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大都市自治を問う 藤井 聡(著/文 | 編集) - 学芸出版社
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大都市自治を問う (ダイトシジチヲトウ) 大阪・橋下市政の検証 (オオサカハシモトシセイノケンショウ)

社会科学
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発行:学芸出版社
A5判
224ページ
定価 2,400円+税
ISBN
978-4-7615-2610-8   COPY
ISBN 13
9784761526108   COPY
ISBN 10h
4-7615-2610-6   COPY
ISBN 10
4761526106   COPY
出版者記号
7615   COPY
Cコード
C0036  
0:一般 0:単行本 36:社会
出版社在庫情報
不明
書店発売日
登録日
2015年10月1日
最終更新日
2015年10月20日
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紹介

地方都市は、東京一極集中に対抗する自治の術をいかに持てるのか?「改革」を掲げる橋下市政、その改革至上主義による大都市大阪の変貌を丁寧に追い、顧みられなかった改革の中身、政策の実体と問題点を、教育・医療・福祉・財政・防災等、研究者たちが徹底分析。改革至上主義の限界と地方自治の展望を、総合的に検証した。

目次

はじめに
序 大都市自治の「光」と「影」
1  大都市自治に影をもたらした「大衆化」
2  「大衆化」した大都市自治の相貌
3  死に至る「専制都市」(ティラノポリス)に堕した大都市
4  「専制都市・大阪」に見る、日本の大都市自治の危機
第1部 大都市が陥る改革至上主義
第1章 「改革」全体主義の構造
1 大都市における大衆化と改革
2 大都市自治における「改革」全体主義
第2章 大阪市住民投票という「テロル」を検証する
1 子供の遊び場と化した政治
2 「住民投票」の政治決定それ自体が暴挙である
3 議会の決定を覆すという自由民主主義に対するテロル
4 橋下大阪市長の振る舞いは、論理構造上「業務上過失致死傷罪」と同義である
5 自由と理性の破壊者たちの進化にあわせた進化が求められている
第3章 都市居住者と社会的統合 ─地域住民か匿名の大衆か
1 住民投票における賛成票の分析
2 社会学者の視点から
3 2011年大阪市長選挙との比較
4 行政区の特性と投票傾向
5 賛成票の立脚点
6 地域住民としての都市居住者の重要性
第4章 大都市自治における「言論弾圧」
1 「都構想」を巡る七つの「事実」に対する直接的弾圧
2 「学習性無力感」に陥るメディアと学者・言論人
3 京都大学総長、ならびに国会を通した文部科学大臣への圧力
4 TV局に対する直接的な「言論弾圧」
5 大都市自治でのテロルを避けるために
第5章 「大阪都=大阪市廃止分割」構想の実体と論争
1 大阪都(大阪市廃止分割)構想の多面性
2 世界の大都市制度と比べても非常識な都構想
3 「大阪都」の議論と評価 ─大阪を集権化し、不便にし、衰退させる
4 政治過程 ─橋下市政は「大阪市廃止」の説明責任を避けたが、住民投票で否決
5 展望 ─「大阪都」構想への有効な対応
第6章 維新の党 ─右派ポピュリズムはリベラルを超えるか
1 維新の党、橋下氏の政治とは何か
2 政党システムへの大きな影響 ─右傾化への貢献
第2部 橋下市政は大阪をどう変えたか
第7章 教育再建に向けて ─ 7年余の破壊から立ち上がる人々を支えたい
1 ターゲットにされた「教育改革」
2 高校入試に「学力テスト」を利用する問題
3 首長の政治主導による教育委員会統治の危うさ
4 教職員のモチベーションの低下と現実課題の深刻化
第8章 医療・福祉の全般的削減
1 住吉市民病院廃止案で示された公立病院の重要性
2 規制緩和と民営化を進める大阪市の保育施策
3 地域の意向を踏まえず縮小・再編を強行した地域活動・地域福祉
4 維新政治の医療・福祉施策
5 維新の横暴を市民の力で止める
第9章 公務員と労組への攻撃
1 労働基本権無視と労働組合敵視
2 強制アンケートの実施
3 便宜供与打ち切り
4 政治的行為制限条例の制定
第10章 財政 ─市政改革プランと財政効果の実際
1 大阪市財政と『市政改革プラン』
2 予算編成
3 大阪都構想の財政的意味の消失
4 大阪市の財政改革への影響
第11章 産業政策における「改革」の実態
1 橋下市政下での「改革」
2 信用保証協会の廃止・統合
3 経済局の再編
4 「改革」の教訓
第12章 溶解する都市計画
1 都市計画に求められる時間的連続性と空間的連続性
2 無くなった「大阪市のマスタープラン」
3 「大阪市解体」を先取りした都市計画
4 時間的・空間的な連続性が欠落している「グランドデザイン大阪」
5 まちづくりの基本単位「自治会」との連携の劣化
6 広域行政連携の劣化
7 「改革」全体主義が都市計画を破壊する
第13章 防災─南海トラフ地震・津波への備えを急げ
1 災害に脆い大阪平野と隣接丘陵・山地
2 大阪における巨大災害の歴史
3 防災・減災行政上の課題と大阪府政・市政トップの怠慢
第3部 大都市自治の未来
第14章 大都市自治の「改革」全体主義に対抗する三つの処方箋─自由、マネジメント、そしてプロジェクト
1 すぐに忘れる大衆
2 「嘘」で自滅する大衆
3 第一の処方箋:自由な言論活動の展開
4 第二の処方箋:改革から改善(マネジメント)へ
5 第三の処方箋:制度論からプロジェクト論へ
6 全体主義の超克
第15章 大阪市における都市内自治
1 大阪市における住民自治の問題
2 大阪都構想における住民自治の考え方
3 大阪市における総合区をめぐる議論
4 都市内自治の先進事例
5 粘り強い取り組みを
第16章 脱東京の都市政策に向けて─大阪の魅力と展望
1 統計で見る大阪の地位と、地位低下の原因
2 大阪が目指すべき都市のランクは?
3 東京の模倣ではない、質を重視した成長戦略
おわりに

