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出版者情報
協力のテクノロジー
関係者の相利をはかるマネジメント
- 初版年月日
- 2022年4月10日
- 書店発売日
- 2022年4月6日
- 登録日
- 2022年1月28日
- 最終更新日
- 2022年3月31日
紹介
「私とあなたは同じ考えを持てる」といった同質性の上に築かれた従来の協力の技術は、価値観やライフスタイルの多様化によって通用しなくなった。協力の輪を仲間の外に拡げるには、「違う」を前提に力を合わせることが必要だ。本書は、その基礎を協力とは何かから説き起こし、誰もが習得できる技術として体系的に説明する。
目次
はじめに
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Part1 協力を組み立てる基礎を知る
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第1章 なぜ今、協力について考えることが大切なのか
1.今「協力」が注目されている
2.しかし「協力の不全」が広がっている
3.時代のトレンドが協力の不全を引き起こしている
4.協力の不全に対抗する四つのアプローチ
5.「違う」を大切に協力できる世界を作る
第2章 協力を組み立てる基本を理解する
1.協力を組み立てるために道具主義的な考え方を学ぼう
2.私たちは五つの力を使って世界を組み立てている
3.社会関係は構築物であると考えてみよう
4.世界はシステムと非システムから出来ている
第3章 協力を組み立てるキーポイントを知る
1.協力はどうすれば発動するのか
2.協力に関する誤解を解く
3.協力には三つの類型(タイプ)がある
4.事例に見る協力の3類型
5.重要な三項相(そう)利(り)の考え方
第4章 協力を組み立てる時に重要な工具と技能
1.協力を組み立てる時の工具と技能とは
2.工具1:仮説検証のフレームワーク
3.工具2:関係性分析のフレームワーク
4.技能1:協力的理性と配慮
5.技能2:脇に置く技術と視点移動の技術
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Part2 人はみな「違う」を前提に共有の目標を作る ~目標開発の考え方~
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第5章 自分の意図を明確にする
1.人はみなイメージすることが異なる
2.何をどう明確化すれば良いのか
3.明確化することで大きな問題も扱えるようになる
4.明確化は複数名で行おう
第6章 相手の意図を理解する
1.相手の意図を理解する時の問題
2.価値観とは選択の基準と考える
3.相手の価値観を知って意図を理解する
4.役割から相手の意図を理解する
5.役割から意図を読むツールの見つけ方
6.役割から意図を読む方法を理解しよう
7.常に仮説を修正していくことを忘れない
第7章 三項相利のために世界の利益を理解する
1.世界の利益とは何か
2.世界の利益を考慮する意義
第8章 「違う」を前提に、共有目標を作る
1.人はみな異なる世界観を持っている
2.認識を一致させる様々な方法
3.認識が違うまま目標を共有する方法
4.三項相利のメリット
5.三項相利の設計と相利評価
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Part3 協力構築サイクルを使って協力を組み立てる
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第9章 協力構築サイクルとは何か
1.協力構築サイクルの構成と回し方
2.Part3で使う三つの事例
第10章 相利を基本に「目標」を開発する
1.目標開発のフレームワークを理解する
2.現状と目的から問題を明確化する
3.目的が実現できない原因を分析する
4.解決策候補をリストアップする
5.基準を決めて解決策を絞り込む
6.事例で見る解決策の選定
7.解決策の具体的実施手段を決める
8.SMARTフレームワークで目標を明確化する
第11章 目標を達成するための「役割」を設計する
1.役割の基本モデルを理解しよう
2.基本モデルをカスタマイズする
3.役割の担い手を決める
第12章 目標を達成する手順を「脚本」にする
1.脚本とは何かを理解する
2.脚本はまずバックキャスティングで作る
3.作業を人に置き換える
4.関係者分析からお願いの連鎖を作る
5.つながりを生み出す六つの工具
第13章 「相利」を作り出して協力者を増やす
1.目標価値の共通化による相利開発
2.集合的アイデンティティによる相利開発
3.リフレーミングによる相利開発
4.付随利益開発による相利開発
5.プログラム開発による相利開発
6.役割の持つ価値の利用による相利開発
7.目標修正による相利開発
8.相利を開発する時の五つのポイント
第14章 敵対者を協力者に変える「調整」を行う
1.調整のテクノロジーと闘争のテクノロジー
2.非合力の六つの関係を理解する
3.非合力の関係をどう変えるか
4.調整のための第三項をどう作るのか
5.欲求や意図の代替を行う
6.対立もマイナスだけではない、と考える
第15章 お互いの行動をつなげる「舞台」を作る
1.お互いの行動をつなげる五つの見える化
2.物語を見える化する
3.協力者を見える化する
4.時間を見える化する
