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社会性発達支援のユニバーサルデザイン
- 書店発売日
- 2013年3月25日
- 登録日
- 2015年8月13日
- 最終更新日
- 2015年8月13日
紹介
おもに家庭・保育・地域・学校教育の視点から、乳幼児期から青年期の社会性発達の課題や支援について、理論と実践をまじえて考察し、困難な状況にある子どもたちを理解し、支援する手がかりを示す。
目次
序 章 社会性・人間関係の発達と支援とは何か ?
1.社会性とは何か ? ─適応スキル論を超えて
2.社会性の生涯発達─時間と生活の広がりの中で共に在ることの志向
3.未来の子どもたちの社会性
4.これからの新たな社会性の支援とは?
第Ⅰ部
乳幼児期 共に在ることを楽しむ
Introduction
第1章 共同行為の始まり─初期社会的認知発達と課題
1.共に在ることの始まり─協同活動の発達
2.生活の中での協同活動
─自立への過程としての協同活動と,協同活動自体の高次化
3.初期社会性の障害
4.初期社会性の発達支援
─自閉症児に対する「ボール運びゲーム」による協同活動・情動の共有の発達支援
5.おわりに
第2章 家庭での人間関係・社会性発達の課題と支援⑴
─ペアレンティングの理論と実際
1.日本の子育て支援の状況
2.養育者のコペアレンティング
3.ペアレンティングはどのように子どもの人間関係・社会性に影響を及ぼすのか
4.集団場面における子どもの人間関係と社会性の検討
第3章 家庭での人間関係・社会性発達の課題と支援⑵
─虐待予防の観点から
1.はじめに
2.日本における虐待の現状
3.虐待が起こる要因と背景
4.現代日本の家庭における子育ての日常と育児不安・虐待不安
5.虐待予防とは
6.虐待予防を目指す子育て支援の基本的考え方と実際
7.家庭や社会における人間関係を育てる子育て支援・虐待予防
第4章 家庭での人間関係・社会性発達の課題と支援⑶
─自閉症児に対する家庭基盤の支援
1.自閉症児に対する家庭基盤の支援における基本的な考え方
2.自閉症児に対する家庭基盤の支援の実際
3.まとめと今後の課題
第5章 保育の中での人間関係・社会性発達の課題と支援⑴
─協同活動,目的の共有,イメージの共有,集団の適応
1.保育という環境における人間関係
2.社会性の発達─集団活動の共有
3.保育所や幼稚園における子どもの理解と支援
─集団活動を活かした支援と小学校への接続
4.保育の中における社会性の発達とはなにか
第6章 保育の中での人間関係・社会性発達の課題と支援⑵
─保・幼・小学校連携・移行支援
1.なぜ移行支援が必要か
2.特別な配慮を必要とする児童の移行支援
3.移行支援のユニバーサル化
第7章 子どもの生きるフィールドから見えてくること
─外部リソース活用 out-reach 職種間の協働(学校・保育)
1.“本格的”な研究者がフィールドやコミュニティに「在る」ことの難しさ
2.チームの一員になるための活動
3.組織としてはたらくための活動
4.ネットワークを築くための活動
5.研究者の関与のスタンスと役割・機能
第Ⅱ部
学童期 子どもたちのコスモス
Introduction
第8章 自由と規律:学校文化の中での社会性発達の課題と支援⑴
─小学生の社会性の発達支援の課題
はじめに
1.幼児期から児童期への「社会性発達」
2.児童期における「社会性発達」の課題
3.学童保育と「社会性発達」
4.社会技能の習得と社会認識・権利意識の発達
第9章 自由と規律:学校文化の中での社会性発達の課題と支援⑵
─ SST による社会性支援
1.いま学校で何が起こっているか?
2.学校での社会性発達支援の今日的ニーズ
3.学校生活に必要な社会性とは
4.学校で行われる社会性発達支援の例
5.発達障害のある児童生徒の学校社会における課題
6.〈潜在的カリキュラム=暗黙のルール〉は教えられるか?
