版元ドットコム

探せる、使える、本の情報

文芸 新書 社会一般 資格・試験 ビジネス スポーツ・健康 趣味・実用 ゲーム 芸能・タレント テレビ・映画化 芸術 哲学・宗教 歴史・地理 社会科学 教育 自然科学 医学 工業・工学 コンピュータ 語学・辞事典 学参 児童図書 ヤングアダルト 全集 文庫 コミック文庫 コミックス(欠番扱) コミックス(雑誌扱) コミックス(書籍) コミックス(廉価版) ムック 雑誌 増刊 別冊
スウェーデンにおける障害者のパーソナルアシスタンス制度 鈴木 良(著) - 明石書店
.
【利用可】 (連絡不要)

書店員向け情報 HELP

書店注文情報

注文サイト:

在庫ステータス

在庫あり

取引情報

直接取引:なし

出版社への相談

店頭での販促・拡材・イベントのご相談がありましたらお気軽にご連絡ください。

スウェーデンにおける障害者のパーソナルアシスタンス制度 (スウェーデンニオケルショウガイシャノパーソナルアシスタンスセイド) 抑制政策を超えて、当事者主導性の確立へ (ヨクセイセイサクヲコエテトウジシャシュドウセイノカクリツヘ)

このエントリーをはてなブックマークに追加
発行:明石書店
A5判
304ページ
上製
価格 5,000 円+税   5,500 円(税込)
ISBN
978-4-7503-5959-5   COPY
ISBN 13
9784750359595   COPY
ISBN 10h
4-7503-5959-9   COPY
ISBN 10
4750359599   COPY
出版者記号
7503   COPY
Cコード
C0036  
0:一般 0:単行本 36:社会
出版社在庫情報
在庫あり
初版年月日
2025年7月25日
書店発売日
登録日
2025年7月7日
最終更新日
2025年9月2日
このエントリーをはてなブックマークに追加

紹介

パーソナルアシスタンスは、障害者が介助者を自ら雇用し、自立生活を送る「当事者主導性」を可能にする制度である。本書は、この用語が生まれた制度の先進国・スウェーデンにおける歴史と現在を詳細に探り、日本の障害者福祉のあり方を展望する。

目次

 はじめに

序章 研究の背景と目的
 1 パーソナルアシスタンスとは
 2 パーソナルアシスタンスの歴史的動向
 3 小括

第Ⅰ部 歴史と制度

第1章 歴史
 1 パーソナルアシスタンスと既存の地域サービス
 2 自立生活運動とパーソナルアシスタンス制度
 3 LSSの制定
 4 小括

第2章 制度
 1 理念と定義
 2 対象者
 3 アセスメント方法
 4 給付額・給付対象・パーソナルアシスタント提供者
 5 支払い方法と行政への報告
 6 小括

第Ⅱ部 実態と評価

第3章 実態
 1 パーソナルアシスタンス利用者
 2 パーソナルアシスタント
 3 小括

第4章 評価
 1 各国の評価研究
 2 パーソナルアシスタンス利用者への成果
 3 家族への影響
 4 費用
 5 小括

第Ⅲ部 運営

第5章 コミューン
 1 形態
 2 機能
 3 事例
 4 小括

第6章 協同組合Ⅰ:親による運営
 1 経緯
 2 形態
 3 機能
 4 小括

第7章 協同組合Ⅱ:自立生活センター
 1 形態
 2 機能
 3 事例
 4 小括

第Ⅳ部 抑制政策をめぐる主張

第8章 政府の主張
 1 LSSとニーズ
 2 支給決定の方法
 3 担い手
 4 費用
 5 小括

第9章 障害者団体の主張
 1 LSSとニーズ
 2 支給決定の方法
 3 担い手
 4 費用
 5 小括

終章 本書のまとめと日本の政策への提言
 1 本書のまとめ
 2 日本の政策への提言

補遺 知的障害当事者団体によるグループホーム改革
 1 グルンデン協会とLSSへの影響
 2 メンバーの暮らし
 3 グループホーム改革の取り組み
 4 小括

 引用・参考文献
 おわりに
 索引

前書きなど

序章 研究の背景と目的

 (…前略…)

