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出版者情報
地球の変動はどこまで宇宙で解明できるか
巻次:(DOJIN文庫:11)
太陽活動から読み解く地球の過去・現在・未来
- 初版年月日
- 2022年11月25日
- 書店発売日
- 2022年12月5日
- 登録日
- 2022年10月25日
- 最終更新日
- 2022年11月24日
紹介
太陽活動が活発になったり,低調になったりすると,地球の環境にはどのような影響が及ぶのか.屋久杉の年輪や南極の氷などから太陽活動を復元すると,過去の地球環境についてどんなことがわかるのか.地球と宇宙のつながりという観点から,地球46億年の変動の歴史に迫る「宇宙気候学」.その最前線を丁寧に解説し,大いなる可能性を語る.第31回講談社科学出版賞を受賞した話題作が文庫版で登場!
目次
第1章 変化する太陽
一 太陽とはどのような星か
恒星の進化
太陽がつくり出すエネルギー
惑星を温める太陽のエネルギー
磁場を持つ太陽
二 黒点とは
太陽の自転と黒点の生成
太陽活動の長期的な変化の謎
三 マウンダー極小期の謎
マウンダー極小期の発見
小氷期の謎
太陽の光量の変動
月に残された太陽光の変化
四 ダイナミックに変化する太陽と宇宙天気
宇宙の天気とは
オーロラはなぜ発生するのか
宇宙天気災害
太陽フレアと放射線被ばく
磁場が引き起こすトラブル
通信機器への影響
宇宙天気災害と地磁気のかたち
太陽フレアの規模と宇宙天気災害の規模の関係性
第2章 太陽の真の姿を追う
一 太陽活動史を復元する方法
樹木に記録される太陽の活動
太陽活動の指標となる炭素14
屋久島に残された太陽活動の記録
太陽の記録を残す南極の氷―― ベリリウム10
二 宇宙線の変動は何を映し出すか
地球を包み込む太陽風のシールド
太陽圏磁場のスパイラル構造
太陽圏はどのように宇宙線を遮るか
宇宙線量の11年周期変動
太陽磁場の反転の影響による宇宙線の22年周期変動
太陽圏の構造と宇宙線量
三 復元された太陽活動
過去に何度も起こっていた無黒点期
樹木に残された太陽の“心音”
正確な太陽活動の復元をめざして
四 太陽活動を駆動するのは
第3章 太陽活動と気候変動の関係性
一 過去の気候を調べる方法
年輪から探る過去の気候
樹木の年輪以外を使って気候を調べる方法
試料の年代決定
二 ミランコビッチ・サイクル
天文学的な要素による太陽の地球への影響
氷期と間氷期の10万年周期
三 ボンド・イベント
1000年スケールの気候変動と太陽活動
氷期における太陽活動と気候変動
四 小氷期が社会に与えるインパクト
小氷期の発生と太陽活動
社会に与えた影響
第4章 宇宙はどのようにして地球に影響するのか
一 宇宙線の影響を見分けるには
太陽活動が気候に影響するいくつかの経路
地磁気の変動を利用して宇宙線影響を探る
宇宙線だけに特徴的な22年周期変動を手がかりにする
太陽圏環境に左右される気候
二 宇宙線と雲
宇宙線が影響するプロセス
宇宙線の影響を受容しやすいホットスポットはどこか
宇宙線のもうひとつの効果
第5章 変わるハビタブルゾーン
一 地球史の謎は解けるか?
宇宙線源の密集域への接近
地球史上の大イベント
地磁気変動との相乗効果
恐竜が滅んだのは?
数億年スケールの地球史を記録する地層
生命誕生と宇宙線
二 暗い太陽のパラドックス
暗い太陽のもとで生命は誕生した
パラドックスは解けるか
変わるハビタブルゾーン
三 地球型惑星を探せ!
地球型惑星の探査方法
住み心地のよい環境かどうかの観測
第6章 未来の太陽と地球
一 太陽はマウンダー極小期を迎えるのか
突然訪れた太陽活動の異常
マウンダー極小期が再来するかどうかのカギ
地球への影響
二 天気予報は変わるか
宇宙天気と天気
太陽フレアと宇宙線のフォーブッシュ減少
天気予報につながるか?
得られ始めた太陽フレア予報への手がかり
上記内容は本書刊行時のものです。