7.学校での社会性発達支援の課題
第 10 章 自由と規律:学校文化の中での社会性発達の課題と支援⑶
─発達障害児への教室での適応行動の支援
1.発達障害児と社会的行動
2.得意な回路を用いる行動支援バイパスモデル
3.社会的行動と行動支援バイパスモデルの活用
第 11 章 自由と規律:学校文化の中での社会性発達の課題と支援⑷
─小学校のインクルーシブな人間関係がもたらす包括的支援
1.通常学級と社会性
2.学級内で行われる社会性発達の支援の実際
3.学級だからこそできる社会性への包括的支援の可能性
第 12 章 特別支援学校での初期社会的認知発達の支援
─「構造化」を超えて
1.自閉症児の社会性を育むために
2.自閉症児の社会性発達を支援するには
3.自閉症児への体制化支援
第 13 章 特別支援学級での社会性の支援
─支援の豊かさと多様性
1.特別支援学級と社会性
2.たくさんの子どもたちとの生活の中から
3.関係の「広さ」と社会性の伸長
第 14 章 「グローバル」と「地域」のはざまの子どもたち
1.「子どもの放課後等」の議論の変遷
2.現場の状況とその課題
3.望ましい方向性。そのために今必要なこと
第 15 章 学童期の放課後の人間関係とその支援
1.学童保育とは何か
2.発達支援の場としての学童保育の役割
3.巡回相談事例から見る障害のある子どもに対する発達支援
第 16 章 社会性を支える教師集団の社会化
─学校コンサルテーションを通じた協働性の開発
1.学校コンサルテーションと教育現場の協働性の開発
2.教師集団の協働性の開発を重視したカンファレンス
3.学校文化への協働の定着と般化
第Ⅲ部
思春期・青年期・成人期 繋がりの世界へ
Introduction
第 17 章 思春期の人間関係と学業
─「授業」に着目した学校コンサルテーションの実践
1.はじめに―社会性発達の観点から見た 「授業」 の意味
2.授業を巡る社会性と対人関係の困難の様相
3.教育現場での社会性発達支援の実践─毎日の授業場面に着目して
4.求められる社会性発達支援の視座
─授業に着目した学校コンサルテーションの展開
5.学校コンサルテーションにおける社会性発達支援の「観点と枠組」
6.おわりに 「授業」という窓から見た社会性発達支援の展望
第 18 章 思春期の問題行動への発達的アプローチ
1.荒れる学校・学級の問題行動をしない生徒がもつ問題
2.学校・学級の荒れと指導のダブルスタンダード化
3.学校・学級が荒れつづける仕組み
4.思春期の問題の理解と対応
5.関係の中の個人を捉える
第 19 章 青年期の「居場所」支援
1.「居場所」支援の社会的背景─人間形成にかかわる時空間の変容
2.子ども・若者にとっての「居場所」の意味と居場所支援の課題
3.居場所型青少年施設の登場と今後の展望─参加と共生の場の創出へ
第 20 章 特別支援学校における就労支援
1.特別支援学校の就労支援
2.就労支援の実際
3.青年期の発達課題と支援
第 21 章 青年期・成人期の人間関係・社会性の発達の課題と支援
1.青年期・成人期とは
2.青年期・成人期における自己との新たな出会い
3.人間関係の再構築に向けて
第 22 章 青年期の就労問題
─ニート支援機関の実践から
1.本章の目的
2.地域若者サポートステーションの支援内容と利用者の特徴
3.よこはま若者サポートステーションの支援内容と利用者の特徴
4.発達障害者の就労支援
第 23 章 働くこと,暮らすこと
─労働と地域の中での社会性支援
1.成人発達障害者にかかわる問題と生活支援
2.発達障害者の就労支援─就労プロセスの困難さ
終 章 社会性発達支援のユニバーサルデザインのあるべき姿とその課題
1.生涯発達としての社会性発達支援
2.障害を超えた社会性発達支援のユニバーサルデザイン
3.社会性発達支援のユニバーサルデザインを目指して
索 引
資料1
日本発達心理学会「発達障害」分科会発足にあたって
資料2
日本発達心理学会「発達障害」分科会・サマーワークショップ・テーマ一覧
(1994 年─ 2012 年)と発達支援に関連する動き
執筆者一覧
編者紹介
上記内容は本書刊行時のものです。