3 小括

 以上のPA制度をめぐる動向を踏まえた上で、本書ではどのような研究の問いを設定し、どのような方法によって研究を行ったのかということについて述べたい。

3-1 研究の問い

 第1に、本書では、以下の研究の問いを設定した。すなわち、スウェーデンにおいて、1)PAはいかなる歴史を経て制度化されたのか、2)PAはどのような制度として運営されているのか、3)PA制度はどのように利用されているのか、4)PA制度はどのように評価されているのか、5)各組織は、どのようにPA制度を運営しているのか、6)PA制度の抑制政策をめぐって政府と障害者団体はどのように主張しているのかということである。
 これらの検討を通して、スウェーデンにおけるPA制度の歴史や現状を明らかにし、政府によるPA抑制政策を超えて、PAを障害当事者の市民権を実質的に実現させる制度へと展開させるための考え方や方法を探求したい。その上で、日本のPA制度のあり方を検討したい。日本では、PA制度が全国的仕組みとして成立してはいないが、PA制度に限りなく近いサービス形態である重度訪問介護制度をどのように発展させるべきなのかということについての提言を述べたい。

3-2 研究の方法

 第2に、本研究の方法についてである。
 まず、文献研究として、スウェーデンのPA制度に関わる行政や事業所による統計データや報告書、研究論文や報告書を整理し、分析した。スウェーデン語の日本語訳については、無料ソフトDeepLを活用したり、プロの翻訳家に依頼したりした上で、必要に応じて翻訳内容を修正した。翻訳の妥当性については、インタビュー対象となった団体に随時尋ね、確認する作業を行った。
 次に、2017年2月6~17日、2017年9月5~22日、2018年9月9~23日にかけて行った関係機関へのインタビュー結果を分析した。インタビュー対象者の概要は、表 序-1の通りである。インタビュー対象者は、PA制度における歴史・組織運営・運動に関わってきた障害当事者・家族・職員・行政関係者などである。これに加えて、各事業所や居宅などを訪問することによって、参与観察も実施した。こうしたフィールドワーク期間以外にも、調査対象となった関係者からメールを通して情報収集を行ってきた。
 分析方法は、エスノグラフィーを採用した。エスノグラフィーは、ある特定の社会や文化に生きる人々の「生活世界」や文化について記述したものであり、日本語では民族誌と呼ばれる(Kleinman 1988:307)。ただし本研究のエスノグラフィーは、文化人類学と同様に行為者の「生活世界」や文化を社会的文脈の中で相対化しながら描きつつも、社会状況の改善を目指す新しい実践や制度のあり方を模索した。分析に際してはインタビューの結果のみならず、資料や報告書、ホームページの情報やニュースレターなどの一次資料、参与観察によって得られた情報も分析の対象とした。

 (…後略…)

著者プロフィール

鈴木 良  (スズキ リョウ)  (著)

1975年生まれ。同志社大学社会学部社会福祉学科教授。
NPO法人ラルシュ・デイブレイク(カナダ)の職員、NGO地に平和(日本)のパレスチナ難民キャンプ支援事業担当員などを経て、2011年4月~2014年3月、京都女子大学家政学部生活福祉学科助教。2014年4月~2020年3月、国立大学法人琉球大学人文社会学部人間社会学科准教授(2018年より人間科学科から改組)、2020年4月~2023年3月、同志社大学社会学部社会福祉学科准教授。北欧・北米・日本の障害者の脱施設化とパーソナルアシスタンスについての研究を行う。
単著に『知的障害者の地域移行と地域生活――自己と相互作用秩序の障害学』(現代書館、2010年)、『脱施設化と個別化給付――カナダにおける知的障害福祉の変革過程』(現代書館、2019年)、『知的障害者の施設解体の試み――障害者自立支援法制定期における自立規範の変容と再編』(現代書館、2025)。共著に『障害学の展開――理論・経験・政治』(明石書店、2024年:「第22章 知的障害者の脱施設化」担当)、『障害者権利条約の初回審査――総括所見の分析』(法律文化社、2024年:「第11章 自立生活と地域インクルージョン」担当)など。翻訳書に『地域に帰る 知的障害者と脱施設化――カナダにおける州立施設トランキルの閉鎖過程』(明石書店、2018年)。

上記内容は本書刊行時のものです。