書店員向け情報 HELP
出版者情報
在庫ステータス
取引情報
エッチのまわりにあるもの
保健室の社会学
- 出版社在庫情報
- 品切れ・重版未定
- 初版年月日
- 2011年3月
- 書店発売日
- 2011年3月11日
- 登録日
- 2011年2月2日
- 最終更新日
- 2019年12月3日
紹介
エッチのまわりにあるもの――
セクハラ、DV、援助交際、性感染症にポルノ、さまざまあります。
そんななかで、高校生は、なやみます。
「避妊はしっているけれど、妊娠してみたい。そしたら、それが運命の人だよね!?」「好きになったのは同性だった…それってへん?」「彼氏がずっと一緒にいたがる…。これって、熱烈恋愛? それともDV?」「男の子がレイプされることって、あるのかな。あるよね、先生。私は、どうしてあげられる?」
保健室には、いつもいろんな相談がひしめきあいます。
そんな保健室で生徒たちと一緒にこたえをさがしてきた著者が、みなさんに「自分をすきでいてね」「いろいろあって、いいんだよ」とエールをおくります(やさしく よめる LLページつき)。
目次
まえがき
はじまりは、おたより交換
●第1章 セクシュアルな悩み
おもなないよう/勝負は、5分!?/「おたより交換」の内容紹介/「おたより交換」が必要なわけ/くつがえされる「常識」/ひとり、ひとりとつきあうために/ことばのせつめい
●第2章 コンドームという「教養」
おもなないよう/コンドームはむずかしい!?/きらわれるコンドーム/「ゲリラ(!?)授業」にいってみる/「おどし」ではなく「知識」を/ことばのせつめい
●第3章 「ゲイ・スタディーズ」という視点
おもなないよう/同性愛に偏見はない?/はじまりは世間話/ラブレター/その場しのぎ/問題だらけの「同性愛」概念/「同性愛者」への対応/ケンタ自身の混乱/同性愛をめぐる混乱/ことばのせつめい
●第4章 ニューカマーの「女の子」たち
おもなないよう/ニューカマーがやってきた/女子生徒たちのすがた/K中学の生徒との対比/学校における「同化圧力」/男子生徒の見解/学校文化とジエンダー/女性が働くことの多義性/ことばのせつめい
●第5章 「文化」としてのセクシュアル・ハラスメント
おもなないよう/ある女子生徒へのしつこい「からかい」/つづく「セクハラ」被害/はじめての「セクハラ」の授業/つかのまだった沈静化/「セクハラ」と生活背景/一律ではないジェンダー観を前提に/ことばのせつめい
●第6章 DVと恋愛幻想
おもなないよう/きっかけは虐待のニュース/特殊な子たちではない/対応の現実/「中立」の立場できく、という意味/当事者の「気づき」の重要性/「プチ結婚」としての恋愛/恋愛が「規範」になるとき/ことばのせつめい/授業で考えるDV―「耳をふさぐ」生徒たち
●第7章 レイプからの回復
おもなないよう/レイプ被害の実態/被害の概要/ことなる反応/ふっきったフウカ/「セックス」にたいする「常識」/司法における「経験則」/「性規範」という問題/ことばのせつめい/事例でかんがえるレイプ―摂食障害と性的虐待
●第8章 男の子ゆえの「受難」
おもなないよう/男の子が「まわされた」?/男の子も性被害にあっている/「ホモ」ってどうやってなるの/男性に特有のセクシュアリティの混乱/専門家とよばれる人々の現状/女性は加害者にはならない?/わたしたちになにができるか/ことばのせつめい
●第9章 スクール・セクハラ―学校、養護教諭、当事者、それぞれがまもりたかったもの
おもなないよう/学校がゆるせない/学校はただしい/学校がまもろうとしたもの/被害生徒をまもるとは/それぞれの現実/みぢかにいる者として、はずせないこと/「保護」「過保護」の境界/ことばのせつめい
●第10章 「援助交際」とはなにか
おもなないよう/それって「援助交際」!?/それぞれのこたえ/それぞれの「さみしさ」/なぜ、「援助交際」なのか?/「女子高生」というブランド/教員たちの「援助交際」観/「援助交際」批判は、だれのためにあるのか/それぞれのその後//ことばのせつめい
●読書案内
●あとがき
●謝辞
前書きなど
みなさん、こんにちは。わたしは、保健室で はたらく 養護教諭(「ほけんのせんせい先生」と よばれることが おおい)です。
これまで、たくさんの生徒とかかわるなかで、生徒のみんなに たくさんのことを おしえてもらいました。とくに、性のことは…… かんがえさせられることが、おおかったです。
わたしは、ほけんの先生として、生徒たちと、ジェンダー(「おとこらしさ」「おんならしさ」とおおくのひと人が かんがること)や性について、たくさん はなしあいたいと おもってきました。そして、「みんなOK(だいじょうぶ)だよ」って、つたえたいと おもってきました。
でも…… みんなと「おたよりこうかん」をしたり、はなしたりしてみたら、「えっ、売春(お金をもらって、性的なサービスをすること)って、いいとか わるいとかで かんがえることじゃ なかったの!?」とか、「人とふれあうってことが、つらいひと人も いたの!?」などなど、かんがえこんでしまうことが たくさんありました。
わたしが、生徒のみんなに「こうであってほしいな」と おもっていたねがいもまた、「らしさ」「常識(世の中であたりまえだとかんがえられていること)」にしばられていたことが わかったのです。
それには、どんなやりとりがあったの? では、ぼくたち・わたしたちが、どうなったらいいとおもっているの?
そのこたえは ぜひ 本文をよんで、みなさんが みつけてください。
この本は、日本語をよむのがにがてな人にも、そうではない人にも、いっしょによんでもらえるように、この「まえがき」のような LLページ(やさしく よめるページ)をつくっています。
ひとつひとつの おはなしのまえに、その回のおはなしをまとめた LLページがあります。そのあとに、本文、それから「ふりかえり」のページがあります。「ふりかえり」のページは、本文にでてくる言葉のなかで、みなさんに かんがえてほしいものについて、もういちど、おさらいします。ここもLLページになっています。
どこから、よんでくださっても、だいじょうぶです。
よみおわったみなさんが、「ぼくは このままで、だいじょうぶ!」「わたしは、OK!」と自信をもってくださることを、ねがっています。
上記内容は本書刊行時のものです。