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就「社」社会で就「職」する若者たち 片山 悠樹(編) - 学文社
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就「社」社会で就「職」する若者たち (シュウシャシャカイデシュウショクスルワカモノタチ) 専門学校生の初期キャリア

社会科学
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発行:学文社
A5判
256ページ
定価 2,800 円+税   3,080 円(税込)
ISBN
978-4-7620-3411-4   COPY
ISBN 13
9784762034114   COPY
ISBN 10h
4-7620-3411-8   COPY
ISBN 10
4762034118   COPY
出版者記号
7620   COPY
Cコード
C3036  
3:専門 0:単行本 36:社会
出版社在庫情報
不明
初版年月日
2025年3月15日
書店発売日
登録日
2025年2月5日
最終更新日
2025年6月12日
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紹介

「会社員」/「職業」中心のキャリアの違いを意識しながら、若者のキャリア形成を検討。

日本社会での就職は、「就職の判断材料が職業ではなく、会社になる」、就「職」ではなく就「社」だと言われている。
本書では職種中心にキャリアを歩む若者たちに焦点をあて、彼ら/彼女らの職業への移行や初期のキャリア形成を検討する。
就「社」型キャリアが優勢な社会のなかで、職種中心のキャリアはどういった特徴を持つのか。
そして、若者の職業移行やキャリア形成に関する従来の研究にどのような視点を提供できるのか。
職種中心のキャリアを就「職」型キャリアと名づけ、検討していく。

専門学校の若者の初期キャリア、専門学校の入学から卒業、専門学校の女性とキャリア、の3部構成にて、
アンケート調査やインタビュー調査データも元に、
就「社」社会のなかで就「職」する若者たちの移行やキャリア形成に対して、
専門学校を含めた職業教育に何ができうるのかを議論する。


【執筆者】
片山 悠樹(KATAYAMA Yuki)【編者】(序章・2章・3章・4章・5章・10章・終章)
 所 属:愛知教育大学教育学部准教授。専 門:教育社会学・職業教育論。
 主な業績:『 「ものづくり」 と職業教育 工業高校と仕事のつながり方』(岩波書店:単著),
 『現場から変える! 教師の働き方 できることから始めるローカルな学校改革』(大月書店:共編著),
 『危機のなかの若者たち教育とキャリアに関する5年間の追跡調査』(東京大学出版会:分担執筆)ほか

岩脇 千裕(IWAWAKI Chihiro)(1章)
 所 属:(独)労働政策研究・研修機構主任研究員。専 門:教育社会学
 主な業績:『 日本社会の変容と若者のキャリア形成』(労働政策研究・研修機構:分担執筆)ほか

都島 梨紗(TSUSHIMA Risa)(4章・9章)
 所 属:岡山大学社会文化科学学域(文)准教授。専 門:教育社会学・犯罪社会学。
 主な業績:『非行からの「立ち直り」とは何か』(晃洋書房:単著)ほか

上地 香杜(KAMIJI Koto)(4章・8章・9章)
 所 属:静岡大学教職センター特任助教。専 門:教育社会学。
 主な業績:「大学進学時におけるジェンダーと地域移動に関する基礎的検討 都道府県別の経年変化に着目して」『日本高校教育学会年報』31:50-59ほか

尾川 満宏(OGAWA Mitsuhiro)(6章・7章)
 所 属:広島大学大学院人間社会科学研究科准教授。専 門:教育社会学。
 主な業績:「若者の移行経験にみるローカリティ 仕事,家族,地元のリアリティをめぐる社会=空間的アプローチの可能性」『教育社会学研究』102:57-77 ほか

目次

 序 章 就「社」型/就「職」型キャリア
  1.本書の目的
  2.女性と職業教
  3.分析対象としての専門学校
  4.本書の構成

Ⅰ部 専門学校の若者の初期キャリア
 1章 日本社会の構造的変化と専門学校卒の初期キャリア
  1.はじめに
  2.専門学校卒業者の学校から職業への移行
   2.1 卒業直後の就業状況 / 2.2 専門学校における学習内容と就業先との関係
  3.専門学校卒業者のキャリア観と離職状況
   3.1 専門学校卒業者のキャリア観 / 3.2 専門学校卒業者の早期離職傾向
   / 3.3 専門学校卒業者の早期離職傾向の背景
  4.専門学校卒の労働市場における位置づけの変化
   4.1 若年正規雇用者の労働市場における高学歴化と脱工業化
   / 4.2 社会サービス産業における専門学校卒女性の存在感の低下
  5.専門学校卒の労働市場における位置づけの変化
   5.1 雇用の安定性と訓練機会 / 5.2 労働時間と賃金 / 5.3 脱工業化サービス産業における雇用の質
  6.おわりに

