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鬱は伝染る。 マイケル・D・ヤプコ(著) - 北大路書房
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鬱は伝染る。 最もありふれた精神疾患は,どのように蔓延ったのか,どうすれば食い止められるのか
原書: Depression is contagious: How the most common mood disorder is spreading around the world and how to stop it

発行:北大路書房
A5判
352ページ
並製
定価 3,600円+税
ISBN
978-4-7628-3114-0
Cコード
C3011
専門 単行本 心理(学)
出版社在庫情報
在庫あり
初版年月日
2020年8月20日
書店発売日
登録日
2020年6月9日
最終更新日
2020年8月3日
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紹介

抑うつは社会的真空地帯では生じない!

薬による治療は最善か。抑うつの社会的文脈に焦点を当て,自己否定的でストレスにつながる洞察や行動のパターンを変えることが根本的な回復や感染予防になると説く。ブリーフセラピーの知見を背景に,うまく生きるための社会的スキルが身につく「実践的エクササイズ」を豊富に提供し,適切な「ふり返り」「行動」を目指す。

[原書]
Yapko, M.D. (2009). Depression is contagious: How the most common mood disorder is s preading around the world and how to stop it. Free Press

【主な目次】
第1章 抑うつは社会的真空地帯では生じない:抑うつの社会的基盤
第2章 他人はあなたと同じようではない:参照枠と柔軟性、受容
第3章 期待と人間関係の満足:他人を現実的に査定することを学ぶ
第4章 あまりにも多く、深く考えすぎる:行動を起こすことを学ぶ
第5章 あなたの道連れに他人を落ち込ませたりしない:「気楽にする」ことを学ぶ
第6章 自己欺瞞と真実の探求:自分の信念を検証することを学ぶ
第7章 線を引く:あなたの個人的境界を守る
第8章 結婚で命拾いできる:あなたの結婚生活を健全に保つ方法
第9章 おさがりブルース:子どもの「抑うつ遺産」を軽減することを学ぶ
第10章 あとがき

目次

日本語版に寄せて
序文

まえがき
 人が抑うつを蔓延させうる
 うまく生きるためのスキル
 人間関係が冷え込むと、抑うつは増加する
 抑うつは多くの注目を集めている……が十分とは程遠い
 抑うつに関する多次元的見解:危険な状況にいたる多様な道
 誰一人、生化学的な孤島などではない
 薬にはできないこと
 本書の内容
 本書の構成


第1章  抑うつは社会的真空地帯では生じない:抑うつの社会的基盤

 なぜ抑うつの社会的側面に焦点を? だって、脳がそうしろって言うから
 なぜ抑うつの社会的側面に焦点を? だって、われわれの心がそうしろって言うから
 抑うつの社会的広がり
 巧みな広告は、悲しいかな、下手な科学を上回る:薬での治療を求める前に考えるべきこと
 薬はありがたくないメッセージを送ることになる
 抑うつの概観
 さあ、それで?
 抑うつを生物学の結び目からほどく
 誰に抑うつのリスクがあるのか?
 中身より外見
 意味を見つけるために、パターンを学ぶ
 抑うつ的な人の社会生活
 抑うつ治療を再考する

 ◎行動することで学ぶ
1  宣伝を評価する
2  中身より外見
3  あなたの帰属スタイルを認識する
 
 ◎立ち止まってふり返る
1  これはテストであった……
2  あなたは何が抑うつの原因であると考えるか?
3  あなたの社会生活は?


第2章 他人はあなたと同じではないらしい:参照枠と柔軟性、受容

 なぜ、わざわざ?
 なぜわれわれは自分自身を基準点にしてしまうのだろう?
 あなたの基準点はもともと社会的である
 内面指向性
 内面指向性と外的反応
 抑うつと否定的な参照枠
 参照枠は自己防衛的である
 あなたの内面指向性に挑戦する:目標としての柔軟性
 柔軟性から自己受容へ
 他人を受け入れる
 あなたのあらゆる人間関係の共通項はあなたである

 ◎行動することで学ぶ
1  あなたの家族の価値観
2  自己欺瞞のリスクを最小化する
3  集中の力を学ぶ

 ◎立ち止まってふり返る
1  欲求不満と怒り、抑うつ、情緒的距離
2  あなたの専門家は誰?
3  判断を下す


第3章  期待と人間関係の満足:他人を現実的に査定することを学ぶ

 内面指向性は観察力の鋭さと反比例する
 外側から始める:あなたは他人の中のどんなことに気づくだろう?
 あなたは他人の中の何に気づくだろう?
 査定に影響する大物の要因
 外側から内側へ:自分自身を査定する

 ◎行動することで学ぶ
1  あなたの期待を定義する
2  人についての一般的な見方は何だろう?

