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地域産業のイノベーションシステム 山崎 朗(著/文 | 編集) - 学芸出版社
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地域産業のイノベーションシステム (チイキサンギョウノイノベーションシステム) 集積と連携が生む都市の経済 (シュウセキトレンケイガウムトシノケイザイ)

社会一般
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発行:学芸出版社
A5判
224ページ
定価 2,500円+税
ISBN
978-4-7615-2696-2   COPY
ISBN 13
9784761526962   COPY
ISBN 10h
4-7615-2696-3   COPY
ISBN 10
4761526963   COPY
出版者記号
7615   COPY
Cコード
C0033  
0:一般 0:単行本 33:経済・財政・統計
出版社在庫情報
不明
初版年月日
2019年2月10日
書店発売日
登録日
2018年12月19日
最終更新日
2019年1月31日
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紹介

企業・行政・研究機関が連携して特定の産業を育成し地域全体の発展を目指す産業クラスター論。その実例を分析した地域経済・政策の教科書。今や地域産業の発展には技術革新だけでなく、それを取り巻くネットワークの創造性が欠かせない。神戸・福島の医療機器、九州の半導体、各地の航空宇宙産業、福岡の創造都市戦略に迫る

目次

はじめに

1章 地域経済創生の課題と戦略 山﨑 朗
1 変化への対応と変化の創造
付加価値を生み出せない日本の研究開発投資/均質化・同質化から個性・多様性へ/働き方改革の本質/衰退の取引/東京はクリエイティブシティなのか
2 日米イノベーション政策の分岐点
バイ・ドール法の成立/テクノポリスの誕生/世界のイノベーションランキングと国内大学のランキング
3 技術立国と地域イノベーション
技術立国のパラドックス/日本とアメリカは違う
4 付加価値創出に向けての戦略
新しいイノベーションの地理

2章 イノベーションシステム論──国と地域、連携のシステム 戸田順一郎
1 イノベーションシステム論の検討
シュンペーター仮説からの脱却/イノベーションシステム論の登場と発展/技術的競争力分野の国際比較
2 国際特許からみる技術的競争力とイノベーションシステム
3 医薬品産業とイノベーションシステム
日本の医薬品産業の競争力/日本の医薬品産業のイノベーションシステムの特徴/イノベーションシステムの課題①:オープンイノベーションの必要性/イノベーションシステムの課題②:RISの構築と連携の必要性

3章 産業クラスター論 山﨑 朗
1 横串型産業の時代
産業構造の高度化/製造装置の開発
2 システム思考の隆盛
部分最適と全体最適/6次産業化と産業クラスター論/農業と食品・医薬産業の新結合
3 開発における技術統合の必要性
複合化する技術/他の産業との連携
4 新結合
新結合を促進する新しい産業組織とSNS/リストラクチャリングとポジショニング/化学系企業の産業・技術越境
5 想定外の組み合わせをつくる

4章 産業クラスターの形成における地方メッセの役割 北嶋 守
1 「地方メッセ」のテンポラリークラスター機能
2 3つの「地方メッセ」の概要
メディカルクリエーションふくしま/諏訪圏工業メッセ/アジアメディカルショー
3 3つの「地方メッセ」の出展者・来場者の評価や目的
「メディカルクリエーションふくしま」の効果/「諏訪圏工業メッセ」のビジネス面以外の効果/「アジアメディカルショー」来場者の目的/同時開催される講演会・セミナー
4 知識創造からみた「地方メッセ」の可能性
知識創造のフォーカスと時間的範囲/バズとグローバルパイプライン/「地方メッセ」の強み
5 “地元力”による知識創造と知識ストック

5章 九州におけるクラウド時代のスマートシリコンクラスター 岡野秀之
1 成長する九州の半導体産業
新しい成長ステージに入った半導体産業/シリコンクラスターの誕生と発展/基盤産業としての半導体産業
2 エコシステムの構造変化
系列型垂直分業の時代/関連産業への展開と自立化の時代/特定半導体拠点化とグローバル結合の時代
3 クラスター政策の成果と課題
九州シリコンクラスター計画/クラスター政策によるインパクト/クラスター政策の課題~求められる政策の連結と継続性~
4 ポストクラスター政策の新たな動き
ポストクラスター政策のキーワード/SDGsを目指した事業形成と産業融合/デザインハウスの集積と三次元半導体の開発/有機EL材料革命とイノベーション/ミニマルファブというイノベーション
5 九州の半導体産業の可能性と今後の展望

6章 航空宇宙産業の地域戦略  山本匡毅
1 航空宇宙産業における日本のポジション
日本の航空機産業の危機/航空機部品産業の隘路と突破口/宇宙産業の新次元
2 民間航空機産業
民間航空機産業の産業組織/「航空機クラスター」の形成
3 変化への対応が迫られる日本の宇宙産業
変革期の日本の宇宙産業/ロケット発射場による地域創生
4 日本の航空宇宙産業の未来