 2章 分化する女性の職業意識
  1.はじめに
  2.分析の視点 産業特殊的スキルと専門学校の資格教育
  3.データ
  4.分析結果
  5.まとめと課題

Ⅱ部 専門学校の入学から卒業まで
 3章 入学から卒業までの概要
  1.調査の概要
  2.対象者の概要
  3.学校生活
  4.小括

 4章 専門学校からの移行プロセス
  1.目的
  2.受験回数と応募方法
  3.保育・介護福祉系の移行プロセス 応募先の「決め手」はなんだったのか
   3.1 補助的な役割を果たす「学校・先生からの紹介・推薦」 / 3.2 決め手① 「近さ」へのこだわり
   / 3.3 決め手② 「実習施設」であること / 3.4 実習施設と養成校の結びつきかた
  4.理美容系の移行プロセス
   4.1 理美容師系の移行プロセス / 4.2 メイク系の移行プロセス
  5.考察

 5章 職業教育と非認知的能力 説明能力に注目して
  1.はじめに
  2.「職務コンピテンシー」と「教育コンピテンシー」
   2.1 非認知的能力の再登場と職務の脱文脈化 / 2.2 分析課題
  3.分析結果
   3.1 消費者のニーズの変化 / 3.2 説明の相手と自信
  4.非認知的能力は教育可能なのか?

 6章 専門学校女子学生の性別役割意識の変化
  1.本章の問い なぜ専門学校在学中に性別役割意識が高まるのか
  2.分析の視点と方法
  3.性別役割意識と諸変数の関連
   3.1 学校所在地と学科 / 3.2 専門学校での学習経験 / 3.3 進路相談の相手
   /3.4 職業生活に関する不安 / 3.5 ワークキャリア観 / 3.6 ライフキャリア観 / 3.7 地元就職希望
  4.在学中の性別役割意識向上の規定要因
  5.まとめと考察

Ⅲ部 専門学校の女性とキャリア
 7章 専門学校女子学生の進路選択とキャリア展望
  1.はじめに
  2.使用するデータと本章の視点
  3.男女学生の職業選択に関する意識
   3.1 職業希望の形成時期 / 3.2 職業観:どのような仕事を希望するか / 3.3 就職地域の希望と実際
  4.女子学生の在学中キャリアのキャリア意識
   4.1 ワークキャリア観 / 4.2 職業生活に関する不安 / 4.3 ライフキャリア観 / 4.4 社会意識
  5.結果のまとめ

 8章 キャリア形成と地域移動 保育系と美容系における仕事と地域
  1.はじめに
  2.保育系職業と地域移動
  3.美容系職業と地域移動
   3.1 メイク系と地域移動 / 3.2 美容師と地域移動
  4.キャリア形成と地域移動

 9章 保育系/美容系専門学校卒業生の初期キャリア
  1.はじめに
  2.若年保育系専門職と美容系専門職の辞める理由・続ける理由
   2.1 保育士の実態調査からみる辞める理由・続ける理由 / 2.2 美容師の実態調査からみる美容業界の働き方
  3.保育系専門学校卒業生のやりがいと初期キャリア
   3.1 保育系専門学校生の卒後追跡状況
   3.2 保育専門職のキャリアとやりがい―①転職しない保育専門職の語り
   3.3 保育専門職のキャリアとやりがい―②転職する保育専門職の語り
  4.美容系専門学校卒業生のやりがいと初期キャリア
   4.1 理美容系専門学校生の追跡状況 / 4.2 勤務時間外でスキルを身につける
   /4.3 将来を見すえたキャリア形成
  5.考察
   5.1 保育系卒業生の働き方 / 5.2 美容系卒業生の働き方
  6.おわりに

 10章 専門学校卒の女性は職業教育の効果をいかに語るか?
  1.問題関心
  2.分析データ
  3.分析結果
   3.1 保育系 / 3.2 理美容系 / 3.3 考察 知識と職業教育への語り
  4.まとめ 知識への意味づけ

 終 章 就「職」型キャリアを考えるために
  1.専門学校からの移行
  2.就「社」社会周縁でのキャリア形成
  3.ジェンダー規範の再生産
  4.今後の課題

著者プロフィール

片山 悠樹  (カタヤマ ユウキ)  (

片山 悠樹(かたやま ゆうき)愛知教育大学教育学部准教授。専門:教育社会学・職業教育論。

上記内容は本書刊行時のものです。