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障害のある人の欠格条項ってなんだろう? Q&A 臼井 久実子(編著) - 解放出版社
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障害のある人の欠格条項ってなんだろう? Q&A (ショウガイノアルヒトノケッカクジョウコウッテナンダロウ キュウアンドエー) 資格・免許をとって働き、遊ぶには (シカクメンキョヲトッテハタラキアソブニハ)

社会一般
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発行:解放出版社
A5判
縦210mm 横148mm 厚さ10mm
重さ 239g
144ページ
並製
定価 1,500円+税
ISBN
978-4-7592-6128-8   COPY
ISBN 13
9784759261288   COPY
ISBN 10h
4-7592-6128-1   COPY
ISBN 10
4759261281   COPY
出版者記号
7592   COPY
Cコード
C0036  
0:一般 0:単行本 36:社会
出版社在庫情報
在庫あり
初版年月日
2023年4月10日
書店発売日
登録日
2023年1月23日
最終更新日
2023年4月5日
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書評掲載情報

2023-06-22 点字毎日 活字版  第1270号(点字版5145号対応)
2023-06-20 点字毎日  第5145号
2023-05-25 ふぇみん  No.3353(2023年5月25日)
2023-05-15 すべての人の社会  2023年5月(No.515)
評者: 読書案内―読みたい・伝えたい 1冊
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紹介

差別・偏見に基づく欠格条項は「障害があるから難しい」と人を見ずに門前払いしてきた。消えた欠格条項もあるが、実は増えている。その歴史や現状、課題、相談方法、体験などを障害当事者、弁護士、医療関係者など多数が執筆。テキストデータ引換券付。

●推薦のことば
学び、働き、遊ぶ。あたりまえの営みを、欠格条項は制限する。
それは人生での挑戦に対する「門前払い」だ。
(東京大学教授/盲ろう・福島智)

目次

はじめに 大熊由紀子

◎欠格条項とは
Q1 欠格条項ってなんですか? 臼井久実子
Q2 欠格条項は今どうなっていますか? 臼井久実子

◎勉強する・働く
Q3 勉強したことがムダにならない? 瀬戸山陽子
 コラム
  情熱は無駄にならない 医師/視覚障害 福場将太
  学びつづけることで人生を豊かに 薬剤師/聴覚障害 早瀨久美

Q4 職業にかかわる欠格条項にはどんなものがありますか? 臼井久実子
 コラム
  欠格条項改正が開いた未来の扉 医師/視覚障害 守田 稔
  あきらめなくてよかった 医師/聴覚障害 関口麻理子
  コントロールしながら働きつづける 看護師/てんかん・うつ病 加納佳代子
  壁にぶつかったら相談しよう 弁護士/聴覚障害 松田 崚

◎遊ぶ
Q5 スポーツや趣味を楽しむことに、欠格条項は影響していますか? 臼井久実子
 コラム
  自然は誰にでも平等―セーリングを通した当たり前の実現に向けて 大塚 勝

◎暮らす
Q6 障害や疾患のある人の運転免許はどのようになっていますか? 臼井久実子
 コラム
  運転免許更新の経験から 写真家/統合失調感情障害・車いす使用 熊野杉夫
  私たちのことは私たちが決める 野本千春
  身分証明書として便利 こらーるたいとう/統合失調症 K.O.
  運転免許更新時の対処について 三野 進

Q7 選挙権と欠格条項の関わりについて教えてください 佐藤彰一
Q8 部屋を借りるとき、どんな問題がありますか? 瀬山紀子
 コラム
  入居を拒まれて 大阪精神障害者連絡会/統合失調症・摂食障害 たにぐちまゆ
  私と住まい こらーるたいとう/統合失調症 フラワー

◎世界のこと
Q9 国連・障害者権利委員会は、欠格条項についてどんな勧告をしましたか? 佐藤久夫
 コラム
  韓国の欠格条項と国連障害者権利委員会の総括所見 崔 栄繁
  海外の例に学ぶ 瀬戸山陽子
  すべての人の夢がかなう社会に DPI日本会議/聴覚障害 伊藤芳浩

◎日本のこと
Q10 欠格条項はどのようにしてつくられてきたのですか? 臼井久実子
Q11 欠格条項に対してどんな取り組みがされてきましたか? 臼井久実子
 コラム
  バリアフリーを目指して 医師/聴覚障害 藤田 保
Q12 欠格条項が撤廃された資格・免許にはどのようなものがありますか? 臼井久実子

◎相談したいと思ったら
Q13 自分の経験と欠格条項の関係はどうしたらわかりますか? 臼井久実子
Q14 欠格条項にぶつかったら、どうすればいいですか? 藤岡 毅
    相談者記入シート
Q15 どこに相談すればいいの? 長岡健太郎

◎経験者に聞いてみよう
 コラム
  道は複数開かれている 診療放射線技師/聴覚障害 宮田 充
  病気や障害を理由に門前払いしないで てんかん既往歴 峯尾聡太
  夢を諦めず進みたい 受験生/聴覚障害 紅華
  生徒の進路指導を行って感じた見えない壁 某県高校進路指導教員
  あらためて感じる欠格条項の不条理 李 幸宏
  「門前払い」をなくすために 採澤友香
  欠格条項で失職した警備員の裁判に取り組んで 篠田達也
  欠格条項ゆえの公務失職をめぐる裁判から(塩田和人メッセージを含む) 東 奈央

