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教育と社会
巻次:4
- 初版年月日
- 2021年4月15日
- 書店発売日
- 2021年4月15日
- 登録日
- 2021年3月24日
- 最終更新日
- 2025年2月26日
紹介
「教育と社会」について検討するにあたって,「学校と地域の連携」を所与のものとせず,
まずは現代社会のあり様と教育との関係をどう捉えるかというところから出発し,
さまざまな領域の実態と課題から教育・学校の実態をマクロな視点で捉える。
【執筆者】
油布佐和子、坂田 仰、越智康詞、西田芳正、結城 惠、山本由美、木村泰子、小国喜弘、樋田大二郎、
古賀正義、前川喜平、岡本智周
目次
序 章 教育と社会の新たな状況と課題…油布 佐和子
1 教育の二面性と二重性
2 近代公教育の誕生と揺らぎ
3 グローバリゼーションと<近代>の終焉
4 現代社会の教育―新自由主義的な教育改革の下で何が起こっているか
5 オルタナティブな選択―対抗戦略としての<民主主義>
第1部 「教育と社会」の現代的課題
第1章 学校という場所―親密圏の限界と学校教育の法化現象―…坂田 仰
1 学校教育の法化現象
2 体罰論にみる学校教育の法化現象
3 学校事故の危機管理
4 地域住民の意識変化
第2章 デジタル革命と知と教育の現在―メディア論的視点からのアプローチ―…越智 康詞
1 知と教育をめぐる迷走
2 メディアとは何か
3 メディア論的人類学―教育学的人間観を更新する
4 言葉(象徴)という記号=技術へ
5 文字メディアのメディアとしての近代学校
6 デジタル革命と現在
7 デジタル革命の可能性と人間・言葉・教育の未来
第3章 貧困の拡大と学校・教師…西田 芳正
1 貧困と日本社会
2 貧困と子どもの育ち
3 貧困と学校の力
4 貧困と教師
第4章 グローバル化する社会と学校…結城 恵
1 「多文化共生」という社会問題
2 グローバル社会のなかで育つ多様性の高い子どもたち
3 外国人住民の子どもたちをとりまく課題
―「制度」と「言葉」の壁による低い進学率と高い中退率
4 「文化」の壁―あいまいで両義性をもつ学校・教室空間
5 「不就学」という選択にみえた日本の学校の高い壁
6 多様性が活きる未来を拓くために
7 産業界からの多様性活用の兆しを契機に
第5章 シカゴ市における学校と地域
―「持続可能なコミュニティ・スクール」の成立まで―…山本 由美
1 ターゲットにされる地域の学校
2 アメリカにおける学校と地域の変貌
3 グローバル都市,シカゴ市の教育改革
4 対抗軸の出現
5 ディエット高校を守るためにハンガーストライキ
6 持続可能なコミュニティ・スクールの登場
7 学校閉鎖を契機に生まれた対抗軸
第2部 「教育と社会」の新しい可能性
第6章 学校改革の可能性と問題点
―大空小学校の「みんなの学校」から学ぶ―…木村 泰子・小国 喜弘
1 『みんなの学校』をつくる
―パブリックの学校の理念「すべての子どもの学習権を保障する学校をつくる」―
2 現代の学校改革から見失われているものは何か
第7章 高校教育の地域主義的転回…樋田 大二郎
1 垂直移動から水平移動への研究関心の移行
2 高等教育改革の2つの方向―普遍的教育の改善と地域主義的転回
3 教育の地域主義的転回の前史
4 教育の地域主義的転回と当たり前の変化
―当たり前が問い直され,当たり前に守られた学歴主義が変わる
5 問い直し
6 高校魅力化のこれから
第8章 非行少年の「セカンドチャンス」に寄り添う実践
―カリフォルニア・ティーンコートに関する観察調査を中心に―…古賀 正義
1 「困難を有する若者」への教育支援
2 ティーンコート(少年法廷)の特質
3 カリフォルニア・ティーンコートの実際
4 ティーンコートのためのワークショップに関する調査
5 TC義務遂行少年への聞き取り調査からみえるもの
6 日本における「セカンドチャンス」の実践との比較研究に向かって
第9章 あらゆる人に学びの機会を―教育機会確保法をめぐって―…前川 喜平
1 教育機会確保法制定の経緯
2 教育機会確保法の内容
3 法律制定後の進展―不登校とフリースクール
4 法律制定後の進展―夜間中学
5 教育機会確保法は学校に変革をもたらすか
終 章 共生の教育とは何か…岡本 智周
1 社会の分断と共生の要請
2 共生を志向する学校教育
3 共生志向と学びの関係の実際
4 社会的共生に向けた学校教育の課題
上記内容は本書刊行時のものです。