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津波と観音
十一の顔をもつ水辺の記念碑
四六判
240ページ
上製
定価
2,000円+税
- 出版社在庫情報
- 在庫あり
- 初版年月日
- 2013年9月
- 書店発売日
- 2013年10月7日
- 登録日
- 2013年8月9日
- 最終更新日
- 2023年3月13日
紹介
2011年3月11日東北地方太平洋沖地震とそれに伴う津波により、三陸の沿岸は甚大な被害を受けた。しかし平安時代以前に遡る社寺の多くは、高台にあり被害を免れたと報告される。
白洲正子は十一面観音が「水神」「龍神」であったという仮説を立て、日本各地を旅した。また景観工学者の樋口忠彦は、十一面観音を本尊とする奈良・長谷寺の地形を山と河川が造りだす日本列島の景観の一典型だとした。
このように、三陸の沿岸をはじめ、日本各地の海や、川や、湖や、沼の畔には数多くの十一面観音像が祀られ、「水の守護神」として地域の人々から大切に守られてきたのである。
十一面観音を水辺に立てることは、治水や利水の成果を示すため、その事業に命を懸けた先人を弔うためだったのではないか。あるいは町や村の近くまで押し寄せた津波や洪水の経験を記憶にとどめるためだったのではないか。大和路、琵琶湖畔、東京とその近郊、濃尾平野、そして三陸沿岸を歩き、「水」との戦いの歴史であった日本列島民の足跡をたどる。
目次
一 長谷の水脈
二 岩場と洞窟
三 洪水と円空
四 津波と観音
上記内容は本書刊行時のものです。