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魔法の文芸―川柳を学ぶ
- 出版社在庫情報
- 在庫あり
- 初版年月日
- 2022年6月20日
- 書店発売日
- 2022年5月20日
- 登録日
- 2022年3月31日
- 最終更新日
- 2022年5月18日
紹介
全日本川柳協会副理事長の著者が、五七五のリズムの徹底解析から日本語の特性までも明解にしつつ「川柳」の魅力を徹底的に解説。楽しい例句も豊富に、自由で深い川柳の作り方、句会の楽しみ方を具体的、体系的に紹介。日本の短詩型文学の歴史的推移から、これからの川柳界のあるべき姿を忖度なしに提言しました。
目次
Ⅰ 川柳の魅力
1川柳は魔法の文芸
川柳の魔力
ユニークな課題
川柳で充実した日々を
2川柳に見る人間模様
①家族の風景
②素材いっぱい、日常生活にも
③仕事エレジー
④恋愛も、恋愛もどきも
⑤川柳の出番、「政治・社会」
⑥自己を見つめて
Ⅱ 川柳の基本と日本語の特性
1創作にチャレンジ
「ヤバイ」が課題!?
2音数の数え方
外国人には難しい日本語の特殊拍
あわせて、12音のナゾ
3川柳のリズム
定型(基本)と句の書き表し方
字余り
句跨がり
準定型
二句一章の妙味
破調と自由律
「字足らず」感と「字余り」感
「五七五絶対主義」の弊害
Ⅲ 川柳の技巧
1 比喩のいろいろ
直喩
隠喩
擬人法
その他の比喩
2表記の工夫
3句語の発見、その他の技巧
4添削と推敲
添削の実際
推敲のプロセス
5句会は「道場」です!
「句会」のシステム
句会の効用
Ⅳ 改めて川柳を考える
1ココが違う、俳句と川柳
2川柳史概観 ――「うた」から川柳が生まれた
(1)「うた」が生まれる
(2)「漢詩」に対する「和歌」
(3)『万葉集』は「漢字」、『古今和歌集』は「ひらがな」表記
(4)日本的心情を詠むには、やっぱり「やまとうた」!?
(5)川柳も俳句も、そのルーツは短歌
(6)エクササイズから川柳は始まった
(7)「川柳」という文芸名は人名である
(概観:日本の短詩形文芸、その流れ)
3三つの提言
(1)日本語の魅力を活用しよう
(2)ユーモア精神を取り戻そう
(3)リアリズムを復権しよう
4頼もしや、ジュニア川柳 (真島久美子寄稿)
資料編
1どんな句が入選しているのか?
2全国主要結社とその指導者吟
3「全日本川柳協会」とは ?
4日本現代詩歌文学館ってどんなところ?
5川柳は行動する
6 QアンドA
前書きなど
あとがき
近年、川柳の勉強会が盛んになってきました。競吟の要素が強い句会と比べると、この手の集まりは和気あいあい。自作を持ち寄り、楽しみながら川柳を学んでいます。そんな場に共通のテキストがあったらいいなぁ~、と以前から思っておりました。
世は生涯学習の時代です。今からちょうど一〇年前、福島県白河市で講演したときのこと。教育委員会関係者に案内されて、講演前の控室に向かう途中。廊下から、参加者の作句に励む姿が見えました。想を練り、電子辞書等を活用して推敲をしていたのです。良い光景でした。感動的でさえありました。筆者は教委の方を呼び止め、廊下越しにこの神々しい様子をしばし見ていただきました。当日の講演のテーマ(「川柳と国語教育」)にぴったりだと感じたのでしょう、教委の方もにこやかにうなずき返してくれました。
筆者はそんな「まなびすと」の皆さんが大好きなんです。
ちなみに、本著は書き下ろし。ご一緒に川柳を見直す機会となれば幸いです。
版元から一言
拓殖大学前総長、一般社団法人全日本川柳協会顧問の渡辺利夫先生からの推薦文です。
「こういう入門書が欲しかった! 一読して、そう思いました。とかく世の中から誤解されがちな川柳ですが、その魅力を筆者の江畑哲男さんがたっぷりと解き明かしてくれました。
江畑さんは元高校教諭(国語)。現在は生涯学習の分野で大活躍をされています。カルチャーセンターや大学のオープンカレッジ等で、入りやすくて奥の深い川柳を楽しそうに講義をされているようです。 そんな江畑さんを羨ましく、微笑ましく、頼もしく私は見つめています。時代閉塞の現下にあって、川柳はもっともっと見直されてしかるべき文芸だと信じます。」
上記内容は本書刊行時のものです。