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ルネサンスの祝祭的生における古代と近代 アビ・ヴァールブルク(著) - ありな書房
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ルネサンスの祝祭的生における古代と近代 (ルネサンスノシュクサイテキセイニオケルコダイトキンダイ)
原書: The Collected Works of Aby Warburg 4

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発行:ありな書房
A5判
312ページ
上製
定価 5,000円+税
ISBN
978-4-7566-0689-1   COPY
ISBN 13
9784756606891   COPY
ISBN 10h
4-7566-0689-X   COPY
ISBN 10
475660689X   COPY
出版者記号
7566   COPY
Cコード
C0071  
0:一般 0:単行本 71:絵画・彫刻
出版社在庫情報
在庫あり
初版年月日
2006年1月
書店発売日
登録日
2010年2月18日
最終更新日
2015年8月22日
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紹介

神聖ローマ帝国王マクシミリアンのブリュッヘ補囚をある素描から、アレクサンドロス大王の空中飛行と潜水行をパラッツォ・ドーリアのタピスリーから、ピエロ・デッラ・フランチェスカの《コンスタンティヌス帝の勝利》をランブーの水彩模写から、ルネサンスの祝祭式典の文化史的意義をウフィツィのヴァロワ・タピスリーから、そしてバロック期のメディチ家祝婚式典をブオンタレンティの素描と会計出納簿から、見事に解き明かす、イコノロジーの精華。

目次

第1章 いわゆる「ハウスブーフの画家」の素描に見られる、国王マクシミリアンのブリュッヘ捕囚における二つの場面
第2章 中世の表象世界における飛行船と潜水艦
第3章 ヨーハン・アントン・ランブーの水彩模写に見られる、ピエロ・デッラ・フランチェスカの《コンスタンティヌス帝の戦い
第4章 ウフィツィ美術館所蔵のフランドルのタピスリーに見られる、ヴァロワ朝の宮廷でのメディチ家の祝宴
第5章 一五八九年の幕間劇のための舞台衣装――ベルナルド・ブォンタレンティの素描とエミリオ・デ・カヴァリエーリの出納簿
第6章 一五世紀のフィレンツェへの文化史的寄与
原 註
補 註
図版一覧
解 題 ヴァールブルクとフランドルのタピスリー 加藤哲弘
解 題 フィレンツェの市民生活と祝祭芸術 伊藤博明
あとがき
人名/著作名/美術作品名 索引

著者プロフィール

アビ・ヴァールブルク  (アビ・ヴァールブルク)  (

 美術史家ヴァールブルクは、一八六六年六月一三日、一七世紀以来ハンブルクに在住していたユダヤ系銀行家の七人兄弟の長男として、ハンブルクに生まれた。父はモーリッツ・ヴァールブルク、母はシャルロッテ。幼少より身体が弱く、一八七三年、アビが七歳のときにはチフスを患い、その結果就学が遅れる。体調の不安定さを自覚していた彼は、一八七九年、彼が一三歳のときに、すぐ下の弟マックスと有名な「契約」を結んだ。それによって、アビはマックスに、この有名な銀行家一族の「長子相続権」を譲り、そのかわりにマックスは、アビが望む本の代金を支払うことになる。豊かな資金をもとにアビが築き上げた類い稀な書籍コレクションの出発点である。
 一八八六年、ボン大学に入学したアビは、美術史家のユスティ(Carl Justi, 1832-1912)やトーデ(Henry Thode, 1857-1920)、神話学者のウーゼナー(Hermann Carl Usener, 1834-1905)、文化史家のランプレヒト(Karl Lamprecht, 1856-1915)たちのもとで学ぶかたわら、自らが購入した図書の記録をとりはじめていた。その後彼は、八八年にはミュンヘンを訪れ、八八年から八九年にかけてはフィレンツェでシュマルゾ(August Schmarsow, 1853-1936)が開いた実地演習に参加する。イタリアから帰国後、彼はストラスブールに赴き、一八九一年、有名な博士号請求論文「サンドロ・ボッティチェリの《ヴィーナスの誕生》と《春》」をヤニチェク(Janitschek, Hubert, 1846-1893)のもとに、提出した。
 論文提出後のヴァールブルクはベルリンに転居して、一八九二年から九三年までエビングハウス(Hermann Ebbinghaus, 1850-1909)のもとで心理学を学んでいる。彼は自らのことを「美術の歴史家」とみなすだけではなく、つねに「視覚文化の心理学者」だとも考えていた。とくに記憶の問題については、後述する写真集「ムネモシュネ・アトラス」のタイトルが示唆しているように、彼は強い関心を持っていた。また、ダーウィンの進化論やローベルト・フィッシャー(Robert Vischer, 1847-1933)の象徴理論に対しても、彼は深く傾倒している。これらの理論的関心が示す哲学的な基盤は、後年に展開されるヴァールブルクの文化史的思考の基本的な土台をかたちづくっていくことになる。
 その後、一年間の兵役のあとで彼はフィレンツェに戻り、アメリカ南西部への旅行に出かける一八九五年まで、美術、音楽、演劇、服飾などの諸分野にまたがる「ページェント」の研究に没頭していた。あまり日本では紹介されることはないが、この研究も「越境」の美術史家ヴァールブルクの姿をよく示すものと言えよう。

伊藤博明  (イトウヒロアキ)  (

埼玉大学教養学部教授 ルネサンス文化史

岡田温司  (オカダアツシ)  (

京都大学人間関係学部教授 ルネサンス美術史

加藤哲弘  (カトウテツヒロ)  (

関西学院大学文学部教授 近代美学

上記内容は本書刊行時のものです。