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ネットと差別扇動 谷口 真由美(著) - 解放出版社
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ネットと差別扇動 フェイク/ヘイト/部落差別

発行:解放出版社
四六判
縦188mm 横128mm 厚さ11mm
重さ 213g
168ページ
並製
定価 1,400円+税
ISBN
978-4-7592-1103-0
Cコード
C0036
一般 単行本 社会
出版社在庫情報
在庫あり
初版年月日
2019年10月20日
発売予定日
登録日
2019年8月19日
最終更新日
2019年10月11日
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紹介

ネット上には、部落差別や在日コリアン差別をはじめとした、マイノリティに対する差別に満ちたヘイトが溢れている。本書では、「ネット版部落地名総鑑」事件をはじめとした具体的な事例をもとに、「ネット差別」=「晒し差別」の現状を明らかにする。また、そうしたネット差別によって被害にあったときの対処の方法や闘い方などを提起する。

目次

まえがき

登壇者のプロフィール

「部落差別解消推進法」施行と意義
  「部落差別解消推進法」の概要
  ネット上に偏見・差別情報が氾濫
  後退する同和教育/同和行政の負の影響

巨大プラットフォーム事業者「GAFA」とヘイトスピーチ
  日本では事業者の差別対応が遅れている
  米大手企業によるYouTube からの広告引き上げ
  ネット検索の罠―検索順位、AIスピーカー、Yahoo! 知恵袋
  「ネトウヨ春のBAN祭り」
  急増するシニア層の「ネトウヨ」

ネットの普及で顕在化する「晒し差別」の実態
―鳥取ループ・示現舎の部落差別
  部落を暴き、晒す鳥取ループ・示現舎
  確信犯の鳥取ループ・示現舎
  『全国部落調査・復刻版』出版事件
  「ネットの電話帳」で部落民リストを作成
  鳥取ループに対する裁判闘争
  「アウティング」と「カミングアウト」は違う!
  深刻化する被害の実態
  「鳥取ループ事件」で問われているもの

「メディア・リテラシー」ではヘイトは防げない
  スマホの操作に長けていればヘイトは防げるのか?
  デマを見極めるには人権教育や社会性の習得が重要
  差別する側もメディア・リテラシーは身につけている
  人権は教育によってしか体得できない
  当事者意識を持って差別をどう学ぶのか

「新しい差別」を生み出しているもの
  高校生のアンケート調査から見えてくるもの
  「ルールを疑わない」若者たち
  「今の秩序を問い直すこと」を教えない学校現場
  「権利を主張するヤツは叩け!」―跋扈するニューレイシズム
  現代的部落差別を象徴する鳥取ループ・示現舎
  「多文化共生は管理から」という誤った発送―保見団地の事例
  「管理教育の先兵」としての生徒会
  「ライツ・ベースド・アプローチ」を取り入れてこなかった日本
  日本社会に蔓延する「新しい差別」

差別の被害者救済をどう実現するか
  部落差別の被害の実態
  ―「部落解放全国高校生集会・全国青年集会」のアンケート調査から
  五割もの若者が実際の部落差別を経験
  被害者救済の課題
  被害者が救済方法を検索してもヒットするのは差別ばかり
  セクハラ被害者の相談から何を学ぶか
  いじめ被害者の相談から何を学ぶか
  法務省の基本姿勢「自力救済が基本」を変えなければならない
  ヨーロッパの取り組みから学ぶ被害者救済の方法
  被差別当事者の連帯・連携こそが重要
  自力救済をどうサポートするか
  各自治体で進むモニタリングの結果を被害者救済に生かす

ヘイト・フェイク情報の法的規制を考える
――ドイツ「ネット執行法」を事例として
  ドイツ「ネット執行法」の施行とケルン「大晦日集団性暴行事件」の影響
  日本におけるYahoo! のヘイト対策
  日本におけるTwitter のヘイト対策
  日本におけるGoogle のヘイト対策
  ヘイト情報のまとめサイト「保守速報」の敗訴事例
  ヘイトスピーチの規制はどうすればいいのか―四つの手段
  サイトブロッキングが抱える問題
  法的規制は「表現の自由」を侵害するか?