7章 進化する神戸医療産業都市──医療産業クラスター飛躍の条件 加藤恵正
1 第2フェイズに入った神戸医療産業都市
ベンチャー支援のためのインキュベーション機能/神戸医療産業都市構想
2 震災復興と神戸医療産業都市構想
神戸医療産業都市の変遷 126/神戸医療産業都市の効果
3 第2フェイズに向かう神戸医療産業都市
クラスター進化の構図:都市イノベーション・システム構築に向けて/クラスターの新陳代謝を支えるインキュベータ施設群/クラスターの発展と立地政策 /第2フェイズに向けたクラスター政策
4 神戸医療産業都市の深化に向けて

8章 クリエイティブ地方都市福岡のモデル確立に向けて 谷川 徹
1 クリエイティブ都市への挑戦
地方中枢都市からクリエイティブ都市へ/燃える街、福岡
2 福岡市のクリエイティブ都市ポテンシャル
福岡市の利点、地政学的メリット/スタートアップ都市実現に向けた福岡市のリーダーシップ/福岡市のリーダーシップ、創業支援策の評価
3 クリエイティブ都市福岡としての特色・強み
アート、エンターテイメントの系譜/クリエイティビティの源泉としての大学/高い生活の質、暮らしやすさ
4 福岡市の課題
人材面の課題/大学との連携・活用/全方位海外戦略の是非
5 福岡市はクリエイティブ地方都市のモデルになり得るか
イノベーション地方都市に向けて/多様でオープンな地域文化づくり

9章 福島の医療機器クラスタ──造る拠点から使う・学ぶ拠点へ 石橋 毅
1 国内初の医療機器クラスター
ふくしま次世代医療産業集積プロジェクトの発足/異業種企業の医療機器への参入支援/薬事許認可支援~薬事承認はゴールではなくスタートだ~ 
2 福島医療機器クラスターの新成長戦略
産業特性の理解と適切なアプローチ/部材供給・OEM生産から自社ブランド品の製造販売へ/医療機器産業のハブ拠点へ
3 東日本大震災・原発事故後、クラスターはどうなったか
医療機器企業を呼び込む~フクシマの求心力~/グローバルニッチトップへの挑戦
4 グローバルイノベーション拠点への飛躍に向けて
福島への求心力~新たな開発拠点誕生へ~/福島医療機器クラスターの行方/国内ニッチトップクラスター形成への挑戦/「造る拠点」から「使う・学ぶ拠点」へ

10章 東九州メディカルバレー構想──「医療機器」を核とした地域間連携クラスター政策 根岸裕孝
1 東九州メディカルバレー構想の誕生
東九州に集積する医療機器産業
2 血液・血管関連医療産業と地元の大学
血液・血管関連医療産業の集積/関係大学
3 東九州メディカルバレー構想の戦略と推進体制
アジアに貢献する4つの拠点形成/東九州メディカルバレー構想の推進体制/東九州メディカルバレー構想における事業の特徴/地域企業による医療機器生産への参入支援
4 東九州メディカルバレー構想の評価と課題
大分県・宮崎県による自己評価/旧計画から新計画への移行
5 評価の2つの側面-産業政策的側面と地域政策的側面-
6 東九州メディカルバレーの未来

11章 イノベーション・エコシステムとしての都市 辻田昌弘
1 オープンイノベーションへのシフト
苦戦する日本のオープンイノベーション/オープンイノベーションの定義/日本企業の強みが弱みへ/強い同質性
2 オープンイノベーションの孵卵器としての都市
イノベーションと都市/「新結合」の発生確率/多様性がもたらす「集積の外部効果」/3つのT/負のロックイン効果
3 オープンイノベーション・エコシステムの形成
周縁部で先行するスタートアップ企業の集積/大手企業のオープンイノベーションへの取り組み
4 プラットフォーマーとしての不動産デベロッパー
不動産デベロッパーが先導するエコシステム形成/鍵は「多様性」にあり

索引
あとがき

著者プロフィール

山崎 朗  (ヤマサキ アキラ)  (著/文 | 編集

1957年生まれ。中央大学経済学部教授。1981年京都大学工学部卒業、1986年九州大学大学院経済学研究科博士課程修了。博士(経済学)。フェリス女学院大学講師、滋賀大学助教授、九州大学教授を歴任。主な著書に『日本の国土計画と地域開発』(単著)『地域創生のデザイン』(編著)、『東京飛ばしの地方創生』(共著)『地域創生のプレミアム戦略』(共編)。経済産業省の産業クラスターや文部科学省の都市エリア、知的クラスターに関する各種委員、JST地域科学技術クラスター連携群・主監などを歴任