 ◎立ち止まってふり返る
1  自分が期待していることに気づいているだろうか?
2  目の前でみすみす何かを見逃すほど、具体的になりすぎていないか?
3  あなたは「ごめんなさい」が言えますか?


第4章  あまりにも多く、深く考えすぎる:行動を起こすことを学ぶ

 反すうのプロセス
 コーピング・スタイルとしての反すう
 尋ねるだけでは、答えは返ってこないかもしれない
 反すうの損失:どのように抑うつと不安をあおるか
 反すうと睡眠障害
 反すうは人間関係を損なう
 女性、男性、そして反すう
 反すうを管理すること
 気逸らし戦術:恩恵と不利益
 マインドフル瞑想と催眠
 反すうを克服する

 ◎行動することで学ぶ
1  注目すれば、より大きくなる
2  肯定的なコーピング・スタイルを開発する
3  眠りを改善する
4  他人のために何かすることで、自分自身のためになる
5  散歩をして、世界を見よう

 ◎立ち止まってふり返る
1  あなたの強みが効果的な行動を生じさせる
2  メリーゴーラウンドを下りる


第5章  あなたの道連れに他人を落ち込ませたりしない:「気楽にする」ことを学ぶ

 なぜ、孤立?
 あなたには孤立することなど不可能かもしれない
 警告:一時的な抑うつのせいで、人間関係に一生残る傷がつくこともある
 「なあ、ただ自分に素直になれよ」
 衝動調整:「それにフタをすべき」ときを知る
 自尊感情の馬車が馬より前に行くことなどあるはずがない
 自尊感情が人間関係に不利に働くとき
 自分の気持ちに対する権利意識を乗り越える
 他人に発言権を与える
 自分の抑うつについてどの程度明らかにすべきか?
 あなたは自分の気分以上の存在である
 他人に対する保護の姿勢を育てる
 楽しみは抑うつの犠牲者である

 ◎行動することで学ぶ
1  くだらない話
2  選択としての気持ち
3  落ち込む時間に歯止めをかける
4  誰に何を話すべきか

 ◎立ち止まってふり返る
1  他人に対するあなたの影響は、どんなものだろう?
2  他人は、あなたをどう扱うべきか?
3  本来性のメリット


第6章  自己欺瞞と真実の探求:自分の信念を検証することを学ぶ

 理論化は自然だが危険である
 自分を偽る能力:考えの脆弱性
 われわれが意味を見つけだそうとあがくわけ
 空欄を埋める……危険なまでに
 自己欺瞞の代償と利益
 自己欺瞞のスタイルとパターン
 現実性は現実的に現実だろうか?
 正しい判断を下すために、情報を品定めして使うこと
 抑うつ:気分によって判断を誤る

 ◎行動することで学ぶ
1  あなたの生活における意義
2  考える際に柔軟性を養う
3  フィルターとしての気分


 ◎立ち止まってふり返る
1  あなたと魔術的思考
2  正しい判断をするのに十分な情報はどのくらいか?
3  あなたは真実を扱えるだろうか?


