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いずみ昴そうしょ9 太虚と公正無私の世界
近代を拓く大塩思想
- 初版年月日
- 2021年11月30日
- 書店発売日
- 2021年11月30日
- 登録日
- 2021年11月12日
- 最終更新日
- 2021年11月26日
紹介
大塩は歴史のなかでどのように語られ、近世陽明学では何が論じられたのか。大塩思想とルソーや『仁学』の著者譚詞同と比較したとき、何が分かって来たのか。そして中江兆民の儒学思想としての哲学書『理学鉤玄』のなかに陽明学思想を読み解くなど、大塩研究の新局面を拓く論考。
目次
大塩研究の書誌的考察
はじめに
1、同時代の記録
2、明治維新期
3、明治中・後期
4、大正期
5、昭和十五年戦争期
6、昭和戦後期
7、平成期
おわりに
近世陽明学の受容史
はじめに
1、藤原惺窩の儒学
2、林羅山の党派的受容
3、貝原益軒の理性主義
4、中江藤樹の儒教認識の葛藤
5、熊沢蕃山の主体的受容――時処位論
6、三輪執斎の人間平等観
7、石田梅岩の職業倫理
8、佐藤一斎の実学
9、大塩平八郎の太虚の哲学
10、山田方谷の実学的陽明学
11、横井小楠の儒学近代化
12、春日潜菴の劉念台志向
13、林良斎と大塩思想
14、吉田松陰と儒学
近世陽明学と大塩思想
はじめに
1、陽明学の受容事情
2、陽明思想の諸相
3、心即理
4、『大学』論の比較
5、近世陽明学と大塩
『古本大学刮目』引用姓氏から見た大塩平八郎の学問的態度について
はじめに
1、引用姓氏の加除
2、『古本大学』への視角と朱子学認識
3、引用姓氏から見た思想的特徴
4、大塩の学問的基軸
5、天人観をめぐる理と良知
おわりに
『洗心洞劄記』における『伝習録』の受容について
はじめに
1、『劄記』研究への一つの試み
2、『劄記』における『伝習録』の比重
3、『劄記』における『伝習録』の展開
4、『劄記』の展開
おわりに
田結荘千里と『古本大学刮目』の復刻
はじめに
1、洗心洞門人但馬守約
2、千里と大塩事件
3、千里の『古本大学刮目』への校訂
4、『古本大学刮目』の復刻
5、『古本大学心印』の意義
6、田結荘千里の思想
思想方法からみた大塩平八郎とルソー思想
はじめに
1、時代と出自
2、学問する役人と社会批判する文人
3、人間存在としての自他意識
4、道徳と政治
5、理性と良知
6、学問史から見た西洋と東洋
おわりに
大塩平八郎の太虚と譚嗣同の以太(エーテル)について
はじめに
1、大塩の太虚の思想
2、譚嗣同の以太
3、孝と仁
4、学問観
5、私欲・人心・天理
おわりに
歴史思想から見た三宅雪嶺とカール・レビット
はじめに
1、一九世紀における東西文明の終焉
2、レビットにおけるヨーロッパニヒリズムの克服
3、雪嶺の東西哲学の統合化
4、世界観の転換―人間中心主義の歴史観から世界内存在としての人間観へ
5、戦争体験への理性的批判と良知的批判
おわりに―自愛主義の日本批判と事実に即したヨーロッパの批判精神
兆民哲学における陽明学的位相
はじめに
1、陽明学派兆民
2、儒教・宋学・孔孟の影響
3、エトスとしての漢学受容
4、兆民哲学の陽明学的言説
おわりに
あとがき
上記内容は本書刊行時のものです。