5.場面を見える化する
6.貢献を見える化する
7.みんながヒーローという状態を作る
8.いかにしてヒーローを増やすのか
9.舞台のもう一つの活用方法
第16章 関係者マネジメントで協力への「帰属」意識を生み出す
1.お金では動かない人たちのマネジメント
2.組織マネジメントと関係者マネジメント
3.協力では関係者マネジメントが重要
4.関係者マネジメントの土台を作る
5.人々のネットワークにはハブがある
6.ネットワークと組織作りもテストしながら進める
7.人が入れ替われる組織を作る
8.相利評価を実施する
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Part4 実例に見る協力の組み立て方 ~NPO法立法を事例に~
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第17章 約2年かかった共有目標の開発
1.何もないところからのスタート
2.仲間と共に現状を分析する
3.なぜ世界を変えられないかを検討する
4.試行錯誤しながらNPO法立法を目標に決める
5.SMARTフレームワークで目標を明確化し本格的活動がスタート
第18章 立法活動にも設計図がある
1.関係者をリストアップしてつなげていく
2.役割の基本モデルとして「被害者の会」を選択する
3.働きかけるために具体的な固有名詞に置き換える
第19章 立法までの手順書を作っていく
1.法律成立までのお願いをつながりにする
2.仮説で良いので脚本を作っていく
3.何度も人に置き換えてつながりを具体化する
4.効果が出るように各幕のKPIを設定する
第20章 悪戦苦闘した相利の開発
1.何も知らないので、ともかく説得してみた
2.分かってもらえないので具体的にしてみた
3.NPOの分野ごとの共有価値を使ってみた
4.NPOセクターという集合的アイデンティティに訴えてみた
5.法人格以外の利益もたくさん示してみた
6.相手の関心に合わせてリフレーミングを繰り返してみた
7.相手のリーダーとしての役割価値に訴えてみた
8.対立相手との調整で目標も修正してみた
第21章 調整で対立者を協力者に変え、立法を実現する
1.棲み分けることで対立を減らす
2.相手の意図を代替していくことで対立をなくす
3.敵対関係も協力には有効となる
4.じゃんけんフレームワークで協力者を増やす
5.第三項を利用して競合を協力に変える
6.フリーライダーも役に立ってもらう
第22章 寄付税制実現のため舞台を増やし協力者を拡げる
1.まずは物語を作り直すことから再スタート
2.政府の時間に合わせてスケジュールを見える化する
3.どんどん舞台を増やして協力者を拡大する
4.場面を見える化することで協調行動を生み出す
5.貢献が見える場を作ってヒーローを増やす
6.観客が増えることも盛り上がるポイント
第23章 組織マネジメントと関係者マネジメントを使う
1.何度もテストしながら組織を作っていく
2.相利を活かして多舞台をマネジメントする
3. ともかくフェアネスを大切にする
4. 成果をフィードバックして相利を果たす
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Part5 協力を応用する
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第24章 地域づくりに相利を活かす
1.地域づくりの大きな問題
2.地域づくりの方法を変えよう
3.地域共生社会を相利開発で作る
4.多様な人々の「したいこと」に着目する
第25章 地域づくりプラットフォームと地域(関係者)マネジメント
1.人々の「したい」を統合するプラットフォームを作る
2.エディンバラ・フェスティバルに見る相利性の開発
3.DMOやTMO/BIDにおける地域マネジメント
4. 地域マネジメントの進め方
第26章 地域マネジメントに携わる時に知っておきたいこと
1.地域に変化を生みだす、制度的・非制度的アプローチ
2.「力の構造」と「意思決定メカニズム」を理解する
3. 地域で活動するなかで常に注意すること
第27章 人々がやりたいことを実現する舞台を作るNPO 3.0
1.NPOマネジメントの今日的課題
2.企業とNPOの境界が不透明に
3.NPOの存在意義は何か
4.NPOの従来の活動モデルとその限界
5.協力3.0に基づくNPO 3.0へ
第28章 企業のパーパス・マネジメントと協力
1.企業マネジメントの新しいトレンド
2.新しい企業マネジメントが求めるものは
3.パーパス・マネジメントに有益な協力のテクノロジー
4. ビジネスやプロジェクトで重要になる相利型マネジメント
第29章 ポストNPMの自治体マネジメント
1.自治体マネジメントの今日的問題
2.自治体マネジメントの考え方を見直そう
3.世界の自治体マネジメントの新しいトレンド
4.自治体でも相利型マネジメントが求められる
第30章 1人1人の幸福のための国家のマネジメント
1.変わる世界の国家マネジメント
2.新しい国家マネジメントモデルの特徴
3.日本の国家マネジメントモデルの問題
4.求められるのは相利追求のダッシュボード型マネジメント
終章 あなたが世界を変えたいと思ったら
1.世界が直面する問題と協力のテクノロジー
2.自由と集団の利益の新しい未来
3.考えや利害関係が違う人たちとの協力を大切にしよう
付表、注、あとがき、謝辞
上記内容は本書刊行時のものです。