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電線絵画
小林清親から山口晃まで
- 書店発売日
- 2021年3月12日
- 登録日
- 2021年1月23日
- 最終更新日
- 2021年1月23日
書評掲載情報
2021-04-03 | 毎日新聞 朝刊 |
2021-04-03 |
朝日新聞
朝刊 評者: 福永信(小説家) |
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紹介
東京オリンピック・パラリンピック開催にあたり、東京は大規模な無電線化が進められています。
見通しのよい街並みが後世に記憶される景色になっていくのでしょうか……。
電線が縦横無尽に走る街の雑然感は、私たちにとっては幼い頃から慣れ親しんだ故郷や都市の飾らないそのままの風景であり、ノスタルジーとともに刻み込まれた景観です。
それは、岸田劉生、小林清親、河鍋暁斎、川瀬巴水、朝井閑右衛門、山口晃、阪本トクロウなど、時代を越えて多くの画家が描いた景色でもありました。
本書は、明治初期から現代に至るまで、晴れやかな近代化の象徴で、“東京”が拡大していく証で、モダン都市のシンボルであった電線、電信柱、架線が描かれた作品だけを集めた、とてもユニークな作品集です。
マニア垂涎の碍子も美術作品として登場します。
150点にもおよぶ作品を眺めていくうちに、私たちの懐かしい街の記憶が甦ってくるにちがいありません。
ノスタルジーに浸りながら頁をめくっていただきたい一冊。
本書は、練馬区立美術館で2021年2月28日から4月18日まで開催される同名展の図録兼書籍です。
目次
プロローグ 日本最古の電線絵画
第1章 晴れやか 誇り高き電信柱
第2章 晴れやか 誇り高き電柱-電気の光
第3章 富士には電信柱もよく似合ふ。
第4章 切通しと電柱―東京の増殖
第5章 帝都 架線の時代
第6章 伝統と電柱―新しい都市景観
第7章 災害と戦争―切れた電線、繋ぐ電信線
第8章 東京の拡大―西へ西へ武蔵野へ
第9章 “ミスター電線風景”朝井閑右衛門と、木村荘八の東京
第10章 碍子の造形
第11章 電柱 現実とイメージ
第12章 新・電線風景
電線年表
総論 加藤陽介(練馬区立美術館)
東京市と近傍への電気供給用電線の敷設 狩野雄一(電気の史料館)
作品解説
作家解説
掲載作品目録
上記内容は本書刊行時のものです。