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ネーデルラント美術の光輝 尾崎 彰宏(著) - ありな書房
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北方近世美術叢書 II

ネーデルラント美術の光輝 ロベール・カンパンから、レンブラント、そしてヘリット・ダウへ

発行:ありな書房
A5判
248ページ
上製
価格 4,800円+税
ISBN
978-4-7566-1750-7
Cコード
C0071
一般 単行本 絵画・彫刻
出版社在庫情報
在庫あり
初版年月日
2017年3月
書店発売日
登録日
2017年2月24日
最終更新日
2017年4月5日
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紹介

ロベール・カンパンを初めとする《聖家族》表象に、ハンス・メムリンクの描く《バテシバ》に、ヤン・ブリューゲルの精緻にして輝く色彩の「花の静物画」に、レンブラントの《クラウディウス・キウィリスの謀議》に、ヘリット・ダウの《若い母親》に、レンブラントという時代に集まり発していく、ネーデルラント美術の光輝を探る!

目次

プロローグ レンブラント 共感と変容  尾崎彰宏
第1章 神から人へ 〈聖家族〉表象の変容──ロベール・カンパンからレンブラントへ  今井澄子
第2章 誘いと惑い──ハンス・メムリンクの《バテシバ》にみる両義的図像の作法  寺門臨太郎
インテルメッツォⅠ  尾崎彰宏
第3章 花へのまなざし──ヤン・ブリューゲルとレンブラントの時代  廣川暁生
インテルメッツォⅡ  尾崎彰宏
第4章 逆説の画家レンブラント──《クラウディウス・キウィリスの謀議》をめぐって  尾崎彰宏
第5章 ヘリット・ダウ《若い母親》──一八世紀オランダの絵画市場と絵画の価値  青野純子
エピローグ レンブラントとは何か──油彩画の真贋論争をめぐって  尾崎彰宏

あとがき
人名索引

前書きなど

オランダ最大の都市であり、オランダの海洋交易で主導的な役割を果たしたのがアムステルダムである。その立場を象徴的に表わしているのが、アムステルダムの市庁舎である。ウェストファリア条約調印から八カ月後の一六四八年一〇月に、建築家ヤーコプ・ファン・カンペンの設計による市庁舎建設が着工された。その広壮かつ華麗さは、世界の八番目の奇跡と称されるほどで、アムステルダムの繁栄の象徴である。一六五五年夏には、大方が完成し、行政機能はそこへ移転した。だが、絵画など重要な装飾はまだ手つかずのままであった。この新市庁舎の壁を飾るはずであった絵画が、レンブラントの大作《クラウディウス・キウィリスの謀議》である。一六六一年、アムステルダムの市庁舎を飾る一点としてレンブラントに注文され、一六六二年七月、ギャラリーの南隅に設置された。ところが、翌八月二八日にはレンブラントの絵はもはやその場所にはなかった。一カ月あまり展示されたあと、突然画家に戻されてしまったのである。そして、一六六二年九月、ケルンの大司教にして選帝候が市庁舎を訪れたときには、レンブラントの作品はユリアーン・オフェンスの絵にさしかえられていた。現在ストックホルムにある作品は、レンブラント自身の手で切断され描き直され、一八世紀後半にスウェーデンにもたらされた。オリジナル作品がそのまま遺されていたなら、サイズは《夜警》よりも大きく、レンブラント最大の作品(縦横五・五〇メートル)であったことはまちがいない。レンブラントの描いたこの絵画は、ここに収斂し、発していくネーデルラント美術の結節点であった。

上記内容は本書刊行時のものです。