Q16 欠格条項のない社会をどう展望しますか? 臼井久実子

ぜひ知っておきたい法律
参考図書・サイトなど
執筆者一覧

前書きなど

はじめに

 私が生まれた1940年、女は生まれただけで欠格条項の対象者でした。選挙権も相続権もなかった日本の女性に人権の扉を開けたのは、ベアテ・シロタ・ゴードンという、当時22歳の女性でした。ベアテさんは15歳まで日本で育ちました。そして、マッカーサー元帥の率いる連合国最高司令部(GHQ)のスタッフとして来日。憲法草案を起草するメンバーとなりました。
 ベアテさんは生前、こう話してくださいました。
 「日本政府の男性たちは、草案の男女平等のところにくると、強く反発しました。『日本には、女が男と同じ権利をもつ土壌がない。日本には向かない』というのです。まとめ役のケーディス大佐が『これは、日本をよく知っているシロタ嬢が、日本の女性の気持ちを考えながら一心不乱に書いたもの』と押し切ってくれました」
 こうして、女性への表向きの欠格条項はなくなりましたが、現実は変わりませんでした。たとえば、進歩的と思われている朝日新聞。募集要項に「男子に限る」と書いてはいないものの、合格させない時代が続きました。1963年に私が入社できたのは、その翌年に東京でオリンピックが開かれるという偶然からでした。「オリンピック村にはフェンスで囲まれた女子選手村があって男子禁制。特ダネの宝庫かもしれない。女の記者がいないと他紙に負けてしまうかもしれない」と、どの新聞社もおびえ、この年、そろって女性を採用しました。
 そして次の年から再び扉を閉ざしてしまったのでした。
 そんな体験があるので、論説委員を命ぜられてからは社説で欠格条項の理不尽さを訴えました。中途失聴の医師、藤田保さんが聴こえない患者さんに救世主のように慕われていること、薬剤師国家試験を一度でパスした早瀨(当時後藤)久美さんが聴覚障害を理由に門前払いされそうになったとき日本薬剤師会が「認めるべき」という見解を発表して応援したことなど、具体的なエピソードをちりばめました。
 そんな私も、障害者欠格条項をなくす会の「頭脳」、共同代表の福島智さんと食事しながら打ち合わせと聞いて、何も考えずに出かけました。視覚と聴覚の両方に障害のある福島智さんが指点字で会話しながら食事することは不可能と気づいたのは会場についてから。想像力の限界と貧しさを思い知ったのでした。
 スウェーデンやデンマークでは、障害者差別について、国、そして自治体レベルで監視し、改善するシステムがあります。そのひとつ、ストックホルムのお目付け役センターを訪ねたら、事務局長は強度の難聴で、知的障害の子をもつ方でした。会議はみんなマイクをもって話すシキタリ、部屋には、補聴器をつけている人がくっきり聴き取れるための磁気ループが張りめぐらされていました。
 障害者欠格条項をなくす会の「屋台骨」、事務局長の臼井久実子さんは、北欧なら国レベルのシステムで行っている仕事を1990年代から、コツコツと続けました。そして、1999年にこの会を立ち上げるところまでこぎつけました。障害のある高校生から「医師になりたいけれど、法律のために、なれないのですか」という手紙をうけとったのがきっかけでした。
 そして、今、医療分野に限っても、てんかん、うつ病、聴覚や視覚、手足に障害のある人が、医師、看護師、薬剤師、診療放射線技師、臨床検査技師、言語聴覚士、精神保健福祉士などとして活躍しています。視覚や聴覚に障害をもつ弁護士、統合失調症の経験を公表している弁護士が尊敬を集めています。
 この本を企画し、編集した臼井久実子さん自身、聴覚障害のある身。会議では2人のパソコン文字通訳のサポートをえて、32人の執筆者や助言してくださる方々、解放出版社の尾上年秀さんとともに粘り強く1年がかりで刊行にこぎつけました。本作りのきっかけになった「障害を理由とした欠格条項にかかわる相談キャンペーン実行委員会」では、全盲の知恵袋、竹下義樹弁護士にご尽力いただきました。
 2022年9月、国連の障害者権利委員会から日本に、勧告(総括所見)が出されました。そこでは、欠格条項はじめ、おびただしい分野で、日本が条約違反をしていることが指摘されました。先進諸国ではあたりまえの独立した監査機関の設置も勧告されています。医学モデルから社会モデル、さらに人権モデルへの転換が提唱されて、参加者の心を揺さぶりました。
 人権は、翻訳語。日常生活では馴染みがありません。そこで私は「居場所・味方・誇りを保障すること」と言い換えたりしています。欠格条項は、障害をもつ人から、居場所や味方を奪い、その結果、生きていくために不可欠な誇りを奪うからです。
 障害者権利条約の勧告について、日本の省庁は「勧告には拘束力はありませんが」と枕ことばのように繰り返して骨抜きにしようとしています。でも、そんなことは、ないのです。憲法の第10章「最高法規」に位置づけられている第98条2項は、こう定めています。
 「日本国が締結した条約及び確立された国際法規は、これを誠実に遵守することを必要とする。」
 障害をもつ人々が誇りをもって生きられる日本に変えるために、本書がお役にたつことを願っています。

障害者欠格条項をなくす会・共同代表
国際医療福祉大学大学院・医療福祉ジャーナリズム分野教授
大熊由紀子

著者プロフィール

臼井 久実子  (ウスイ クミコ)  (編著

障害者欠格条項をなくす会事務局長。
聴覚障害があり、英語聴き取りテストができないという理由でクラス替えされそうになった学生の時、地域で自立生活する全身性障害のある人たちと出会い、障害者自身による活動に参加。法律が夢を阻まないようにと、障害の違いや障害の有無をこえて障害者欠格条項をなくす会結成を呼びかけ、1999年の会発足から事務局を務める。

上記内容は本書刊行時のものです。