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デューラーの古代性とスキファノイア宮の国際的占星術 アビ・ヴァールブルク(著) - ありな書房
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デューラーの古代性とスキファノイア宮の国際的占星術 (デューラーノコダイセイトスキファノイアキュウノコクサイテキセンセイジュツ)
原書: D殲er und italienische Antike (1906) Die antike G嗾terwelt und die Fr殄renaissance im S歸en und im Norden (1908) Kirchliche und h喃ische Kunst in Landshut (1909) Italienische Kunst und internationale Astrologie im Palazzo Schifanoia zu Ferrara (1912 / 22) Planeteng嗾terbilder im niederdeutschen Kalender von 1519 (1908)

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発行:ありな書房
A5判
328ページ
上製
定価 5,000円+税
ISBN
978-4-7566-0381-4   COPY
ISBN 13
9784756603814   COPY
ISBN 10h
4-7566-0381-5   COPY
ISBN 10
4756603815   COPY
出版者記号
7566   COPY
Cコード
C0071  
0:一般 0:単行本 71:絵画・彫刻
出版社在庫情報
在庫あり
初版年月日
2003年11月
書店発売日
登録日
2010年2月18日
最終更新日
2018年1月11日
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紹介

イタリア・ルネサンスの古代復興のデューラー作品における受容を考察しつつ、〈パトスフォルメル〉という概念を提起し、フェッラーラのスキファノイア宮に描かれたフレスコ画連作の占星術的イメージの分析によって、〈イコノロジー〉の方法論を実践した、ヴァールブルク美術史学の新たな展開を示す、学問的霊感に満ちた代表的論攷。

目次

第1章 デューラーとイタリア的古代
第2章 南と北における古代の神々の世界と初期ルネサンス
第3章 ランツフートにおける教会の美術と宮廷の美術
第4章 フェッラーラのスキファノイア宮におけるイタリア美術と国際的占星術
第5章 一五一九年の低地ドイツの暦における惑星神の図像について
原 註
補 註
デカン像の分析のためのテクスト――エルスベート・ヤッフェ
図版一覧
解題 〈パトスフォルメル〉とその受容をめぐって 加藤哲弘
解題 スキファノイア宮論文の背景と「イコノロジー」の誕生 伊藤博明
あとがき
人名/著作名/美術作品名 索引

版元から一言

イコノロジーの祖ヴァールブルクの代表的論攷

著者プロフィール

アビ・ヴァールブルク  (アビ・ヴァールブルク)  (

 美術史家ヴァールブルクは、一八六六年六月一三日、一七世紀以来ハンブルクに在住していたユダヤ系銀行家の七人兄弟の長男として、ハンブルクに生まれた。父はモーリッツ・ヴァールブルク、母はシャルロッテ。幼少より身体が弱く、一八七三年、アビが七歳のときにはチフスを患い、その結果就学が遅れる。体調の不安定さを自覚していた彼は、一八七九年、彼が一三歳のときに、すぐ下の弟マックスと有名な「契約」を結んだ。それによって、アビはマックスに、この有名な銀行家一族の「長子相続権」を譲り、そのかわりにマックスは、アビが望む本の代金を支払うことになる。豊かな資金をもとにアビが築き上げた類い稀な書籍コレクションの出発点である。
 一八八六年、ボン大学に入学したアビは、美術史家のユスティ(Carl Justi, 1832-1912)やトーデ(Henry Thode, 1857-1920)、神話学者のウーゼナー(Hermann Carl Usener, 1834-1905)、文化史家のランプレヒト(Karl Lamprecht, 1856-1915)たちのもとで学ぶかたわら、自らが購入した図書の記録をとりはじめていた。その後彼は、八八年にはミュンヘンを訪れ、八八年から八九年にかけてはフィレンツェでシュマルゾ(August Schmarsow, 1853-1936)が開いた実地演習に参加する。イタリアから帰国後、彼はストラスブールに赴き、一八九一年、有名な博士号請求論文「サンドロ・ボッティチェリの《ヴィーナスの誕生》と《春》」をヤニチェク(Janitschek, Hubert, 1846-1893)のもとに、提出した。
 論文提出後のヴァールブルクはベルリンに転居して、一八九二年から九三年までエビングハウス(Hermann Ebbinghaus, 1850-1909)のもとで心理学を学んでいる。彼は自らのことを「美術の歴史家」とみなすだけではなく、つねに「視覚文化の心理学者」だとも考えていた。とくに記憶の問題については、後述する写真集「ムネモシュネ・アトラス」のタイトルが示唆しているように、彼は強い関心を持っていた。また、ダーウィンの進化論やローベルト・フィッシャー(Robert Vischer, 1847-1933)の象徴理論に対しても、彼は深く傾倒している。これらの理論的関心が示す哲学的な基盤は、後年に展開されるヴァールブルクの文化史的思考の基本的な土台をかたちづくっていくことになる。
 その後、一年間の兵役のあとで彼はフィレンツェに戻り、アメリカ南西部への旅行に出かける一八九五年まで、美術、音楽、演劇、服飾などの諸分野にまたがる「ページェント」の研究に没頭していた。あまり日本では紹介されることはないが、この研究も「越境」の美術史家ヴァールブルクの姿をよく示すものと言えよう。

伊藤博明  (イトウヒロアキ)  (監訳

埼玉大学教授 ルネサンス哲学・美術・思想史の第1人者

加藤哲弘  (カトウテツヒロ)  (

関西学院大学教授 ヴァールブルク研究を主なライフワークとするこの分野の第1人者

上記内容は本書刊行時のものです。