戸田 順一郎  (トダ ジュンイチロウ)  (著/文

1974年生まれ。佐賀大学経済学部准教授。2003年九州大学大学院経済学府産業・企業システム専攻博士後期課程単位取得退学。2004年同課程修了。博士(経済学)。九州大学大学院経済学研究院学術特定研究員、九州大学ベンチャービジネスラボラトリー講師を経て、2006年より現職。主な論文に「医薬品産業における近年の環境変化と生産体制の変容」『産業学会研究年報』第30号(2015年)など。

北嶋 守  (キタジマ マモル)  (著/文

1959年生まれ。(一財)機械振興協会経済研究所次長兼調査研究部長。駒澤大学大学院人文科学研究科博士後期課程単位取得満期退学。同研究所研究員などを経て現職。駒澤大学大学院経済学研究科非常勤講師兼任。学術博士(東京大学)。主な論文に「医療機器クラスターを軸にした中小企業の新事業展開」『機械経済研究』第46号(2015年)、「医療機器クラスター形成と中小企業の製品開発」『産業学会研究年報』第32号(2017年)など

岡野 秀之  (オカノ ヒデユキ)  (著/文

1973年横浜市生まれ、北九州市戸畑区育ち。(公財)九州経済調査協会事業開発部長兼BIZCOLI館長。九州大学大学院比較社会文化研究科修了。同協会調査研究部主任研究員、総務企画部次長、調査研究部長などを経て現職。2014年~2016年版九州経済白書の総論を担当。専門は、地域経済論、産業配置論、地域政策論。主な編著書に『半導体クラスターのイノベーション~日中韓台の競争と連携』『シリコンアイランドの革新者たち』など

山本 匡毅  (ヤマモト マサキ)  (著/文

1976年生まれ。相模女子大学人間社会学部准教授。中央大学大学院経済学研究科博士後期課程修了。ひょうご震災記念21世紀研究機構、福岡アジア都市研究所、機械振興協会経済研究所、山形大学を経て現職。主な著書に「人口減少時代の地域問題」『地域政策』「中部圏における航空宇宙産業クラスターの創出」『地域創生のデザイン』(ともに共著)

加藤 恵正  (カトウ ヨシマサ)  (著/文

1952年生まれ。兵庫県立大学大学院減災復興政策研究科教授。慶應義塾大学経済学部卒業、神戸商科大学(現 兵庫県立大学)大学院博士後期課程単位取得。博士(経済学)。神戸商科大学商経学部講師・助教授、兵庫県立大学経済学部教授・政策科学研究所長を歴任。2017年4月より現職。主な著書に、「復興特区の現在とその可能性」『災害に立ち向かう人づくり』「動き始めた都心-知識創造とイノベーションの拠点へ-」『都市を動かす-地域・産業を縛る「負のロック・イン」からの脱却-』

谷川 徹  (タニガワ トオル)  (著/文

1949年生まれ。e.lab(イーラボ)代表。京都大学法学部卒業後、日本開発銀行(現日本政策投資銀行)に27年間勤務後、スタンフォード大学客員研究員を経て、2003年九州大学教授就任。産学連携組織(知的財産本部)、アントレプレナーシップ教育組織(QREC)の創設、運営を担う。同大の文部科学省EDGEプログラム総括を経て2017年九州大学を退職。同年e.lab創設、現在に至る

石橋 毅  (イシバシ ツヨシ)  (著/文

1969年生まれ。(公財)医療機器センター附属医療機器産業研究所客員研究員、福島県商工労働部医療関連産業集積推進室専門薬剤技師。明治薬科大学大学院薬学研究科修了(薬学修士)。薬剤師。1994年福島県職員採用。薬事許認可業務を経て、2006年ふくしま医療産業集積プロジェクト初代担当、現在に至る。主な著書に「第4章医療機器産業集積による福島復興」『地域創生のデザイン』(共著)

根岸 裕孝  (ネギシ ヒロタカ)  (著/文

1966年生まれ。宮崎大学地域資源創成学部教授。九州大学大学院経済学府博士後期課程単位取得退学。博士(経済学)。1992年日本立地センター研究員、2001年宮崎大学教育文化学部講師、助教授、准教授、2016年同大学地域資源創成学部へ配置換を経て2018年現職。主な著書に『戦後の産業立地政策-開発思想の変遷と政策決定のメカニズム-』『中小企業と地域づくり─社会経済構造転換のなかで─』(共に単著)

辻田 昌弘  (ツジタ マサヒロ)  (著/文

1958年生まれ。三井不動産㈱企画調査部上席主幹。一橋大学法学部卒業。慶應義塾大学修士課程修了(政策・メディア)。三井不動産㈱入社後、経団連21世紀政策研究所研究主幹、三井不動産S&E総合研究所長、東京大学公共政策大学院特任教授を経て、2018年より現職。『マーケティング革新の時代ブランド戦略』『地活な人々 こころゆたかに地域活性化』『地域創生のプレミアム戦略』(ともに共著)

上記内容は本書刊行時のものです。