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くだらないものがわたしたちを救ってくれる
- 書店発売日
- 2022年7月12日
- 登録日
- 2022年6月13日
- 最終更新日
- 2022年6月13日
書評掲載情報
2022-10-08 | 日本経済新聞 朝刊 |
2022-09-10 |
朝日新聞
朝刊 評者: 石原安野(千葉大学教授・粒子天文学) |
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紹介
科学の営みを支える皆様へ。
苦しみも楽しみも、ぜんぶ書きました。
ああ、今日も推し(線虫)が尊い。
■あらすじ
前世で何の罪を犯したせいかは知らないが、科学者になるのが夢だった。そんなわたしは現在、くだらないもの扱いされがちな「かわいいチビっ子線虫」を研究している。長時間労働、低賃金、就職難にあえぎながら、他人の論文に打ちのめされたり励まされたり、潤沢な資金に支えられた欧米の環境をうらやましく思ったりと、正直つらいことも多い。それでもやめないのはなぜか? 楽しいからだ。だから本書では、科学する日常とともに楽しさも伝えたい。(研究にお金が必要なことを知ってもらうためにも!)いざ、顕微鏡の中の小さな宇宙へ。
■人気SF作家も推薦!
本書を読むと、科学にどっぷり浸かって太古の生命の起源に想像をめぐらせていた幼い日々を思い出す。疾病と老化を克服するのも重要だが、私はキム・ジュンのように人間の知の世界を少しずつ広げていく科学者の話をもっと読んでみたい。くだらないものたちをのぞき込みながら、「こんなものがどうして重要なの?」と尋ねる人たちに、夜を徹して線虫の話を語り聞かせる科学者たちの話を。本書はまさにそんな話が詰まっている。実験室の混乱と活気にあふれた日常と、研究の楽しみと苦しみが生き生きと描かれ、何より科学に対する愛情がページごとに満ちあふれている。
――キム・チョヨプ氏(『わたしたちが光の速さで進めないなら』著者)
目次
プロローグ 科学という旅
1 こんなにも美しく、くだらないものたち
何の因果で科学者に
わが愛、「かわいいチビっ子線虫」
くだらないものを研究しています
こうして大腸菌は線虫になる
生物が微生物に対抗する姿勢
おもしろい論文の喜びと悲しみ
もっと多くの練習問題が必要な理由
2 科学する心
あのとき知っていたらよかったこと
小さく温かかったハツカネズミについて
つねに新しい視点が必要だ
みんなで生物オタクになろう
小さく、透明で、ありがたい仲間たち
まだ誰も行ったことのない地平の向こうへ
3 わが愛しき突然変異
すべての生命の科学
もっと多くの突然変異を
「誤字」が世界を変える
地球上に住む5垓匹
壊れた染色体をつなげる努力
すべての生き物には戦略がある
4 科学研究の喜びと悲しみ
進化研究の地平
研究労働者と2人の奴隷
科学者はどうやって食っていくのか
研究室での日常
わたしたちが望む社会
エピローグ 科学者として生き残ること
感謝のことば
日本の読者の皆さんへ
上記内容は本書刊行時のものです。