ネットにおける差別をどう止めるか
  「良質なコンテンツ」の拡大・拡散
  「サポーター(支援)機能」の充実化
  ヘイトに対する積極的なカウンター
  企業や行政の対応を随時チェックする
  どうやってネットを駆使し「命綱」を強くしていくか
  差別者の持つ「ノウハウ」をいかに超えていくか
  「ゲーム感覚の差別」には地道な人権教育が重要
  人権感覚がなければビジネスはできない!
  「あかんもんはあかん」と言い続けること

質疑応答
  質問の提起
  良質なコンテンツで差別を受けている人をエンパワメントしよう!
  「あるあるネタ」が「Me Too」につながる!
  加害者の自己正当化には「中和の技術」が有効
  「失敗した体験」や「悩んだ経験」をアウトプットしよう!
  「マジョリティ」ではなく「非マイノリティ」という存在の意味
  三つに類型化できる「ネトウヨ」の主張
  差別する人たちと対話は可能なのか?
  差別解消に向けたメディアの役割―沖縄報道から考える
  筋力のある「遅い運動」から何を学ぶか
  「部落委解放同盟のメディア化」という新しい闘い方
  差別撤廃に向けてともに闘おう!

用語解説

前書きなど

2016年12月、「部落差別解消推進法」が成立・施行されました。背景にはネット社会における差別の悪化・深刻化があります。ネット上で爆発的に拡散されるデマや偏見。部落問題について無知・無理解・無関心な人ほど、デマや偏見を鵜呑みにしています。今、あらためて同和教育の重要性が指摘されています。
 また、ネット上では全国の被差別部落の所在地リスト(「部落地名総鑑」)や部落出身者などの個人情報一覧リストが作成され、結婚や就職時の身元調査、不動産取引における土地差別調査に悪用されています。さらに、鳥取ループ・示現舎によって「部落地名総鑑」が公然と出版されようとしており、オークションサイトで売買する人までが出てきています。これまでの半世紀にわたる身元調査お断り運動や就職差別撤廃の取り組みが一瞬にして壊され、深刻な状況が起きています。
 このような状況を打開していくために、部落解放・人権研究所では2017年より「ネットと部落差別研究会」を立ち上げ、ネット上の部落差別解消に向けた調査研究や実践交流、政策提言を行ってきました。
 ネットを悪用した差別、人権侵害の放置、この最悪な状況から一歩でも前進するよう、人権が保障されたネット空間、ルールづくり、人権確立社会の実現に向けて何が必要で、どう取り組んで行けばよいのか。ドイツやEUの先駆的なヘイトスピーチ、フェイクニュース対策などに学びながら国内におけるネット対策、差別解消の取り組みの充実に向けて荻上チキさん、津田大介さん、谷口真由美さん、そして私の四人でのトークセッションを一冊の本にまとめました。ネットと差別扇動の現実、ネット対策のこれからをみなさまと共に考えていきたいと思います。

※本書は、2018年12月15日に開催された「『ネットと部落差別研究』研究集会」(主催:一般社団法人部落解放・人権研究所)におけるシンポジウム「ネット社会と人権確立」の内容を再構成したものである。

一般社団法人 山口県人権啓発センター事務局長 川口 泰司

著者プロフィール

谷口 真由美  (タニグチ マユミ)  (

1975年生まれ。大阪大学非常勤講師、全日本おばちゃん党代表代行。国際人権法、ジェンダー法などが専門分野。TBS系『サンデーモーニング』、朝日放送『おはよう朝日です』『キャスト』、ABCラジオ『伊藤史隆のラジオノオト』はじめ、TV、ラジオ、新聞のコメンテーターとしても活躍。

荻上 チキ  (オギウエ チキ)  (

1981年生まれ。評論家。メディア論を中心に、政治経済、社会問題、文化現象まで幅広く論じる。NPO法人ストップいじめ!ナビ代表理事。ラジオ番組『荻上チキ・Session-22』(TBSラジオ)メインパーソナリティー。同番組にて2015年度、2016年度ギャラクシー賞を受賞(DJパーソナリティー賞およびラジオ部門大賞)。

津田 大介  (ツダ ダイスケ)  (

1973年東京生まれ。ジャーナリスト/メディア・アクティビスト。ポリタス編集長。テレ朝チャンネル2『津田大介 日本にプラス+』キャスターほか、ラジオのナビゲーターも務める。

川口 泰司  (カワグチ ヤスシ)  (

1978年生まれ。愛媛県の被差別部落に生まれる。中学時代、同和教育に本気で取り組む教員との出会いから解放運動に取り組むようになる。大学卒業後、社団法人部落解放・人権研究所、社団法人大阪市新大阪人権協会を経て、2005年より一般社団法人山口県人権啓発センター事務局長として活躍

部落解放・人権研究所  (ブラクカイホウジンケンケンキュウショ)  (

部落差別をはじめ一切の差別の撤廃をはかり、人権確立社会の実現をめざすため、調査研究事業、人権人材育成・啓発事業、情報発信事業等の取り組みを行っている。

上記内容は本書刊行時のものです。