書店員向け情報 HELP
出版者情報
書店注文情報
在庫ステータス
取引情報
デジタル社会の子どもの育ちを支える 保育内容 健康
- 出版社在庫情報
- 在庫あり
- 初版年月日
- 2021年3月31日
- 書店発売日
- 2021年4月12日
- 登録日
- 2021年2月25日
- 最終更新日
- 2021年4月9日
紹介
子どもの発育発達を細分化して捉えるのではなく,ホリスティックに捉えることを意図して編集。ヒトの生態的特徴を理解した上で,現在のデジタル社会が与える影響を広い視野で分析し,今後子どもの育つ環境をどのように準備,支援していけばよいかを考える。また,領域と関連づけた非認知能力の育成についても触れる。
目次
はじめに:本書の問題意識と編集意図
第Ⅰ部 ヒト本来の育ちの理解と子どもを取り巻くデジタル環境
第1章 人類進化から考えるヒト本来の育ちの理解
1節 ホモ・サピエンスの生態的特徴
2節 ヒトの生殖の特異性
第2章 身体不活動(デジタル)社会に生きる―子どもの育ちの異変の理解(今の社会に通じるルソーの警鐘)
1節 子どものからだの変調の歴史
2節 社会環境の変化からみる年代別の子どもの育ちの現象
3節 写真から見る明治~昭和30年代までの子どもたちの暮らし:子どもの健全な育ちとは
4節 現代の子どもの暮らしと遊びの特徴
5節 社会は子どもに何をもたらそうとしているのか。
6節 社会と保育・教育が準備しなければならない環境:子どもの育ちを回復させる3つの要素
コラム① 身体知とは
第3章 デジタル社会は子どもにとってどのような社会か:デジタル社会に生きる子どもの育ちの理解
1節 はじめに
2節 デジタルとアナログの違い
3節 デジタル社会の意味するもの
4節 デジタル社会で準備しなければならないアナログ環境:AIに替わることができない子育て
5節 子育てがバーチャル世界で可能か:バーチャル世界(虚)の中では,子どもは孤立的環境に陥る危険性がある
6節 アナログな自然環境の中で人間の育ちは達成される:アナログ環境が子どもの育ちに不可欠な理由
第4章 非認知能力を育む乳幼児期の発育発達の理解:新保育・教育改革で求められる非認知能力育成の理解
1節 ヘックマン教授の40年間の追跡研究
2節 ヘックマン教授の介入実験の背景にある「寄り添うこと」の影響力
3節 2015年OECD非認知能力に関する調査
4節 これまで学校教育で中心課題とされていた認知能力育成からの転換:IQ,学力信仰を乗り越える新たな教育として浮上した非認知能力育成
5節 本来人間に備わる(人の子どもが生得的にもつ)非認知能力
6節 デジタル社会に生きる子どもの健康形成と非認知能力育成の関係
7節 生活の中で育成され,実行される非認知能力:デジタル社会にこそ必要な非認知能力
8節 非認知能力の高い保育者が子どもの非認知能力を育てる
9節 今後の保育・教育の展望
コラム② 社会情緒的とは
コラム③ OECDの示した認知能力と非認知能力のフレームワーク
第Ⅱ部 高機能な身体(二足直立歩行と脳)の発達を目指す子どもの発育発達
第5章 乳児の発育発達の理解
1節 はじめに
2節 ヒトの発育・発達の原則―運動発達は脳発達と連動する
3節 ヒトの赤ちゃんの誕生と発育の理解(体格と身体能力)
4節 新生児の運動発達
5節 0~2歳の運動発達経過―二足直立歩行開始までの段階的運動発達経過
6節 身体運動機能の発達とは―三次元の生活世界に適応する身体能力の獲得
7節 幼児と大人の健康の違い
第6章 幼児の発育発達の理解
1節 はじめに
2節 発育発達の定義
3節 幼児(3~6歳)の発育発達の特徴
4節 運動発達のカテゴリー(87種の運動発達の分類)