著者プロフィール

藤井 聡  (フジイ サトシ)  (著/文 | 編集

京都大学大学院工学研究科教授(都市社会工学)、京都大学レジリエンス研究ユニット長、ならびに第二次安倍内閣内閣官房参与(防災・減災ニューディール担当)。1968年生まれ。京都大学卒業後、スウェーデンイエテボリ大学客員研究員、京都大学助教授、東京工業大学教授等を経て現職。専門は都市計画、国土計画、経済政策等の公共政策論および実践的人文社会科学研究。
著書に『大衆社会の処方箋─実学としての社会哲学』(北樹出版社)、『巨大地震Xデー─南海トラフ地震、首都直下地震に打ち克つ45の国家プログラム』(光文社)、『大阪都構想が日本を破壊する』(文春新書)等多数。

村上 弘  (ムラカミ ヒロシ)  (著/文 | 編集

立命館大学法学部教授(行政学・政治学・地方自治論)。1954年生まれ。京都大学大学院法学研究科修了、法学博士。コンスタンツ大学、ケルン大学で研究。
著書に『日本の地方自治と都市政策─ドイツ、スイスとの比較』『日本政治ガイドブック─改革と民主主義を考える』(以上、法律文化社)、共編書に『京都市政─公共経営と政策研究』(法律文化社)、『よくわかる行政学』(ミネルヴァ書房)等。論文に「公共性について」「道州制と代替案」「強くない日本の市民社会」「民主党 ─ 2012年衆議院選挙と2大政党制」等。

森 裕之  (モリ ヒロユキ)  (著/文 | 編集

立命館大学政策科学部教授。1967年生まれ。大阪市立大学卒業、同経営学研究科後期博士課程中退後、高知大学助手・専任講師、大阪教育大学専任講師・助教授、立命館大学助教授等を経て現職。専門は地方財政論、地方自治論、公共政策論。
著書に『公共事業改革論─長野県モデルの検証』(有斐閣)等。

小野田 正利  (オノダ マサトシ)  (著/文

大阪大学大学院人間科学研究科教授(教育制度学)。1955年生まれ。名古屋大学法学部卒業、同大学院教育学研究科博士課程単位取得退学、教育学博士。長崎大学教育学部助教授を経て現職。学校と保護者のトラブルと関係づくりの研究に没頭。毎年度の『教育小六法』(学陽書房)の編集委員。
著書に『悲鳴をあげる学校』(旬報社)、『それでも親はモンスターじゃない』(学事出版)、『先生の叫び 学校の悲鳴』(エイデル研究所)等多数。

河田 惠昭  (カワタ ヨシアキ)  (著/文

関西大学社会安全研究センター長・教授、阪神・淡路大震災記念 人と防災未来センター長、京都大学名誉教授。中央防災会議防災対策実行会議委員。1946年生まれ。京都大学工学研究科博士課程修了。工学博士。京都大学教授、巨大災害研究センター長、防災研所長を経て現職。日本自然災害学会会長及び日本災害情報学会会長を歴任。国連SASAKAWA防災賞(本邦初受賞)、防災功労者内閣総理大臣表彰等受賞。
著書に『津波災害─減災社会を築く』(岩波新書)、『(絵本)にげましょう─災害でいのちをなくさないために』(共同通信社)等多数。

北本 修二  (キタモト シュウジ)  (著/文

弁護士。大阪市労連弁護団事務局長。1948年生まれ。京都大学法学部卒業。1976年弁護士登録。大阪労働者弁護団事務局長、同代表幹事、連合大阪法曹団代表幹事等歴任。地方公務員に関する労働事件・行政事件に多数関与。

中山 徹  (ナカヤマ トオル)  (著/文

奈良女子大学生活環境学部教授、大阪自治体問題研究所理事長。1959年生まれ。京都大学大学院博士課程修了。工学博士。専門は都市計画学、自治体政策学。
著書に『人口減少時代のまちづくり─ 21世紀=縮小型都市計画のすすめ』(自治体研究社)、『よくわかる子ども・子育て新システム』(かもがわ出版)、『地域社会と経済の再生─自治体の役割と課題』(新日本出版社)、『公共事業改革の基本方向』(新日本出版社)等。

本多 哲夫  (ホンダ テツオ)  (著/文

大阪市立大学商学部教授。1971年生まれ。大阪市立大学大学院経済学研究科後期博士課程単位取得退学。博士(商学)。大阪府立産業開発研究所研究員を経て、現職。専門は地域経営論、中小企業論。
著書に『大都市自治体と中小企業政策』(同友館、単著)、『地域産業政策の実際』(同友館、共編著)、『中小企業・ベンチャー企業論[新版]』(有斐閣、共著)等。

薬師院 仁志  (ヤクシイン ヒトシ)  (著/文

帝塚山学院大学教授(社会学)。1961年生まれ。京都大学大学院教育学研究科博士後期課程中退(教育社会学)。京都大学教育学部助手を経て現職。主な専攻分野は、社会学理論、現代社会論、民主主義研究。
著書に『禁断の思考:社会学という非常識な世界』(八千代出版)、『民主主義という錯覚』(PHP研究所)、『社会主義の誤解を解く』『日本語の宿命』『日本とフランス 二つの民主主義』(以上、光文社新書)等。

上記内容は本書刊行時のものです。