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三橋鷹女の一〇〇句を読む 川名 大(著/文) - 飯塚書店
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三橋鷹女の一〇〇句を読む (ミツハジタカジョノヒャックヲヨム) 俳句と生涯 (ハイクトショウガイ)

文芸
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発行:飯塚書店
4-6
縦188mm 横128mm 厚さ17mm
248ページ
並製
定価 1,600円+税
ISBN
978-4-7522-2082-4   COPY
ISBN 13
9784752220824   COPY
ISBN 10h
4-7522-2082-2   COPY
ISBN 10
4752220822   COPY
出版者記号
7522   COPY
Cコード
C0095  
0:一般 0:単行本 95:日本文学、評論、随筆、その他
出版社在庫情報
在庫あり
初版年月日
2022年10月31日
書店発売日
登録日
2022年9月22日
最終更新日
2022年11月11日
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紹介

 鷹女の作風の変遷の三転について触れておこう。第一句集『向日葵』(昭15)時代における、いわゆる「冒険的な句作」。すなわち、鋭敏な感性と想像力を存分に発揮した斬新・奔放な作風。第三句集『白骨』(昭27)の前半(昭15~昭23ごろ)における愛息への独占的な母情俳句。『白骨』後半から『羊歯地獄』(昭36)へといわゆる「鱗の剝脱」という自虐的な営為によって孤心・老い・死の意識を激しく掘り下げていった作風。
 この作風の変遷において一貫するものは、「冒険的なる句作」時代に開眼した「俳句で詠むべきものは外部ではなく、自己の内部である」という俳句観に立脚して、自己の鋭敏な感性を信じ、他者と安易に同調しない強い自恃をもって自己の内部の様々な意識や情念を掘り下げ、表出していったことである。
 鷹女の句には素材として動植物が頻出する。しかし、それらは「ホトトギス」の花鳥諷詠句や、吟行などで外面的に動植物を詠む嘱目吟などとは全く異なる。鷹女にとっての動植物は一貫して鷹女の分身ないしメタファーである。

 三橋鷹女は孤高の作風を築いた孤高の俳人である。だが、偏屈で、偏狭な朴念仁ではない。強い自恃を抱きながらも、気のおけない交流ができる人であった。昭和二十三年の秋ごろから晩年にかけて、「ゆさはり句会」の会員たちとの句会や宿泊を伴う吟行での気さくな交流は、『羊歯地獄』における「鱗の剝脱」による疲労と孤心を癒し、新たな創作のエネルギーの蓄積になったであろう。
 また、夫剣三に関して鷹女が書いたエッセー類は、鷹女がユーモアや諧謔を解し、それを
好む人となりであることを、よく物語っている。――「本文より引用」

著者プロフィール

川名 大  (カワナ ハジメ)  (著/文

昭和14年(1939)千葉県南房総市生まれ。早稲田大学第一文学部を経て、慶応義塾大学・東京大学両大学院修士過程にて近代俳句を専攻。三好行雄、高柳重信に師事。富澤赤黄男・渡邊白泉・西東三鬼らの推進した新興俳句を研究対象としつつ、近代俳句の軌跡を俳句表現史の視点から構築。
東京都立三田高等学校・聖光学院中学校高等学校(横浜市)教諭、東京都公文書館史料編纂係などを務めた。
著書に『昭和俳句の展開』『新興俳句表現史論攷』(共に桜楓社)、『昭和俳句 新詩精神の水脈』(有精堂出版)、『現代俳句上・下』(ちくま学芸文庫)、『モダン都市と現代俳句』『俳句は文学でありたい』(共に沖積舎)、『挑発する俳句 癒す俳句』(筑摩書房)、『俳句に新風が吹くとき』(文學の森)、『昭和俳句の検証』(笠間書院)、『戦争と俳句「富澤赤黄男戦中俳句日記」・「支那事変六千句」を読み解く』(創風社出版)『渡邊白泉の100句を読む』(飯塚書店)などがある。

上記内容は本書刊行時のものです。