5節 身体操作能力の発達
6節 園における年齢別の運動発達の様相
7節 まとめ
第7章 連動して進む運動発達(骨格筋発達)と脳発達の理解
1節 はじめに
2節 骨格筋とは
3節 骨格筋の基礎的理解
4節 骨格筋が果たす重要な役割
5節 筋肉の働きの理解(姿勢から)
6節 運動遊びと脳の発達
7節 まとめ
コラム④ 乳幼児(0~2歳)の握力平均値
第8章 運動発達と心理(アタッチメント)・社会的発達の理解
1節 はじめに
2節 情緒の発達
3節 社会性の発達
4節 子どものうつと養育環境
5節 虐待と養育環境
6節 保育者の支援と関わり
7節 運動遊びとアタッチメント
コラム⑤ 同調圧力と子どもの自立
第9章 生活習慣の形成と健全な発育発達の理解
1節 はじめに
2節 生活習慣の基本的考え方:乳幼児の生理的リズムが生活習慣の基本である
3節 日光を浴び活動することから始まるサーカディアンリズム形成
4節 保育者の生活習慣形成に対する基本的姿勢
5節 基本的生活習慣を身に付ける
6節 まとめ
コラム⑥ 自律神経の働き:日常生活活動に合わせて生理的機能を調整する自律神経
第10章 発達障害児と運動発達の理解
1節 はじめに
2節 発達障害とは
3節 観察することの重要さ
4節 発達障害児のストレス
5節 発達障害児と運動機能
6節 発達障害児と運動遊び
第Ⅲ部 デジタル社会(脱身体化)に生きる子ども本来の育ちの回復:発育発達課題への対策・支援
第11章 子どもの健全発達を取り戻す3つの要素「自然・人・身体活動」
1節 はじめに
2節 自然環境での身体活動が不可欠な理由
3節 精神を回復させる自然環境
4節 自然環境のもつ多様性とダイナミックな変化に適応する身体能力:高機能な身体能力育成の土台づくり:自然的環境と人工的環境の最大の違い「変化する」
5節 人の存在が不可欠な理由―真似ることから始まる子どもの育ちと学習
6節 まとめ:半世紀続く子どもの育ちへの対策・支援
コラム⑦ ミラーニューロン:物まね遺伝子の発見
コラム⑧ 愛情ホルモン「オキシトシン」
第12章 「自然」がヒト本来の発達を促す―自然が与える人間発達への恩恵
1節 なぜ「自然」か?「自然の教育」の基盤は「身体」
2節 日常空間,園庭での自然のダイナミズム
3節 非日常的空間,野外活動のダイナミズムが育む逞しい身体と心
4節 まとめ
第13章 幼児の全面発達と運動支援 幼児の運動能力の現状とその課題
1節 はじめに
2節 運動遊びの意義
3節 運動発達の原則
4節 保育者としての支援の原則
コラム⑨ 齋藤公子の今に蘇る(生きる)保育実践
第14章 二足直立歩行の原点,土踏まずの形成
1節 ヒトの子どもの発育発達の特徴と子どもの育ちの異変
2節 身体能力低下に対して土踏まず調査の取り組み
3節 日常性での活発な身体活動が土踏まずの形成につながる
第15章 子どもの健全な発育発達をめざし,非認知能力を育てる――多様な動きを経験するコオーディネーション運動
1節 コオーディネーション運動の意義
2節 前頭葉の発達とコオーディネーション運動
3節 コオーディネーション運動の構成内容
4節 幼児期に重視するコオーディネーション能力
5節 コオーディネーションで大切なことは失敗する動きの経験
6節 非認知能力を育む手段としても注目されている:様々な動きを仲間とともに経験する,共に喜び・楽しむ・充実感を味わう
7節 保育者の運動に対する自信獲得とコオーディネーション運動
8節 保育士の変化:子どもとの信頼感の育成と保育者自身の非認知能力の向上
9節 まとめ:保育園・小学校現場での子どもたちの姿
引用・参考文献
索引
上記内容は本書刊行時のものです。