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出版者情報
依存症の科学
いちばん身近なこころの病
- 書店発売日
- 2016年1月18日
- 登録日
- 2015年12月4日
- 最終更新日
- 2016年1月8日
紹介
アルコール,ギャンブルからドラッグやIT機器・スマホ依存まで,日本人の依存症者人口は2000万人ともいわれます.心療内科医の著者が,社会・心理的要因から薬物ごとの特質,脳科学に基づく知見,認知療法等の最新の治療法まで,わかりやすく解説.アルコール・薬物・ギャンブル依存症の診断基準付.
目次
第1章 精神医学と依存症
1 依存症の定義
2 軽いレベルも依存症とされる診断基準
アルコール使用障害の診断基準
3 依存症の怖さ――進行性で多くの精神障害が合併する
4 意志が壊される病気
5 行為の依存への対応はまだまだ
第2章 依存症社会の日本
1 依存症が蔓延しやすい国
2 パチンコ以上に依存性の高いスマホの恐怖
3 依存症に「依存」する経済
4 マスコミが依存症産業に逆らえず、依存症患者が拡大していく日本の実情
第3章 依存症の人が生きづらい日本
1 依存症を病気と見なさない国
2 依存症を「自己責任」として報じたがるマスメディア
3 せっかく「やめた」人を依存症に引き戻す
4 依存症が意志の問題で病気と思われていないから治療につながらない
第4章 依存症のケースリポート
1 ケース1――ドラッグとギャンブル(パチンコ)の依存症に苦しむ女性
幼少期から思春期までの父親との確執/高校卒業後、家を出て結婚・出産そして離婚/ドラッグへの誘いと依存症へ/ドラッグをやめて両親と和解/ドラッグ依存からパチンコ依存へ/いまでも思い出すドラッグの高揚感、続く治療
2 行為の依存――ギャンブル依存症の解説
3 依存症の人が年をとるとどうなるの?
ケース2――アルコール依存の男性Aさん(70代)/ケース3――パチンコ依存の男性Bさん(60代)
4 やはりAAは有効
ケース4――アルコール依存症の青年Cさん
5 入院治療で断薬に成功
ケース5――睡眠薬依存の女性Dさん
第5章 依存性薬物
1 大麻(マリファナ)
2 危険ドラッグ
3 医療用マリファナ(大麻)の問題
4 覚せい剤
5 ADHDの話題 ――スマートドラッグ
6 コカイン
7 精神刺激薬(覚せい剤とコカイン)の治療
8 オピオイド
9 ニコチンが、麻薬への道をつけるという仮説
第6章 脳科学からみる依存症
1 依存症の評価区分
2 薬物依存の形成――学習と条件づけについて
3 共存する精神疾患
4 薬物依存の診断
治療は困難
5 依存症のトリガー――誘因特性と認知願望
フィネアス・ゲージの研究に見る、前頭前皮質腹内側部と誘因特性の優先/自己コントロール力を治療に生かす
6 依存症をもたらす脳機能の異常
オプトジェネティクスの研究進展/オプトジェネティクスの先にあるもの
第7章 依存症の治療法
1 依存症の薬物療法
抗酒薬/飲酒欲求抑制剤/禁煙補助薬/神経伝達物質を増やす薬や抑える薬
2 依存症の認知行動療法
3 マインドフルネス認知療法
4 メンタル・コントラスティングについて
5 そのほかの心理社会的介入
動機づけ面接法/コーピングスキルトレーニング
6 喫煙をやめるには――金銭的インセンティブは統計的に有意
7 入院での集団治療プログラム
8 AAと自助グループの有効性
9 自助グループはなぜ有効なのか
依存に陥らないために――レジリエンスマインドの鍛錬
参考文献
索引
上記内容は本書刊行時のものです。