第7章  線を引く:あなたの個人的境界を守る

 境界とは何なのか、なぜ重要なのか?
 境界侵犯は伝染する
 あなたの境界をどこに定めるべきか?
 人間関係を築く際の境界
 あなたには他の誰かの境界を尊重する気がある?
 人は自分が欲しいものが欲しい
 葛藤を回避して……人間関係を損なう
 怒りと自己正当化:「そんなの、彼の自業自得だ!」
 葛藤の回避と関係性の抑うつ的ななれの果て
 境界と良好な人間関係の構築
 操作的な戦術に気持ちよく対処する
 考えるための時間を稼ぐ:遅延反応をマスターする
 威嚇戦術:抑うつ的な人間関係の核爆弾
 罪悪感:あれほどあなたのためにしてあげたのに、どうやったら私にそんなことができるの?
 称賛、お世辞、愛情攻勢
 厳格な境界と柔軟な境界

 ◎行動することで学ぶ
1  あなたの境界を評価する
2  あなたの価値観を定義する
3  あなたは怒りをどうするか?
4  そのメッセージは何だろう?

 ◎立ち止まってふり返る
1  不適切な質問に対処する
2  葛藤の真価
3  変わりうる境界


第8章  結婚で命拾いできる:あなたの結婚生活を健全に保つ方法

 結婚生活と抑うつの関係
 パートナー選び
 2人の類似点と相違点
 優しさと楽しさは抑うつの餌食となる
 2人の間の「健全の壁」:結婚生活における区画化スキル
 大ざっぱ思考 vs 区画化
 他人をアセスメントすることは、その人があなたに感じさせること以上のことにかかわっている
 問題となっていることに優先順位をつけてそれ以外のことは脇に置いておく
 区画化の最高峰である忍耐を実践する
 区画化にマイナス面はあるか?
 ちょっとしたサポートは大いに役立つ……がおそらく全然足りない
 パートナーが「あなたには助けが必要なの」と言うときには、2人とも助けが必要なのである
 結婚セラピーは抑うつの助けになるか?
 大局的見地から見た結婚生活

 ◎行動することで学ぶ
1  あなたはどうやって人間関係のパートナーを選んでいるのか?
2  結婚生活の感謝リスト
3  有効性には代償がつきもの

 ◎立ち止まってふり返る
1  誰が幸福な結婚生活を送っているのか?
2  あなたは楽しみ方を知ってる?
3  黙認するよい機会を決して見逃さないこと


第9章  おさがりブルース:子どもの「抑うつ遺産」を軽減することを学ぶ

 抑うつにはわけがある:抑うつ的な家庭のなれの果て
 子どもの世界はもはや楽しくもなければ無垢でもない
 親から子へ:抑うつが養育に影響しうる筋書き
 気をつけるべき早期の警告サイン
 抑うつは親になる決断に疑問を投げかける
 親になる準備が整っていない明確なサイン
 準備が整う:家族成員を守るために家族は何ができるだろうか?
 子どもの抑うつへの投薬治療

