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交響曲第6番「炭素物語」 ロバート・M・ヘイゼン(著/文) - 化学同人
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交響曲第6番「炭素物語」 万物の進化を突き動かす元素(仮)

発行:化学同人
四六判
320ページ
定価 2,600円+税
ISBN
9784759820324
Cコード
C1040
教養 単行本 自然科学総記
出版社在庫情報
不明
初版年月日
2020年4月28日
発売予定日
登録日
2020年1月21日
最終更新日
2020年2月21日
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紹介

★うるわしい働き者――炭素の楽しい物語
 本書の紙から体内の血液まで,ほぼ万物が炭素の原子を含んでいる.おくるみもお棺もそうだから,私たちは炭素に包まれて生まれ,人生を過ごし,そして死ぬ.生物とは,炭素質の惑星が生んだ精妙な作品だといえよう.それほどに大事な炭素も,原子どうしの結合がほんの少し狂うだけで健康や命に障りかねない.
炭素は暮らしを支えるばかりか,地球の誕生・進化と未来,人類の行く末など,根源の問いにもからむ.詩心たっぷりな語り部といってよい地球科学者ロバート・M・ヘイゼンが本書で,宇宙の成り立ちと過去・現在・未来に深くかかわる炭素の意外な素顔を浮き彫りにする.
 人体の炭素分は,カール・セーガンが見抜いた「星屑」にとどまらない.本書『交響曲第6番・炭素物語』の序奏で説かれるとおり,恒星の誕生をはるかにさかのぼる一三八億年前,ビッグバン直後の十数分間にも,激しくぶつかり合う陽子と中性子が炭素の原子を生んでいた.その一部はいま,むろん読者の体内にもある.序奏に続く四つの楽章が,聴衆の心を引きこみながら,アリストテレスの四元素「土」「空気」「火」「水」にからめた炭素の美しい物語をつむいでいく.
 著者はナポリ近郊の名高いソルファタラ・ディ・ポッツォリ火口を訪れ,炭素質の火山ガスが生むきれいな鉱物を見つめた.スコットランド高地の崖を登って炭素鉱物を探したこともある.ナミビアの貴金属鉱山だけで見つかる鉱物を手がかりに,未知の炭素化合物あれこれがひそむ地球深部に想いをはせる.
 ときには立ち止まって,気候変動と炭素の関係を考えたりする.炭素がなければ暮らしも産業も成り立たないわけだから,そう単純な話でもない.
本書は,ダイヤモンドの輝きをもつ散文を音符として,炭素というかけがえのない元素を讃える大交響曲だといえよう.

目次

プロローグ/黙 想
第1楽章「土」――深部の炭素
序 奏――地球誕生の前
ビッグバンで生まれた炭素の原子/星の元素を知る一歩/ハーバードの恒星分類/星が生む炭素/燃えるヘリウム/散らばる炭素
提示部――地球の誕生と進化
原初のダイヤ/地球の多彩な炭素鉱物/地球史と炭酸塩鉱物/ジェームズ・ホールと石灰岩論争/
希少きわまりない鉱物/ビッグデータ鉱物学/第二のデータベース/鉱物生態学/炭素鉱物チャレンジ
展開部――深部の炭素
深部炭素の鉱物学/ 高圧下のX線実験/さらに高圧へ/深部のダイヤ/巨大ダイヤができた場所/ダイヤモンドが語る地球史/中心核の炭素分/最深部の謎
再現部――炭素の世界
地球だけの鉱物相/地球型の惑星
終結部――なお残る謎

第2楽章「空気」――旅する炭素
序 奏――大気ができる前
短い独唱――大気の起源
炭素のシャワー/大気の消滅と再生/再生後の地球大気/証拠① 弱い太陽/証拠② 地球化学/
証拠③ 落ちた隕石/下りるもの/下りた炭素の運命/深部の水/深部水のモデル/深部のメタン/同位体を見分けるレーザー法/地表へと戻るもの/ 火山の炭素/地殻とマントル/ 炭素の観測と噴火予知/炭素のバランス
短い独唱――大気の変化
心配なこと/   温暖化の悪影響?/ 温暖化対策?
終結部――既知・未知・不可知

第3楽章「火」――暮らしの炭素
序 奏――材料の世界
電子の数というルール/燃える炭素/広大な炭素の世界
スケルツォ――役に立つもの
原油の分離/冷やす材料/くっつく材料/滑る材料
三重奏――ナノ材料
新しい材料/中空の材料/賢い材料
スケルツォ再奏――炭素と暮らしの物語
重合と暮らし/絹の手触り/発泡材/命にかかわる重合ミス/解重合と暮らし/壊れる高分子/歯ごたえ/紙の劣化/
終結部――炭素と音楽

第4楽章「水」――命の炭素
序 奏――原始の地球
提示部――生命の起源
生命誕生の「5W」/誰が、なぜ?/ いつ?/どこで?/できたのは何? /生命の誕生 : 炭素の化学/なぜ炭素が生命をつくる?/炭素のチカラ/生命に至る道筋/段階① 生体分子の誕生/
生命のゆりかご : 深海の熱水噴出孔?/段階② 選別と濃縮/鉱物と生命の起源/情報分子/段階③ 自己複製系の出現/もうひとつの創世記 : 地球外生命?/ 豊かなる地球型惑星/
展開部――生命の進化(主題と変奏)
主題 : 進化する生命/変奏① : 鉱物を食べる微生物/意外に多い深部の生命/変奏② : 光合成生物の出現/悪臭の世界/手ごわい水/変奏③ : 多細胞生物の出現/協力体制/妙な姿の生物たち/変奏④ : 鉱物で武装する生物の出現/変奏⑤ : 生物の上陸/埋もれたバイオマス/変奏⑥ : ヒトの登場/炭素の時計/歴史を語る炭素
再現部――人間と炭素循環
生物の死と炭素
フィナーレ――「土」「空気」「火」「水」の協奏

上記内容は本書刊行時のものです。