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知っていますか?戸籍と差別一問一答 佐藤 文明(著) - 解放出版社
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知っていますか?戸籍と差別一問一答 (シッテイマスカコセキトサベツイチモンイットウ)

社会一般
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発行:解放出版社
A5判
縦210mm 横149mm 厚さ9mm
重さ 220g
125ページ
並製
定価 1,200円+税
ISBN
978-4-7592-8276-4   COPY
ISBN 13
9784759282764   COPY
ISBN 10h
4-7592-8276-9   COPY
ISBN 10
4759282769   COPY
出版者記号
7592   COPY
Cコード
C0036  
0:一般 0:単行本 36:社会
出版社在庫情報
在庫あり
初版年月日
2010年11月
書店発売日
登録日
2010年10月18日
最終更新日
2010年11月5日
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紹介

日本特有の戸籍制度は、女性、婚外子、外国人、被差別部落出身者などへのさまざまな差別をつくりだしてきた。戸籍の歴史・仕組み、差別の実態、個人情報保護の国際的視点からみた問題点などをイラストを交えわかりやすく解説。

目次

問1 住所と本籍の違いってなんですか?
問2 日本特有といわれる戸籍ってなんですか?
 コラム 「バツいち」の語源
問3 過去の戸籍情報の追跡にはどんな問題があるのですか?
問4 外国人は登録されないってホントですか?
問5 結婚って届けないと無効なのですか?
 コラム 分籍とは
問6 「婚外子差別」ってどんな差別のことですか?
 コラム 「続柄」はでっち上げ?
問7 戸籍がつくる差別にはどんなものがあるのですか?
 コラム 戸籍の性別変更
問8 どうして戸籍は公開を原則にしてきたのですか?
問9 戸籍調べや身元調査は、だれが、なんのためにするの?
問10 結婚差別ってどんなことですか?
問11 就職差別ってどんなことですか?
 コラム アイビーリック事件
問12 『部落地名総鑑』事件ってなんですか?
問13 住民票にはどんな問題があるのですか?
問14 どうして戸籍の不正取得がなくならないのですか?
問15 二〇〇八年の戸籍法改正で、戸籍は非公開になったのですか?
問16 個人情報保護の国際基準ってどんなものですか?
問17 日本の個人情報保護法が遅れているのはどうしてなの?
問18 個人情報が国際化しているってどういうことですか?
問19 戸籍にかかわる民法改正について教えてください
 コラム 宗教観の押しつけは許されません
問20 韓国が戸籍を廃止したってホントですか?
問21 戸籍をなくすためにはどうすればよいでしょうか?
 コラム ひとりでもできること
問22 独身証明書ってどんなものですか?
問23 事前通知制度ってなんですか?
さらにくわしく知りたい方のために

前書きなど

 筆者が初めて戸籍に出合ったのは1969年のことです。東京都の職員となって総務局総務部総務課に配属された私は、職員の管理よりも住民と触れあえる仕事がしたい、と転属を希望。受け入れられて新宿区の戸籍係に出向したのです。
 仕事に就く前に、法務省の役人の研修を受けました。「戸籍は世界に冠たる制度。完全を期し、おろそかにしてはいけない」。この「世界に冠たる制度」という誇らしげな言葉は、その後も歴代の法務大臣の口から聞くことになります。でも、なのです。仕事を通じてわかったのは、戸籍を知る人などほとんどなく、法務大臣だって例外ではないこと。
 筆者はこれにより「戸籍が日本にしかない」ことを知り、そんなに素晴らしいものなら「なぜ外国にはないのか」不思議に思うようになりました。新宿の下層社会や花柳界や在日といった異文化社会に、戸籍は紋切り型の人生を押しつけ、差別を持ち込みます。
 新宿区役所の戸籍係はその最前線に立ち会います。紋切り型の人生とは異なる人生との出会いは、毎日が新しい発見でした。戸籍制度はダメなのです。法務省の役人が描いた常識的な人生に、営々と従うヒツジの群れ。そんな国民を素晴らしいと考える政府や国家は没落します。外国に戸籍がないのは当然のことでした。
 一九八一年、筆者はFOR BEGINNERSシリーズ『戸籍』(現代書館)を上梓しました。反響は大きく、たくさんの人たちから支持されました。なかでもありがたかったのは、戸籍をもっともよく知る地方自治体の職員からの支持でした。住民との接点に立たされた心ある自治体職員は、筆者と同じような矛盾を感じていたのです。制度がおかしい。制度を変えなければ、と。
 彼らの見えざる力添えもあってのことでしょう。出版以後、戸籍制度は筆者が願う方向につぎつぎと改正されています。『戸籍』の多くのページが書き換えられ、それでも追いつかない。新しい入門書が求められていたのです。本書はそれを目指しています。
 めまぐるしい改正ですが、歩みは遅い。小出しにすぎるのです。本書は人権の確立を願う多くの住民と、その思いに応えようとする個人情報取り扱い事業者、自治体職員や政府関係者に問題を提供しようとするものです。筆者は小出しではなく、戸籍制度の抜本的な見直しが一刻も早くなされることを期待しているのです

著者プロフィール

佐藤 文明  (サトウ ブンメイ)  (

フリーランス・ライター、戸籍研究者。
1948年、東京・日野に生まれる。1969年から3年間、自治体(東京都新宿区役所・戸籍係)に勤務。1972年から現職に。
この間、グループ社会派(ライター・グループ)に加わり、冤罪事件や管理教育などの社会問題を中心に執筆活動を行うとともに、戸籍制度、外国人登録制度などを研究。女性や子ども(1979年、私生子差別をなくす会結成)、外国人の権利(1982年、韓さんの指紋押捺拒否を支える会を結成)をめぐる運動に参加。多くの著書を発表している。
代表作はFOR BIGINNERSシリーズ『戸籍』(1981年現代書館)。最新作は『ウーマンリブがやってきた』(2010年インパクト出版会)。そのほかの著作に『〈くに〉を超えた人びと』(1997年社会評論社)、『個人情報を守るために』(2001年緑風出版)、『未完の「多摩共和国」』(2005年凱風社)。
編著としては、『ひとさし指の自由』(1984年社会評論社)、『指紋拒否者が裁いたニッポン』(1990年社会評論社)、『ストップ!個人情報ホゴ法』(2001年現代人文社)。
このほか大阪人権博物館に指紋押捺運動関係の初期資料を提供している。

上記内容は本書刊行時のものです。