 ◎行動することで学ぶ
1  落ち着ける空間をつくり出す
2  あなたの危ないパターンを認識する

 ◎立ち止まってふり返る
1  あなたには保護と過保護を識別できるか?
2  親になる理由
3  相矛盾する情報は混乱を引き起こす


第10章  あとがき
 次の段階
 あなたはポジティブ心理学を地で行くことができる


付録1  セルフ・ヘルプのためのツール
付録2  ウェブサイト・メモ
謝辞
本文中で取り上げられている書籍について
索引
監訳者あとがき

前書きなど

◆ヤプコ博士からのメッセージ
 拙著『鬱は伝染る。』の日本語版へようこそ。よく研究され,科学的にも裏づけのある抑うつに対する見方を,日本の皆様にお届けできる機会が得られたことを嬉しく思っています。多くの専門家が公然と疑問を持ち始めている「うつ病は薬で治療するのが最善の病気だ」という,一般的ではあっても偏狭な見方とは対照的に,本書では「うつ病」の包括的な社会的見方に焦点を当てています。そうすることで,読者は,良くも悪くも,私たちの社会的な関係性が,気分にどのような影響を与えるのかを学ぶ機会を得ることができるでしょう。その結果,うつ病をより深く,多面的に理解することができて,ただ薬を飲むだけではなく,より積極的かつ効果的に気分をコントロールする方法を学ぶことができるでしょう。……
 これを書いている時点では,COVID-19の世界的な大流行により,うつ病の社会的側面は火を見るより明らかになっています。日本をはじめとした,ほとんど世界中のいたるところで,混沌とした予測不可能な実存上の脅威に際して,他者と距離をとるという試練によって,一人でそのような脅威に直面することが,一見したところでもどれほど破壊的であるのかが浮き彫りになっています。パンデミックの最中に人々が距離を置いていた期間を鑑みると,お互いに少しでも人とのつながりの感覚を得たいという欲求は一目瞭然です。他人は,時に私たちの苦痛の源になりますが,同時に慰めの源にもなります。
 COVID-19による世界的危機の長期的影響については,まだ分かりませんが,孤立感や無力感,絶望感の結果として,衰弱性の不安や抑うつを体験しているに人々は増加し続けています。抑うつは神経化学の中に収まるものではありません。そうではなく,その原点は状況の中にあるのです。中でも注目すべきは,日々のルーチンや,愛やサポート,楽しみのために当てにしている人々なのです。
 『鬱は伝染る。』は,他人とかかわり方を考える機会を提供するとともに,良いときにも悪いときにも他人とうまくかかわるために必要になる具体的な洞察とスキルを提供しています。気分をよくするには肯定的な人間関係が決定的に重要であるという証拠には,枚挙に暇がありません。ここで学んだことが,皆さんの支えになり,刺激になることを願っています。……(「日本の読者へのまえがき」より一部引用)

著者プロフィール

マイケル・D・ヤプコ  (ヤプコ マイケルディー)  (

マイケル・D・ヤプコ(Michael D. Yapko)
 マイケル・D・ヤプコ博士は,カリフォルニア州サンディエゴ近郊に住む臨床心理士です。 彼の短期心理療法,特に大うつ病の治療における研究は国際的にも認められており,日常的に世界中の専門家にも教えています。 彼は,アメリカ全土はもちろんのこと,日本を含む6大陸30カ国以上に招かれてその革新的なアイデアと方法についてプレゼンしています。
 ヤプコ博士は,半世紀近くにわたり,ブリーフセラピーの奥深さや催眠の臨床応用,大うつ病の治療に特に関心を払ってきました。 彼は15冊の本の著者であると共に,3冊の本の編集者でもあり,うつ病の短期療法や戦略的心理療法の使用をテーマにした多数の本の章や記事を執筆しています。彼の著作には,本書以外に,『Keys to Unlocking Depression(うつ病を解除する鍵)』,『The Discriminating Therapist(違いの分かるセラピスト)などがあります(いずれも日本語版未刊行)。ヤプコ博士の業績の詳細は,ウェブサイト(www.yapko.com)でご覧いただけます。
 ヤプコ博士は,アメリカ心理学会(第30部門)の評議員でもあり,国際催眠学会やミルトン・H・エリクソン財団,アメリカ心理学会(第30部門)の特別功労賞を受賞しています。

福井 義一  (フクイ ヨシカズ)  (監修 | 編集

福井義一(ふくい・よしかず)
2002年 同志社大学大学院文学研究科心理学専攻博士後期課程 単位取得満期退学
現在 甲南大学文学部人間科学科 教授(文学修士)
[主著・論文]
『心理学実験を学ぼう!』(分担執筆) 金剛出版 2010年
『自伝的記憶と心理療法』(分担執筆) 平凡社 2013年
『催眠をはじめるときに知っておきたかった101のこと』(翻訳) 金剛出版 2016年
『身体に閉じ込められたトラウマ』(共訳) 星和書店 2016年
『マインドフルネス認知療法ワークブック』(分担翻訳) 北大路書房 2018年
『自我状態療法』(監訳) 金剛出版 2019年

定政 由里子  (サダマサ ユリコ)  (

定政由里子(さだまさ・ゆりこ)
2011年 甲南大学大学院人文科学研究科博士後期課程単位取得退学
現在 神戸学院大学心理学部講師,関西リハビリテーション病院(臨床心理士・公認心理師)
[主著・論文]
「心霊術に何が隠れているのか?ーS・フロイトと狼男セルゲイ・パンケイエフの間でー」『月刊みすず』10月号~12月号(共訳) みすず書房 2006年 
『子ども被害者学のすすめ』(共訳) 岩波書店 2010年
『エッセンシャル心理学』(第12章共著) ナカニシヤ出版 2020年

上記内容は本書刊行時のものです。