹の垂直機能を治療する
12.1 体幹の垂直機能とは何か?
12.2 体幹の垂直位への準備
12.3 体幹の崩れが最重度な症例
12.4 体幹の崩れが重度な症例
12.5 体幹の崩れが中等度な症例
12.6 体幹の崩れが軽度な症例
12.7 体幹の非対称性の修正
12.8 体幹の垂直位を目指す
12.9 体幹の直立座位を試みる
12.10 体幹の直立座位を保持する
12.11 体幹の空間アライメントの微調整
12.12 体幹の直立座位と健側上肢の細分化
12.13 体幹の直立座位と患側上肢の細分化
12.14 体幹の直立座位と両側上肢の細分化
12.15 体幹の直立座位と健側下肢の細分化
12.16 体幹の直立座位と患側下肢の細分化
12.17 座位の意味,片麻痺の座位,座位での上下肢の機能検査

第13章 体幹の支持機能を治療する
13.1 体幹の支持機能とは何か?
13.2 「直立座位の保持」から「直立座位の制御」へ
13.3 体幹の方向づけ機能の回復
13.4 体幹の予測的姿勢制御機能の回復
13.5 体幹の重心移動を制御する機能の回復
13.6 体幹の直立座位と上下肢の運動を分離する機能の回復
13.7 座位バランスの随意的な制御の向上

第14章 体幹の到達機能を治療する
14.1 体幹の到達機能とは何か?
14.2 リーチング空間の拡張
14.3 体幹の「立体配置(コンフォメーション)」
14.4 体幹と上肢のリーチングの連動と分離を目指す
14.5 座位で体幹の直立位を制御して健側上肢を他動運動でリーチングする
14.6 座位で体幹の直立位を制御して患側上肢を他動運動でリーチングする
14.7 座位で体幹の傾斜位を制御して健側上肢を自動運動でリーチングする
14.8 座位で体幹の傾斜位を制御して患側上肢を他動運動,自動介助運動でリーチングする
14.9 不安定板上の座位で体幹の傾斜位を制御して健側上肢を他動運動,自動介助運動,自動運動でリーチングする
14.10 不安定板上の座位で体幹の傾斜位を制御して患側上肢を他動運動でリーチングする
14.11 不安定板上の座位で体幹の傾斜位を制御して患側上肢を自動介助運動でリーチングする
14.12 不安定板上の座位で体幹の傾斜位を制御して患側上肢を自動運動でリーチングする
14.13 体幹と上肢のリーチングの協調性は「行為に埋め込まれている」

第15章 座位から起立,立位,歩行へ
15.1 起立
15.2 起立のための治療
15.3 立位
15.4 立位のための治療
15.5 歩行
15.6 歩行時の体幹のグライダー機能
15.7 歩行のための治療

上記内容は本書刊行時のものです。