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賢人と奴隷とバカ 酒井 隆史(著/文) - 亜紀書房
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賢人と奴隷とバカ (ケンジントドレイトバカ)

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発行:亜紀書房
四六判
縦188mm 横130mm 厚さ32mm
重さ 478g
448ページ
並製
定価 2,700円+税
ISBN
978-4-7505-1787-2   COPY
ISBN 13
9784750517872   COPY
ISBN 10h
4-7505-1787-9   COPY
ISBN 10
4750517879   COPY
出版者記号
7505   COPY
Cコード
C0030  
0:一般 0:単行本 30:社会科学総記
出版社在庫情報
在庫あり
書店発売日
登録日
2023年1月16日
最終更新日
2023年4月20日
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書評掲載情報

2023-06-24 東京新聞/中日新聞  朝刊
評者: 栗原康(アナキズム研究)
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紹介

「ニッポンにいるのは、賢人気取りばかりだ」

「ポピュリズム」「反知性主義」「ポスト・トゥルース」
時代を「象徴」する言説に潜む〈大衆への差別的なまなざし〉。
資本主義×知識人が一体となって管理・支配しようとする現況を問い、近代社会の土台に存在する、無名の人びとが蓄積してきた知や技術に光を当てる。

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◆「中立」の立場から差別する過激中道[エキストリーム・センター]
◆ 平等を求める動きへのシニシズム
◆ 格差と対立を無視し、円滑な社会運営を志す「秩序派」
◆ 愚かな群衆に囲まれていると感じるリベラル知識人のナルシズム

知的ソースをあげて、スマートに切って捨てる態度、利得と犠牲の計算のような知的操作で、割り切ってみせる態度は根本的には、この世界とは別の世界にむかう衝動や想像力にむけられているようにおもわれるのである。

〈支配する知ではなく、解放する知を求めて〉
──私たちが生き延びるための唯一の方法はデモクラシーを深化させることである。

目次

◆はじめに……賢人とドレイとバカ 二〇二三年、春

第I部 無知と知、あるいは「大衆の恐怖」について
 01.現代日本の「反・反知性主義」?
 02.「反知性主義」批判の波動──ホフスタッターとラッシュ
 03.ピープルなきところ、ポピュリズムあり──デモクラシーと階級闘争
 04.「この民主主義を守ろうという方法によっては この民主主義を守ることはできない」──丸山眞男とデモスの力能
 05.一九六八年と「事後の生(afterlives)」──津村喬『横議横行論』によせて
 06.「「穏健派」とは、世界で最も穏健じゃない人たちのことだ」──「エキセン現象」をめぐる、なにやらえらそうな人とそうじゃない人の「対話」

第II部 だれがなにに隷従するのか
 07.「放射脳」を擁護する
 08.「しがみつく者たち」に──水俣・足尾銅山・福島から
 09.自発的隷従論を再考する
 10.「自由を行使する能力のないものには自由は与えられない」──二〇一八年「京大立て看問題」をどう考えるか
 11.「中立的で抑制的」──維新の会と研究者たち
 12.「この町がなくなれば居場所はない」──映画『月夜釡合戦』と釡ヶ崎

第III部 この世界の外に──抵抗と逃走
 13.「ブラジルで のブレザーなんて着たがるヤツはいない。 殴り倒されるからだ」──二〇二〇年東京オリンピックをめぐる概観
 14. 戦術しかない/戦略しかない──二〇一〇年代の路上における二つの趨勢
 15.「わたしは逃げながら、武器を探すのです」──ジョージ・ジャクソン、アボリショニズム、そしてフランスにおける「権力批判」の起源について
 16.ポリシング、人種資本主義、#BlackLivesMatter
 17.パンデミックと〈資本〉とその宿主
 18.「世界の終わりは資本主義の勝利とともにはじまった」──文明に生の欲動をもたらすもの
 19.すべてのオメラスから歩み去る人びとへ──反平等の時代と外部への想像力

◆あとがき

著者プロフィール

酒井 隆史  (サカイ タカシ)  (著/文

大阪公立大学教員。専門は社会思想史、都市社会論。主要著作に『通天閣―新・日本資本主義発達史』(青土社、2011年)、『完全版 自由論―現在性の系譜学』(河出文庫、2019年)、『暴力の哲学』(河出文庫、2016年)、『ブルシット・ジョブの謎』(講談社現代新書、2021年)。訳書に、ピエール・クラストル『国家をもたぬよう社会は努めてきた』洛北出版、デヴィッド・グレーバー『ブルシット・ジョブ―クソどうでもいい仕事の理論』岩波書店(共訳)、『官僚制のユートピア―テクノロジー、構造的愚かさ、リベラリズムの鉄則』以文社、『負債論―貨幣と暴力の5000年』以文社(監訳)、マイク・デイヴィス『スラムの惑星―都市貧困のグローバル化』明石書店(監訳)、デヴィッド・ウェングロウ、デヴィッド・グレーバー『万物の黎明』光文社(近刊)など。

上記内容は本書刊行時のものです。