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みんなのスピリチュアリティ
シシリー・ソンダース,トータルペインの現在
原書: Spirituality in Hospice Care: How Staff and Volunteers Can Support the Dying and Their Families
- 出版社在庫情報
- 在庫あり
- 初版年月日
- 2020年3月20日
- 書店発売日
- 2020年3月5日
- 登録日
- 2020年1月17日
- 最終更新日
- 2020年5月11日
紹介
ホスピスはいかにして死にゆく人とその家族を支えるのか?
ホスピス管理者,緩和ケア医,理学療法士,ボランティア,心理療法家,チャプレン,看護師,ソーシャルワーカー……
12人のベテランのホスピス臨床家たちが,〈スピリチュアリティ〉あるいは〈スピリチュアルケア〉をどのようなものとして理解しているのか,自身の経験を交えながら率直に語り合う。
「近代ホスピスの母」シシリー・ソンダースが創設したセント・クリストファー・ホスピス50周年記念として編まれた論文集。
[原著]Goodhead, A., & Hartley, N. (2017). Spirituality in Hospice Care: How Staff and Volunteers Can Support the Dying and Their Families. Jessica Kingsley Publishers Ltd.
【主な目次】
はしがき
序
第1章 スピリチュアルペインとは何か──ホスピス管理者の視点
第2章 患者の前にいることのニード──スピリチュアルケア・リードの視点
第3章 介入ではなく関係を──緩和ケア医の視点
第4章 ヘルスケアにおける希望の提示──理学療法士の視点
第5章 関係とレジリエンス──ホスピス・ボランティアの視点
第6章 トータルペインと多様性──教育者の視点
第7章 アートによるスピリチュアルペイン探求──心理療法家の視点
第8章 スピリチュアリティと宗教の緊張関係での仕事──チャプレンの視点
第9章 スピリチュアリティと職業──看護師の視点
第10章 スピリチュアルケアを実践する──三人の緩和ケア・ソーシャルワーカーの視点
結論
解説に代えて──「スピリチュアルペイン」を読む
目次
はしがき
序
第1章 スピリチュアルペインとは何か──ホスピス管理者の視点
はじめに
僕のバックグラウンド
知らずにいることと決して満足しないこと
四つの話
結びに代えて
第2章 患者の前にいることのニード──スピリチュアルケア・リードの視点
第3章 介入ではなく関係を──緩和ケア医の視点
はじめに
ヒーラーとしての医師
死の不安
配慮の性質
小さい話が大きな話になるとき
尊厳――どのように見られたいか
意味――答えのない問い
語り方――われわれが選ぶ言葉
チームの葛藤と相容れいない語り方
手放すこと――ものを捨てること
否認――誤解されている対処法
希望と意気消沈
火山と滝、怒りと恐怖
関係を結ぶケア――ネットワークと夫婦
結びに代えて
第4章 ヘルスケアにおける希望の提示──理学療法士の視点
見込みがない旅におけるスピリチュアルな存在
暗闇の中の希望
体と心と生気の完全な統合
スピリチュアルな死からの解放
スピリチュアリティと人生の嵐
第5章 関係とレジリエンス──ホスピス・ボランティアの視点
はじめに
スピリチュアリティをどう見るか
レジリエンス
レジリエンスとスピリチュアリティ
「間」とトランスパーソナルなもの
ホスピスのボランティアとしての意味づけ――場面を設定すること
アニバーサリーセンターでの関わり
実際的な支援
患者の家族
社会的苦痛
情緒的苦痛
スピリチュアルペイン
身体的苦痛
結びに代えて
第6章 トータルペインと多様性──教育者の視点
はじめに
スピリチュアリティとは何か
専門性の限界
スピリチュアリティと動機づけ
トータルペインと多様性
スピリチュアルペイン
結びに代えて
第7章 アートによるスピリチュアルペイン探求──心理療法家の視点
はじめに
スピリチュアリティ――私にとっての意味
スピリチュアリティと専門職の生
アートを使う心理療法
トータルペインという概念
スピリチュアルケアとスピリチュアルペイン
スピリチュアル・ニードへの応答
死や死ぬことについてのタブーを取り除くこと
スピリチュアル・アセスメント
スピリチュアルペインスピリチュアルな苦悩はどのように見えるか
結びに代えて
第8章 スピリチュアリティと宗教の緊張関係での仕事──チャプレンの視点
スピリチュアリティと宗教
見ること
つながること
深み
諦め
スピリチュアルペイン
トータルペイン
概念の拡張
結びに代えて
第9章 スピリチュアリティと職業──看護師の視点
はじめに
「守護天使」と「スピリチュアルな使命」
私のスピリチュアルな生がどのように専門職の生と相互作用するのか
トータルペイン
スピリチュアルペイン
結びに代えて
第10章 スピリチュアルケアを実践する──三人の緩和ケア・ソーシャルワーカーの視点
はじめに
コスタス
サリー
ニノン
結びに代えて
結論
解説に代えて──「スピリチュアルペイン」を読む
訳者あとがき
文 献
索 引
前書きなど
【メディア紹介】
2020年5月10日付「京都新聞」
評者 安井禮子氏(医療・健康ライター)
ホスピスは死にゆく人とその家族をどのようにして支えるのか―。本書は、ベテランのホスピス臨床家が、それぞれの専門性や経験を元に率直に語った論文集だ。
執筆者は、緩和ケア医や理学療法士、ボランティア、心理療法家、看護師ら12人。「近代ホスピスの母」と呼ばれるシシリー・ソンダースが提唱した「トータルペイン(全人的苦痛)の考察などと合わせて、数多くの事例が心動かされるストーリーを通して示され、一般の人も興味深く読むことのできる内容となっている。
「スピリチュアリティ」は霊性、神秘性とも訳されるが、包含するものは広く多様で、解釈には職業による役割や人生で遭遇したことなども影響する。自力で食べられなくなった患者に食道ステントを着けるのが正当という医師、これ以上介入せず穏やかに死を迎えるべきだと思う看護師。こうした対立は、最後の鎮静の決定の場合にも起こる。
ギャップを埋める一つの方法は、相手の視点から世界を見ようとすること。相手が受け入れられない語り方はスピリチュアルな不信を招き、患者のケアの質を下げることにもなる。緩和ケア医のこの指摘は、日々の介護にも通じる。寄り添う、話を聴くというケアの基本も、実践は難しいが、忘れないようにしたい。……
上記内容は本書刊行時のものです。