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紛争・暴力・公正の心理学 大渕 憲一(監修) - 北大路書房
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紛争・暴力・公正の心理学

発行:北大路書房
A5判
368ページ
並製
価格 3,600円+税
ISBN
978-4-7628-2919-2
Cコード
C3011
専門 単行本 心理(学)
出版社在庫情報
在庫あり
初版年月日
2016年2月
書店発売日
登録日
2015年12月28日
最終更新日
2016年2月24日
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紹介

人と人との間で発生する生々しい苦しみやいら立ち,不満足や不調和を扱う研究領域の成果をまとめた。人間の負の営みや負の心情をいかに緩和できるのかについても検討されており,未だに頻発する世界中の紛争や暴力に目を向けたとき,古くから現在まで抱えてきた争いの防止や抑止に貢献できる研究の重要性が再認識される。

◆執筆者一覧(執筆順)
※は編集委員
大渕 憲一  (東北大学大学院文学研究科)   【監修】
田村  達※ (岩手県立大学社会福祉学部)   【1章】
上原 俊介  (東北大学大学院文学研究科)   【2章】
八田 武俊  (岐阜医療科学大学保健科学部)   【3章】
佐々木美加  (明治大学商学部)   【4章】
山口奈緒美  (東北福祉大学総合福祉学部)   【5章】
高久 聖治  (アメリカ創価大学)   【6章】
小嶋 かおり (新潟青陵大学短期大学部)   【7章】
福島  治※ (新潟大学人文学部)   【7章】
福野 光輝  (山形大学人文学部)   【8章】
佐藤 静香  (東北大学高度教養教育・学生支援機構)   【9章】
渥美 恵美  (東北福祉大学健康科学部)   【10章】
林 洋一郎※ (慶應義塾大学大学院経営管理研究科)   【11章】
川嶋 伸佳  (京都文教大学総合社会学部)   【12章】
鈴木 淳子  (慶応義塾大学文学部)   【13章】
青木 俊明  (東北大学大学院国際文化研究科)   【14章】
熊谷 智博※ (大妻女子大学文学部)   【15章】
浅井 暢子  (京都文教大学総合社会学部)   【16章】
加賀美常美代 (お茶の水女子大学大学院人間文化創成学研究科)【17章】
山本 雄大  (東北大学大学院文学研究科)   【18章】
潮村 公弘  (フェリス女学院大学文学部)   【19章】
森  丈弓  (甲南女子大学人間科学部)   【20章】
中川 知宏※ (近畿大学総合社会学部)   【21章】
戴  伸峰  (台湾中正大学)   【22章】
近藤日出夫  (佛教大学大学院教育学研究科)   【23章】

目次

Ⅰ部 攻撃と感情
1章 攻撃と道徳
2章 報復の心理:その機能と功罪
3章 怒りと健康
4章 対人行動と感情

Ⅱ部 対人葛藤と対処
5章 紛争解決における寛容
6章 謝罪と釈明
7章 対人葛藤
8章 交渉
9章 親密な関係における暴力
10章 医療現場でのコンフリクトの予防と対処

Ⅲ部 正義と公正
11章 組織と公正
12章 日本社会は公正か:不平等社会における公正感の要因と機能
13章 ジェンダーと不平等:ワーク・ライフ・バランスの視点から
14章 地域紛争と公正

Ⅳ部 集団・文化と紛争
15章 集団間紛争とその解決及び和解
16章 集団間葛藤の低減
17章 文化間葛藤と価値観
18章 偏見と差別
19章 ステレオタイプ研究再考

Ⅴ部 犯罪
20章 犯罪リスクと暴力
21章 非行集団と暴力犯罪
22章 犯罪者への処罰
23章 少年による殺人:殺人少年の量的・質的変化の検討

前書きなど

 戦後70年が経った今日、高度成長を謳歌した繁栄と安定の時代は過去のものとなり、我が国は、内外ともに多くの新しいタイプの社会問題に直面している。本書は、こうした社会問題の理解と解決に向けて、心理学の立場からこれに取り組んでいる研究者たちの研究成果を収録したものである。本書で取り上げられている社会問題は、目次に示されているように、攻撃と怒り、対人葛藤、集団葛藤、正義と公正、それに犯罪などであるが、これらに共通するテーマは葛藤(コンフリクト)である。
近年の我が国は近隣諸国との間で領土や歴史認識を巡る軋轢に悩まされようになった。また、海外で頻発するテロ事件も、もはや対岸の火事とみなすことはできず、多くの日本人が民族紛争など集団葛藤に対して強い関心を持つようになったが、このことは、テレビの報道番組の増加などにも表れている。
 国内においては社会的格差の拡大が進み、そのしわ寄せは特に非正規就労者、老人、女性、そして地方在住者など、社会的弱者の境遇悪化に顕著に見られる。格差は利益配分を巡る社会的葛藤の所産であるが、それは日本人の間に社会的公正への関心を高めるという副産物を生んだ。公正は組織や社会の在り方を捉える新しい視点として、我が国においては心理学を含め、広範な社会科学の重要なテーマとなりつつある。
 葛藤問題の基本構図は対人葛藤に見られる。個人としても集団としても、葛藤解決は適応の必須要件であることから、その失敗は紛争、犯罪、逸脱などの社会病理を招く恐れがある。それ故、葛藤当事者の認知、感情、動機づけなどの心理過程の分析は、家庭、職場、地域における個人の社会適応と精神健康にも重要な示唆を与えるものである。対人葛藤の研究から得られた理論と知見は、具体的な社会問題や集団葛藤に対しても、その本質を理解するための基礎的枠組みを提供するものである。
(本書「まえがき」より一部抜粋)

著者プロフィール

大渕 憲一  (オオブチ ケンイチ)  (監修

大渕 憲一(おおぶち・けんいち)
東北大学大学院文学研究科心理学研究室 教授

上記内容は本書刊行時のものです。