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デザインとデコレーション 田中正之(監修解説) - ありな書房
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イギリス美術叢書

デザインとデコレーション ウィリアム・ブレイクからコーファーへ
原書: Ars in Britannia III, DESIGNATIO ET ORNAMENTUM: Ex William Blake ad Edward M. Kauffer

発行:ありな書房
A5判
236ページ
上製
価格 4,500円+税
ISBN
978-4-7566-1861-0
Cコード
C0071
一般 単行本 絵画・彫刻
出版社在庫情報
在庫あり
初版年月日
2018年8月
書店発売日
登録日
2018年7月25日
最終更新日
2018年9月7日
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紹介

ウィリアム・ブレイクの彩飾挿絵本に、ウォッツ・チャペルのケルト・リヴァイヴァルに、イギリス室内装飾のジャポニスムに、オメガ工房の前衛的デザインに、コーファーのヴォーティシズムを継承したポスター・デザインに、これらの創造の軌跡と美的表象の深奥を探り、イギリス近代の文化装置としての装飾芸術を明らかにする。

目次

プロローグ デザインとアートが出会うところ  荒川裕子
第1章 装飾の喜び──ウィリアム・ブレイクと中世彩飾写本  小野寺玲子
第2章 メアリー・ウォッツによるデザイン・プロジェクト──フィランスロピーとアーツ・アンド・クラフツ運動のあわいで  荒川裕子
第3章 装飾から造形へ──エドワード・ウィリアム・ゴドウィンの家具デザインとジャポニスム  粂和沙
第4章 オメガ工房の装飾制作──「協同」への期待  加藤明子
第5章 エドワード・マックナイト・コーファーのポスター・デザイン──ヴォーティシズムとの関連をめぐって  田中正之
エピローグ 絵画の装飾性、装飾デザインの芸術性  小野寺玲子

あとがき  田中正之
人名索引

前書きなど

 西洋のデザイン史において、イギリスは非常に大きな位置を占めている。
 一八世紀半ばに始まる産業革命によって、製造業や輸出産業が著しく発展し、商品経済の規模が一段と拡大していったのにともない、イギリスでは製品のデザイン性の向上をめぐる議論が活発におこなわれるようになった。
 『イギリス美術叢書』第三弾にあたる本書では、装飾またはデザインを鍵にイギリス美術を読み解こうと試みた。デザインや装飾芸術という概念は工業製品の登場によって生まれたものであるため、論考の対象は一九世紀後半以降が中心になるが、この「デザインの世紀」に参照された手本は、古代地中海世界や中世ヨーロッパ、あるいは日本など多岐にわたる。第1章では、中世の彩飾写本とウィリアム・ブレイクの版画の関係を考察したが、その両者とも、一九世紀の絵画とグラフィック・デザインに少なからぬ影響を与えている。第2章で論じられたウォッツ・チャペルは、シンボリックなキリスト教図像にケルト・リヴァイヴァルの造形が融合したデザインが独特であるのみならず、その制作に周辺住民を参加させることで労働者階級を教化するという、きわめて一九世紀的な、社会改良の意図をもっていた。第3章はイギリスの室内装飾への日本の影響を扱うが、これまで漠然と「日本風」といわれていた要素について、より具体的に、イギリスの建築家が日本の建築デザインをどう理解したかを明らかにする。
 二〇世紀に入り、遅ればせながらイギリスに紹介されたポスト印象主義は、絵画芸術という枠にとらわれず、装飾芸術にもその影響力を及ぼした。第4章で論じるオメガ工房は、セザンヌやマティスの芸術を単純に家具調度に転用するのではなく、「情動性に富む形式」というその本質の理解にもとづき独自の生産システムを構築し、感性に直接訴える前衛的なデザインを実現した。そして第5章は、キュビスムやイタリア未来派の影響を受けたイギリスの前衛芸術運動とグラフィック・デザインとの関係を考察する。ポスター・デザインの新しい地平を開いたコーファーの作品は、「芸術性の高いポスター」をという社会の要請に応えるものであると同時に、幾何学的形態のもつ強いメッセージ性を重視するヴォーティシズムを継承することが論証された。

著者プロフィール

田中正之  (監修解説

武蔵野美術大学教授 西洋近現代美術史

荒川裕子  (

法政大学教授 イギリス美術史

小野寺玲子  (

横浜美術大学教授 イギリス美術史

粂和沙  (

実践女子大学助教 日英美術交流史

加藤明子  (著/文

三菱一号館美術館学芸員 イギリス近代美術史

石井朗  (企画構成

表象芸術論

上記内容は本書刊行時のものです。